インドネシア中部のムラピ火山の噴火による被害が拡大しており、政府が避難指示を出している範囲も広がっています。初めは火口から10km以内の地域でしたが、15km以内に広がり、現在では20km以内に住む方々が避難しなければなりません。
CODEがジョグジャカルタのプロジェクトの際に、通訳などの面でお世話になっているKさんが詳しい状況を連絡して下さいました。Kさんはジョグジャカルタ特別州内の南部、火山からは50km以上離れたバントゥール県というところにお住まいです。
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こちらジョグジャでは灰に包まれております。
11月3日の噴火でまた死者が増えてしまいました。
死者の中には、ジョグジャで有名なメラピ火山預言者(予知者)マリジャンも含まれています。
テレビで見る画像はこの世のものとは思えないほど殺風景な景色。じわじわ押し寄せる自然の脅威を感じます。
家でも灰が薄く積もっています。
数日前から外で洗濯物が干せなくなったという程度ですが、バントゥールでさえそのような状況、ジョグジャ市内はもっと灰に包まれており、避難民もジョグジャ市内まで押し寄せています。
ただいまメラピ山頂から20キロまで危険範囲が広がり、ジョグジャ北部が含まれるため、現地の日本人も避難を考えている状況だそうです。ある家庭では停電もしているらしい。私の家も、噴火し始めてから3回も停電しました。今又曇りがちになってきています、ということはおそらく灰が多く飛んでいるのでしょう。出来るだけ外出を避け、窓とドアを締め切って生活しています。
刻々と数字が変わるので断言できませんが、今のところテレビで公表されている合計死者数は74名です(メトロテレビ)。この74名という数字は、昨晩の噴火で発見された遺体を含んだ数字ですが、地域全体が火山灰に覆われており、二次災害で火災も発生しております。風向きにより避難しつつのレスキュー作業のため、そして火災や熱を帯びた灰のために立ち入れない地域もあるため、作業は難しい模様。噴火時は、ジョグジャ市内の病院に10分おきに救急車が到着していましたが、今日昼は遺体の移送、そして新たに避難所に駆けつける地域住民の移送が中心だったようです。
今回火砕流の熱風を受けて灰と化してしまった村はムラピ山から約15キロの地点にある村。今まで避難勧告が出ていたラインが15キロだったため、夜中の突然の噴火のため逃げ遅れによる災難だったようです。テレビでは地域まで公表されていませんが、灰が鉄分を帯びているため電線を通っている電気とショートしないようわざと停電させている地域も多いとのこと。そのため家で待機している住民はテレビ・ラジオ等から発せられる情報が無く、避難勧告・レスキュー隊との接触も難しい状況。17キロ地点にある避難所では停電、水不足、灰の蔓延のため地域の援助部隊では手に終えないという報告がテレビ局に直接寄せられていました。この避難所は木に覆われた谷間にある小学校で、道も倒れた木で閉ざされ自力で他の避難所に向かうことが出来ないらしいです。このような孤立してしまった避難所は他にもまだあるようです。
しかも現在危険地域(避難必要地域)が20キロと広範囲になったため、これからのレスキュー作業に混乱をきたす可能性があります。メラピ山から20キロ地点に開設された避難所(サッカー場)でも避難民が殺到しており、こちらの収拾もうまくついていない模様。食料は大量に寄せられるのに、タオル、石鹸、子供用ミルクがかなり不足しているようです。この避難所はジョグジャ市内北部にあるため、個人から寄せられる支援物資も多く、テレビインタビューで「朝から何も食べていない」という1避難民の言葉に大量の食料が集まってしまったものだと思います、この私もこのテレビインタビューを見て、個人の食料支援を考えてた矢先でした、現在は状況が落ち着くまで政府の援助体制を見守ってから行動を起こそうと思ってます。
避難所にたくさんの医者も駆けつけましたが、実際やけどをしている避難者はすでに病院に運ばれており、避難所にいる避難民はストレスなどによる嘔吐、精神的不安からくる不眠という症状が多いとの事。なんせメラピ山でこんなに被害の出た噴火は100年以来ということで、いろんな面でのコーディネートがうまく行ってないのが浮き彫りになってます。