【インドネシア・ムラピ火山噴火】現地パートナーからの情報No.3

前回のニュースに引き続き、Kさんからのメールをご紹介します。
Kさんは、CODEがジョグジャカルタのプロジェクトの際に、通訳などの面でお世話になっている方で、ジョグジャカルタ特別州内の南部、火山からは50km以上離れたバントゥール県というところにお住まいです。
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日本人避難の件ですが、15キロ地点以内に住んでいたため少なくとも3家族がジョグ
ジャ市内に避難しています。20キロ地点ぎりぎりに住む日本人家族は今日か明日には
ジョグジャ市内南部のホテルに避難する予定であるということでした。
ジョグジャとは反対方向のボロブドゥール付近(ムンティラン)にも日本人が少なくとも2家族いらっしゃいます。メラピ山から30キロ地点とは言えども、雨季に発生するモンスーン風の影響で、灰のほとんどがボロブドゥール方向に飛んで行ってる状況です。噴火当初から灰が降り始め、今では毎日2センチも積もるという話です。昨日(4日)から停電しており、情報が途絶えている模様。電話は使えるということだったので、数時間毎に電話で状況報告しています。ジョグジャ市内よりも降水量が多いため、排水溝などに灰が詰まって引き起こされるであろう洪水を一番気にしていました。周辺では木々が次々倒れているようです、枝、葉っぱに灰が積もり、砂を含んだ雨で重さが増し、古い木・新しい木問わず倒れており、バキバキと倒れる音が怖いだけでなく、それによって電柱も一緒に倒れてしまったり、公道が塞がれているのが次なる問題のようです。この方々も2~3日様子を見て、電気が復興しないようだったら避難を考える、ということでした。
つい先ほどテレビの電話インタビューで、ムンティランに集団避難している地域住民は「灰の蔓延と停電と水不足のため自力ではもう無理、応援を頼む」とSOSがありました。このムンティランというのはボロブドゥールの手前にある小さな町ですが、風の影響で灰が蔓延しており、昨日の段階で視界10メートルと報告されている地域です。
今回の噴火で火砕流が流れたのはメラピ南部でカリゲンドルという川。この川の15キロ地点にある村が灰と化してしまったわけですが、メラピ山から15キロ地点のすべての地域が火砕流に覆われたわけではありません。この後豪雨によって土石流となって倒れた木々などが川を下ってきてます。そのためジョグジャ市内中心を流れるチョデ川付近に昨晩から洪水警報が出されています。ロモマングンが建てたバンブーハウス(※)の地域も含まれます。土石流とは別に、噴火で発生した灰(頂上より9キロまで達したそうです)はモンスーンの風に乗ってジョグジャ市内とは反対方向の、北西の方向に流れているようです。昨晩の噴火の灰は遠く離れた西ジャワのバンドゥンまで届いたそうです。
というわけで、メラピの南部は火砕流、土石流、洪水の危険、メラピの北西部は火山灰の危険があるということです。この火山灰にはガラス質鉄分等が含まれており、気管支炎、尿道炎を引き起こす危険があるとの事。まだ他にもいろいろあるでしょうが、私がテレビやSNSから得た情報は現在この程度です。
ここ我が家もメラピ山から約30キロ地点ですが、風向きの関係か、一日に1ミリほどしか積もりません…とは言えども箒ではいても水ぶきしても気づけば薄っすらと積もってます。先ほどスーパーに買い物に行ってきましたが、野菜がほとんど無く、あっても通常より3~5倍ほど値上がりしていました。ジョグジャ市内の南部にあるスーパーですが、半分のお客はマスク着用、異様な雰囲気です。
(※)ロモマングンが建てたバンブーハウス……
ロモマングンさんは建築の専門家で、ジョグジャカルタにあるチョデ川沿いのスラム開発に取り組み、自然と共合した美しいバンブー(竹)ハウスの町をつくりあげました。(CODEジャワ中部地震第二次調査団レポートNo.4でもご紹介しています
http://code-java.seesaa.net/index-3.html)