No.33-ウクライナ編21「こんな風に笑うんだ」

ウクライナ中南部、ドニプロペトロウシク州クリボイログから単身日本に避難してきた女性Iさん(30歳)に最初に会った時は風邪をこじらせており、Iさんは咳き込みながら英語で少しだけ話してくれた。この時、Iさんは神戸で出会った同じ避難民のOさんのお宅に間借りしていた。女性単身であった事や体調を崩していた事もあって、気になって時々連絡をしていた。
8/28に開催した交流会で再会した時は元気にしていて、ゲームにも積極的に参加したり、歌を歌ったり人一倍楽しんでいた。

先日、Iさんから市営住宅の入居がやっと決まったと連絡があり、引っ越しのお手伝いと企業から提供していただいたテーブルとイスを運んだ。引っ越しの際の車中でゆっくりお話しすると、「この前の交流会は楽しかったわ。BBQも美味しかったわ!」と本当に嬉しそうに笑っていた。

Iさんの家族は、ロシア領のクリミア半島にいて、戦争後会う事がより難しくなっているといいます。なぜ日本に一人で来たのかと聞くと、「神戸にウクライナ人の知り合いがいて、誘われたの」と、戦争という機会は残念だが、これを機に日本で頑張りたいと語っていた。

ウクライナから避難して来た方々の事情は本当に様々で、Iさんのように前向きに日本で頑張ろうという若い方ばかりではない。故郷を奪われ帰る場所をなくした高齢者や子どもの学校のために泣く泣く帰国した親子など様々だ。
災害の被災者と同じように、一人ひとりの声に耳を傾けていく事の大切さを改めて痛感している。
(吉椿)

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