10月3日付け、時事通信Web14:40配信の記事で「アフガン、子供の餓死相次ぐ 年内に100万人が栄養失調」という衝撃的なニュースが目に飛び込んできた。ここ連日、女性に対する暴力、デモの禁止、女性の就労機会の剥奪などのニュースが入ってくるが、同時に90%が貧困状態にあるというニュースも入って来る。地域のよってはNGOによる人道支援を許可しているところもあるが、今の段階ではほとんどは認められていないだろう。
WFP(国連世界食糧計画)が「十分な食料がある家庭わずか5% 状況悪化のアフガン」という報告をしたことはつい最近のこと。加えて「失業者の増加や現金不足、物価の高騰によって、新たに飢餓に苦しむ市民が増えている」という。
先日も触れたが、連絡が途絶えたままの、当NGOがお世話になった家族には、1才の子どもが二人いるので心配だ。
私がアフガニスタンを訪問している時に、村の人の家庭で食事をおもてなしてくれることも少なくない。特にアフガニスタンでは最も多いパシュツーン人の文化には、「自分たちが食べなくても、お客さんには精一杯ご馳走して振る舞う」という教えがある。何度かおもてなしを受けていたときに、必ず出されたナンが残ったりするので、「あの残ったナンはどうするの?」って聞いたら、「あとで子どもや女性が食べるの」って返ってきた。「そうか、日本では食べ残しどころか、賞味期限前のものを含めて年間600万トンの食糧が廃棄されているというのに・・・・・」
それからは、屋台のレストランで食事をすることにした。ただ、村の家で食事をすると、少しはアフガニスタンの庶民の暮らしの一端がわかるので、それが見えなくなったのは残念だった。
例えば、冬前になると冬支度として、部屋の窓の向こうに紐でつるしたものがぶらさがっている。「あれは何ですか?」と聞いたら、「冬の保存食として肉を干しているの」と。
また、ヤギの乳からバターをつくるところも見せてくれた。日本のPWJ(ピースウィンズジャパン)というNGOが現地で展開していた鶏を育てて貰って買い取るというプロジェクトもみた。
こんな様子を見ると、人道支援の大切さがわかる。タリバン暫定政権も人道支援が不可欠であることを認めるべきだろう。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)