つぶやきレポート「パキスタン被災地の今」  Scene.20

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【写真】シャナラマラー村の様子

3月 ムザファラバード
 再び、ムザファラバードの大学テント村。
いつも快く通訳を引き受けてくれるマリックくんの家のある村に行ってみた。市街地からリキシャー(バイクタクシー)で山の手の方へ10分も走るとそこが、タルカバード(地震前の人口約6000人)だ。やはり山の急斜面に家が階段状に連なっている。「へばりつく」という表現がぴったりだ。崩れかけた細い階段と路地を降りていくとマリックくんの家があった。家は一見普通に建っているが、典型的な窓から屋根とか、かべの角へと亀裂がいたるところに入っている。すぐ横のコンクリート堤防は見事に地すべりで下の家の庭へと落ちていた。「実は地震がくる前からここは危険な所だという話もあったんだ」「ここはプレートの上にあるんだ」とマリックくん。たしかにこの斜面に家が密集していれば、雨季の大雨の時などは危なそうだ。
 反対側の集落は一面崖崩れで石灰岩質の岩肌がむき出しになっている。シャナラマラー村(地震前の人口約4000人)という集落だ。ここには斜面ではないが、3階、4階建てのアパートのような集合住宅がほとんど倒壊した。地震後、イスラマバードなどの大きな都市に避難していたが、今は、近くのテント村に戻ってきて、昼間は家の片付けなどをして夜はテント村に戻って寝るという生活をしているそうだ。
 マリックくんはここで仲の良かった友達を亡くしている。ガレキの中を歩きながらマリックくんに「今後の復興に関してどう思う?」と聞いたら、彼は、「まずは、政府の方針をはっきりしてほしい。それによって個人が再建を考えるのに。。」と。多くの地すべりを起こしているムザファラバードでもテント村を追われるように元の集落に戻り、家を再建しようとしている。彼らにとって帰る場所がそこしかないからだ。
政府が専門家を派遣して「ここは危ないエリアだから住んではだめだよ。」とはっきり言ってあげる事だけでどれだけ「安心」する事か。。。
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