No.16-ウクライナ編⑩「市民の連帯の力」

MOTTAINAIやさい便をウクライナの避難者の方々に提供し始めて約1か月半。東灘区に住むウクライナ人Mさんから始まり、現在、8世帯16名の方々に野菜を届けています。
在神戸のウクライナ人家族を含めると、11世帯19名になります。現在、兵庫県に避難してきたウクライナ人は、54名(出入国管理庁調べ)です(その中には個人のつながりで避難してきた方などは含まれていません)。という事は、兵庫県の避難者の3分の1に野菜を届けていることになります。人が人をつないで、このように「野菜がほしい」というウクライナの方が増えてきました。

「最近、野菜など物価が上がっているから助かるわ」、「ビーツやディルなどの野菜で故郷を思い出すわ」などの声をいただいています。また、野菜を届けた際にお話しをお聴きしているのですが、それがきっかけで通訳ボランティアさんの協力や自転車の提供、引っ越しなどの活動にも広がってきました。

ある方が、「MOTTAINAIやさい便は足湯ボランティアみたいですね!」と言ってくれました。そうなんです。足湯というものの提供の根っこには、それを通じて「目の前のひとりの声に耳を傾ける」という阪神・淡路大震災からずっと大切にしてきた事があり、このMOTTAINAIやさい便も新鮮で栄養のある野菜を食べていただくという事はもちろんですが、野菜を届けることを通じて、その方々に寄り添っていくという事を大切にしています。目の前の人の声を聴いていれば、その人たちの置かれた状況や問題がとてもよくわかります。直接、僕たちが解決できる問題を決して多くはありませんが、取りこぼされている人たちの声には耳を傾け続けていきたいと思っています。

CODEの「C」はCitizens(市民たち)という意味です。この「MOTTAINAIやさい便」には、たくさんの「普通の市民」の方々にかかわっていただいています。丹精込めて育てた野菜を提供していただいている農家の皆さん、捨てる野菜ではないけれどウクライナの人に何かをと家庭菜園の野菜を送ってくれる方々、言葉で力になりたいと通訳をしていただいているボランティアさん、通訳を探して紹介してくれる方、学校やアルバイトで忙しい中、合間を縫って野菜と届けている学生さん、いつも遠方から野菜を神戸に届けてくれるYさん、野菜を買ってと寄付をしてくれる方々、ウクライナではこんな野菜を食べるらしいよ、あそこに種が売っているよ、などの情報をくれる方、うちのキッチンを使ってウクライナ料理を作って売ってみたら?とアイデアをくれる方など、本当に市民の皆さんの力に支えられています。まだまだ小さな活動ですが、NGOとして「市民の連帯の力」の重要性を強く感じています。
みなさん、いつもありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。
(吉椿)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)