イタリアの被災地にスタッフの派遣決定!!
死者294名を数えたイタリア中部地震が発生してから2週間が経過しました。33000人がテントで暮らし、55000人の被災者が未だ元の家に帰れないという状況ですが、マスコミはほとんどもうイタリア地震には触れません。こうして被災者の多くは、イタリアのすばらしい伝統や文化の息づかいの中で、生まれ、育ってきた地から、一時移動を余儀なくされ、厳しい避難所生活を送っているようです。
CODEは、14年前に阪神・淡路大震災を経験し、以後多くの国内外の被災地において、救援活動を重ね、主に「復興」というプロセスでのお手伝いをしてきました。今回のイタリア地震後の復興プロセスについて、これまでの経験がどのように生かされるのか、また生かされないのかを現地調査によって把握するためにスタッフを1名派遣することに決定しました。この派遣は、日本航空様の「支援者渡航協力」により実現するもので、財源の乏しいNGOにとっては、こうした企業の社会貢献によっても支えられることが心強い、援助者間の大切な支えあいだと心から感謝いたします。
今回の派遣目的は、被災地における心のケアーのお手伝いと今後の
「復興プロセス」のための調査です。中でも前者の心のケアのお手伝いについては、イタリア国内で地震前からこの分野で評価されている「臨床道化師治療法」について、災害時にも通用するのではないかと思い、お手伝いをしながら、KOBEでのさまざまな心のケアーの手法との連携ができないかを探りたいと考えています。
後者の復興プロセスについては、復興支援の法制度や耐震建築の技
術移転や住民主体のコミュニティ再生など多岐にわたりますが、まずCODEの理念の一つとしている被災地の伝統や文化、宗教そしてそこに基づく暮らしの習慣などをまず第1に尊重することを忘れてはならないと考えています。そのためにも被災地において建設的な意見交換が必要です。その結果、むしろ私たちはこれからの災害後の支援のためにも、イタリアから学ぶことが多いような気がしています。すでにイタリアの建築系の専門家からは「日本から学べ!」と言っているようですが、むしろ一方的に学べということではなく、例えば歴史的建造物の修復技術は世界でも有数の技術を持っているということを考慮すると、修復と耐震組み合わせが可能かどうかを追求すればよいでしょう。イタリアは世界でも自殺者の少ない国としても有名です。11年も自殺者が3万人も超えているという日本は、この国から学ぶべきことは多いのではないでしょうか。また伝統と文化を守るためには、支えあうのはあたり前でだからこそ多数の協同組合というシステムが発達しているようです。その上にカトリックの教会コミュニティによる助け合いが重なれば、ひょっとすればこれほど豊かな国はないのいかも知れないとも言えましょうか。
しかし、自然災害が誘発し、結果的に犠牲者の多くが人災(例えばイタリアの司法当局が違法建築や耐震基準無視が被害が広がったとして捜
査を本格化したと一部報道発表されている。)によるかも知れないとなると、特に耐震技術については日本の智恵が役立つ可能性は高くなるで
しょう。
このように、いろいろな連携の可能性を持っているが、とにかく今は、被災者に「寄り添う」ことだと思います。すでに地震発生から情報収集をしていますが、現地の知人からは「阪神・淡路大震災を経験したKOBEから来てくれるだけでありがたい。」という声もあるようです。まずは、傍に行って寄り添いたいと考えています。これからもご支援のほどよろしくお願いします。