No.5「ロックダウンと移転」

南太平洋の島国トンガを襲った火山噴火災害から3週間がたち、現在、被災地では新型コロナウイルス感染症や移転などの大きな課題を抱えています。

トンガは、2020年3月の非常事態宣言を発出し、特別な許可のない外国人以外のの入国を認めないなどの厳しい「ゼロコロナ」政策をとってきました。火山噴火災害後も、ニュージーランドなどの国際支援も非接触型の物資提供などを模索してきました。
1月15日の火山噴火直後の感染者は、1名のみ(米Johns Hopkis大学調べ)でしたが、3週間を経た現在の感染者は8名になり、2日から実施しているロックダウンも2週間延長し、20日までとなりました。ロックダウン下では、復旧作業、医療や生活必需品の買物以外は外出禁止になり、復旧復興に足かせとなっています。

本島トンガタプ島で農業を営むNさんが、現在の状況を教えてくれました。
「トンガタプ島の西側は津波で多くの家屋やリゾートが流された。いくつかの村は別の島に完全に移転しなくてはならない。周辺の小さな島でも多くの家が住めない状態になっていて、本島に避難して親戚の家やコミュニティホールで生活している。火山活動がまだ活発なので、いくつかの島の住民は、二度と故郷に戻る事はできないだろう。」

トンガの被災地では、家屋の被害だけではなく、火山灰で水が汚染され、農作物も被害を受け、故郷、そして祖国で再び暮らすことができないかもしれないとの不安の声もあがっていますが、他方で「生まれ育った故郷を離れたくない。国民の大半はここにとどまり、祖国をみんなで復興したいと思っている。」とトンガ人ジャーナリストが、自分たちのアイデンティティーが故郷にあることを語っています。
(吉椿)

※支援活動へのご協力をよろしくお願いいたします。
ご寄付はこちらから。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)