パキスタン北東部地震に対する今後の支援について調査するために先月25日から現地入りしているCODEのスタッフは、予定通り明日5日に帰国します。帰国前の今朝現地から電話が入り、元気な声で最後のレポートを送ってくれました。
吉椿さんは慣れているので大丈夫と思っていたのですが、初めてこんな厳寒の地に行く岡本千明さんのほうが心配でした。でも結局今回は現地のローカルNGOや日本のNGOのサポートもあり、マンセラのホテルを拠点に活動できたのでその心配はなくなりました。
さて今日のイスラマバード午後11時発成田行きで現地を後にするのですが、最後の一日にもう一度バトグラム近くの小さな村(バザール・ゲイ)に行くとのことでした。目的は、今後の本格的な復興に向けて村のリーダー達と話すためです。実は、2001年インドグジャラート地震での再建プロジェクトで連携したネパールのNGO=NSETが、耐震建築のプロジェクトのために事前調査で現地入りしていることがわかり、現地でコンタクトをとっていたのですが、昨日会えたようです。場合によっては、パキスタンでも住宅耐震建設のためのデモンストレーションは一緒にできるのかも知れないという可能性が出てきたこともあって、もう一度その小さな村のリーダー達15人と話すことになったようです。
このリーダー達は、口々に「冬が終わったあと、本格的な住居再建が始まる。その時のために今準備できることは何なのか?」とCODEスタッフに聞いているそうです。彼らは今現在の緊急支援のみを要求するのではなく、この冬があけたあとの本格復興に向けての準備に目が向いているとのことです。阪神・淡路大震災の経験からは、やはり住宅再建をするときに
は「耐震技術」を取り入れた住宅再建ができるように願っています。
バラコットの中心地では、もうかなりの店舗も再開し、まちに活気が戻ってきているとのことです。また復興に伴うさまざまな仕事も発生してきているのか、昼間テントを訪ねても男性はほとんど仕事に行っているそうです。従って昼間は女性が留守番をしていることが多いようで、その分被災を受けた女性の話が多くヒアリングできているものと思われます。先日大阪で開かれたパキスタン報告会で緊急医療チームで入られた女性看護師の話では「女性の負傷者は、なかなか診療所には来れない。それで女性のために診療に特別の配慮をした」ということです。イスラムの習慣では、女性はほとんど外出できません。従ってその辺りは相当の配慮をしなければ実態が見えてきません。今回はその辺りも配慮して女性スタッフである岡本千明を同行させているので帰国すれば詳細が聞けると思います。
皆様、是非15日神戸YMCAで開催されるパキスタン合同報告会にご参加下さい。
日時:2005年12月15日(木)18:30~20:30
場所:神戸YMCA三宮会館1階チャペル
報告:柴田信也さん(日本基督教団兵庫教区被災者生活支援・長田センター主事)
吉椿雅道・岡本千明(CODE)
「パキスタン北東部地震」救援募金にご協力下さい
郵便振替:00930-0-330579 加入者名:CODE
*通信欄に「パキスタン地震」と明記してください。
募金全体の15%を上限として事務局運営・管理費に充てさせていただきます
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CODE海外災害援助市民センター