タリバンが唯一制圧できなかったアフガニスタン北東部パンジシール州の反タリバン勢力が、条件付きではあるが、和平交渉の成立可能性を示した。タリバンは同意していないという報道もあるが、間違いなく遅々と進んでいると期待したい。また、タリバンによるカブール制圧後、首都カブールの国際空港からはじめて国内線(ヘラートとマザリシャリフへ)が飛んだというニュースも。加えて複数の国々の幹部は、タリバンの政治局があるカタールのドーハに、大使館を置くという努力をしている。なんとか平和裏に解決して欲しいと願いたい。
ただ、一方でタリバンが最も国際社会に認められるには、女性の教育や就労の自由を保障することだ。タリバンは一貫してイスラム教の教義の枠内でと固執しているが、それでは国際社会はには信頼されない。
先日4日、男女平等や政治参加を求める女性たちの集団が抗議デモを展開した。残念ながらタリバンと衝突し、タリバンは催涙ガスを使用し、また銃の弾倉で頭部を殴り負傷させた女性も出た。
そうした中で、日本の文民支援に以下のような支援があったことを思い出した。
—アフガニスタンの反政府勢力タリバンの幹部が、時事通信の取材に対し、日本政府が育成を支援してきた女性警官を含め、女性の政府職員についてアフガン社会に「必要だ」と認める見解を示した。外出など女性の権利を制限してきたとされるタリバンの幹部が、女性の社会進出に関し肯定的反応を示すのは異例だ。タリバンが関わる体制下でも「女性が犯罪に関わるケースがある。女性警官や検察官は必要だ。政府内では他にも女性が必要な部署はある」と述べた。アフガニスタンでは、部族的家父長制が根強く残り、家庭内暴力(DV)も横行している。家庭内では男女の居場所を厳しく区別する習慣も存在し、これに阻まれ男性警官が問題に踏み込めないケースが多かった(8月2日 JIJI.com)-と。
こうした解釈ができるなら、もっと女性に自由を保障することは不可能ではないということだろう。
さて、CODEのパートナーも国外退避を望んでいるが、まだまだアフガニスタンには、同様に国外退避望んでいる人たちがいる。各国の大使館もタリバンとの交渉や関係国との連携を模索する中で、無事に誰ひとり残すことなく国外退避をさせることに全力を尽くしている。CNNのデジタルニュースによると、「欧州議会(European Parliament)のダビド・サッソリ(David Sassoli)議長は1日、スロベニアで開催された会議で、タリバン政権から逃れるアフガン移民の流入に欧州連合(EU)は備える必要があると警告。『この作戦に参加したわれわれは、アフガニスタンが自分たちの問題ではないというふりをすることはできない』と述べた」と報じている。アメリカの責任のみを追及する国もあるが、私たち一人ひとりを含めて、同議長の言う通りではないかと痛感する。
私たちCODEは、アフガニスタンのF・Lさんとその家族が無事、国外退避ができるように、あらゆる方法を駆使したい。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)