月別アーカイブ: 2010年12月

【インドネシア・ムラピ火山噴火】現地パートナーからの情報No.7

今回は、インドネシア・ムラピ火山災害の被災地ジョグジャカルタに住む建築家、エコ・プラウォトさんからの報告です。
CODEはエコさんと、2008年5月のジャワ島中部地震以来恊働してきました。
ムラピ火山の災害を受けて、エコさんは、自身が長年支援してきた「バンブー・ハウス」のコミュニティの住宅再建支援も始めたそうです。
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ムラピ山の噴火がほぼ終わった後、別の「問題」が生じています。
それは、洪水です。流れてきた土砂で川の水位がとても浅くなったので、雨が降ると川が溢れます。そもそも市内では、雨季には低地がよく浸水します。
川の水が砂を運んでくるため、洪水が引いた後は土地一帯が砂で覆われてしまいま
す。1m以上も砂が積もるところもあります。私たちが支援しているある地域では、こうしたことが原因で家がいくつか壊れました。天気予報によれば、雨季は2011年の3月までです。
私たちも、コミュニティの人たちが家を再建するのをどうやって支援するかを考えています。私は、ジョグジャカルタ市内を流れるチョデ川(Code River)岸のコミュニティと長年恊働してきました(※)。1986年、このコミュニティがバンブーハウス(竹の家)を建てるのを手伝ったのが始まりです。徐々に彼らは自ら家を改善し、ブロックなどでより長持ちするように補強しました。しかしいま、より安全性を高めるために、再建の必要がある家も見られます。
現時点では、既存の壁の上部に乗せて建てることのできる、簡単な木造の家を考えて
います。つまり、柱の上に家が乗っかっているようなものをイメージしていただければいいと思います。これで、水位が上がれば2階にとどまることができるのです。
エコ・プラウォト
(※)エコさんが師事していた建築の専門家、ロモマングンさんという方が、チョデ川沿いのスラム開発に取り組み、自然と共合した美しいバンブー(竹)ハウスの町をつくりあげました。エコさんは当時からずっとこのコミュニティに関わっています。これについては、CODEジャワ中部地震第二次調査団レポートNo.4 でもご紹介しています→http://code-java.seesaa.net/archives/20060805-1.html

【インドネシア・ムラピ火山災害】救援活動の立ち上げについて

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■■【インドネシア・ムラピ火山災害】救援活動を立ち上げます■■
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本MLで現地からの声をお伝えしておりますが、10月26日にインドネシア共和国・ジャワ島中部のムラピ火山が噴火しました。
既に噴火自体は沈静化し、日本のマスコミもこの災害についての報道をほとんど行わなくなりましたが、被災者の多くは生活再建の目途が立っておらず、未だ支援を必要としています。
そこでCODEは、この災害に対して救援プロジェクトを立ち上げ、支援を開始することと致しました。
この火山の被災地は2006年5月のジャワ島中部地震の被災地でもあります。当時から支援活動でCODEが恊働している建築家・アーティストのエコ・プラウォト(Eko Prawoto)さんや、エコさんを通して知り合ったアーティストのアラフマイアニ・フェイサル(Arahmaiani Feisal)さんと連絡をとって、事務局は情報収集にあたってきました。
レポートでもお伝えしておりますように、上述のアラフマイアニさんたちのグループが懸命に被災者の支援活動を継続しておられます。CODEは彼女たちのグループの支援活動をバックアップしてまいります。噴火から時間が経過し、タイミングを逸してしまいましたが、長い復興の過程に目を向け続けることが大切だとCODEは考えます。
皆様のご支援・ご協力をよろしくお願い致します。
※なお、今回の救援活動は、CODEの前進である救援委員会当時から数えて、48回目となります。

【インドネシア・ムラピ火山噴火】関連情報

先日のレポートでもお伝えしたように、ジョグジャカルタのパートナーであるアーティスト、Aさんの支援グループでは、ムラピ火山災害の被災者が生活を再建するための家畜(ウサギ)飼育を始めようとしています。
この地の人々の暮らしにおける家畜の重要性については、11月16日のIOM(国際移住機関)のレポートでも述べられていました。
IOMは、救援物資を配布するなどの緊急支援を行っていますが、その中に、避難する人たちの家畜を避難させるという活動もありました。
その箇所を抜粋してご紹介します。
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 IOMは、ジョグジャカルタ及びBoyolali県の危険度の高い地域から、ジョグジャ南西のクロンプロゴ県へと、家畜54頭をトラックで避難させました。これは州政府の畜産・家畜保健局との連携で行われました。
IOMジョグジャカルタのJohan Grundberg氏はこう言います。
「多くの人間が危険にさらされている状況で、家畜を避難させるというのは奇妙に聞こえるかもしれませんが、2つの点で重要なのです。まず、そうしなければ、避難指示の出ている20km圏内の人たちは、家畜の世話をしようとおそらくそこに留まっていたことでしょう。また、家畜がいれば、噴火が終わって家に帰ったときすぐに、飼い主は生計を立てることができます。」
原文: http://www.iom.int/jahia/Jahia/media/press-briefing-notes/pbnAS/cache/offonce/lang/en?entryId=28651

【インドネシア・ムラピ火山噴火】現地パートナーからの情報6

304名が犠牲になったインドネシア・ジャワ島のムラピ火山災害。
噴火は沈静化し、最大時に40万人となった避難者の半数近くは
もと住んでいた場所に戻りました。
しかし、家や生計手段を失った人たちの生活再建が課題となっています。
ジョグジャカルタ在住のアーティスト、Aさんからのレポートには、
そんな困難の中でもたくましく生きようとする被災者の姿が描かれています。
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私たちは、支援している村の方々と話し合い、問題点や解決方法、関心事などについて共有を始めました。新しい生活について考えるためです。悲しくなるときもありますが、皆とても熱心で、楽観的でユーモアがあり、そのことに私は本当に感動しました。彼らはとても強い人たちだと思います。すべてを失ってもなお、前向きなエネルギーで将来に希望をもっています。
いまはまず、道や家の残骸を片付けようとしています。また、養鶏場の代わりに、より経済的なウサギ飼育場の設立に取り組み始めました。これが今後の生計手段となります。その管理は、新しい「共同型」のシステムで始めようと思っています。避難している人たちが仮設住宅に移れれば、具体的に実施できると思います。
また、私たちの別のグループは、専門家と一緒に、降灰の影響を調査しています。どんな植物を植えれば土地を維持することが可能かを調べています。
水も大きな問題です。いま私たちが支援している人たちの村では、すべての水源がだめになったからです。ですから村に帰る許可が出たら、新しい水源を探さなくてはなりません。
とにかく、村人全員が、計画にもとづいて自ら活動に取り組んでいます。私たち支援者は彼らをサポートし、違う視点から意見を言ったりしています。