9月30日付け神戸新聞記事の「米軍撤退から1ヶ月」「アフガン 恐怖政治の足音」「女性のみで外出禁止」「犯罪者の遺体つるす」「タリバン政権 締め付け強化」という見出しに胸が締めつけられる思いがした。
実は、当NGOの現地の事業を手伝って下さっていたF・Lさんとの交信が、9月18日以来途絶えている。F・Lさんの家族にはお母さんと娘さんが二人いる。8月15日のタリバン暫定政権を宣言した8月15日以降に、一度F・Lさんが住んでいる地域で、「女性が誘拐された」ということも言っていたので、この音信不通になったことで大変心配している。どうも、各地域でのタリバンの振る舞いと政権中枢にいる幹部との方針のズレも際立っているようにも見える。ただ、こういうズレが、各地でみられるようになるとタリバン内での統制が効かず、分裂や衝突という事態になると、治安の不安定化も避けられなくなるのでは・・・・・・?
さて先日、日本政府はパキスタン政府に対して、「アフガニスタンの日本大使館およびJICAで働いていたアフガニスタン人のうち、出国を希望する者にはパスポートがなくてもビザを発行するように要請した」という発表があった。しかし、これではNGOで働いていたアフガニスタン人は対象にならないということになる。当NGOは早速NGOネットワークを通して、NGOで働いていた人も対象に入れるように要請をしたが、何故日本政府はこうした対応しかできないのだろうか?ほんとうに情けない!しかも先の対象者は約500人はいるということなのに、未だに具体的な対応策は発表できないという事態だ。
以前も本レポートで紹介しましたが、カタールでは「アフガン村」をつくり、いろいろとサービスを工夫した受け入れ態勢をつくり、約500人を受け入れることになっている。先日来議論がなされていた国連総会では、何が決定したのだろうか?議論の前に、具体的な救済策を示さなければ国連に対する信頼が揺らぐのではないか。とにかく、例えば「各国の良心的リーダーのみなさん、可能な限りの受け入れを表明する『○○アフガン村』を立ち上げ、カタールに続け!」と緊急声明を出すべきないかという提案は、素人すぎるでしょうか?
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)