投稿者「code」のアーカイブ

No.46「被災地の暑さ・・・」

三ヶ月ぶりに被災地ヌルダを訪れた。

仮設住宅(コンテナハウス)は増設され、周りにあったテントはすっかり消えていた。
被災者やNGOたちに聞くと、「仮設住宅に入った人もいれば、元の自宅に戻った人も多い」という。ただ、その戻った住宅は決して安全とは言い難いという。
それでも自宅に戻る人が多いのは、日中33℃を越える暑さの中、さすがにテントで暮らすのは厳しいからだという。仮設住宅に入居した被災者のほとんどが「暑い!」と語る。
仮設住宅に住む女性に住み心地を訊ねると、「暑いだけよ!」と返ってきた。
中には、夜少し涼しくなってからテントに戻って寝る人もわずかだが、いるそうだ。
前回訪ねたヌルダ郊外のテント村の場所も訪ねたが、テントはほとんどなくなり仮設住宅になっていた。周囲では恒久的な復興住宅の建設も始まっていた。

被災地では、政府によるコンテナ仮設住宅に入った人、家賃補助を受けて自宅に戻った人、故郷を離れて避難している人などそれぞれだ。最も暑い8月に向けて仮設住宅では急ピッチでエアコンが配布、設置されている。
(吉椿)

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No.45「若者が見た被災地15」

ヌルダの仮設住宅を視察、見学しました。アディヤマンより少し遅れて、ヌルダでもACEVによる「子どもと家族のケアセンター」が建設中です。

トルコに来て、昨日も感じたのですが、みんなが見ず知らずの私にチャイをご馳走してくれ、真摯に話をして聞いてくれます。それだけで、ボランティア活動で私は来ているのに、不思議と私の気持ちがボランティアしてもらっているような気がしてきます。ボランティアとは、どっちがボランティアをする方、される方と関係なく、人としての「お互い様」の精神を感じました。

今日、私がしたことは、被災地で話を聞き写真を撮ったこと、本当にそれくらいです。本当に小さな誰でもできることです。しかし、それでも政府が運営している社会教育センターで責任者をしている女性と話をしていると、「話を聞いてくれて幸せです」と最後に答えてもらいました。「幸せ」と言うのは、大きな事をして感じるのではなく、本当に小さな誰でもできることだから感じることもあるのかもしれないと思いました。

イスラム教と、片やエセ仏教の私でも、「幸せ」を感じる瞬間や定義には、あまり違いはないのかもしれないと思いました。宗教や文化の違いはあれど、同じ人である。そして、意外と何も変わらないことを実感しています。
(山村)

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No.44「子どもと家族のケアセンターがスタート」

CODEと連携しているNGO.ACEVが被災地Adiyamanの仮設住宅内に「子どもと家族のケアセンター」が建設された。6/14には盛大なオープンセレモニーも開かれ、無事に開所した。

この仮設住宅(コンテナハウス)村には、1500戸に約6000人の被災者が暮らしている。Adiyamanにはこのような仮設住宅村が15ヵ所あるそうだが、ここが最大規模だという。
このセンターには、現在、約150人の被災した未就学児(3才から6才まで)が通っており、11人の先生や心理の専門家がケアにあたっている。年齢毎に3クラスに分け、遊びやアートを使ったケアをしているそうだ。その他、図書館や心理相談室、職員の宿泊部屋や遊具、台所、会議室なども併設されている。

子どもたちのトラウマの状況を聞くと、「子どもたちの中には、おねしょや赤ちゃん返り、親から離れない子や風で揺れただけでも怖がる子もいるわ」センター長のBさんは語る。
トルコでは、小学校就学前の基礎教育を行う保育園や幼稚園のような施設が少ないそうで、Adiyaman出身のBさんは、ポーランドで幼児教育を学び、帰国後間もなくして、故郷で大地震に見舞われた。自宅は倒壊し、家族は郊外の農村に避難しているそうだ。Bさん自身は、地震後、ACEVのスタッフとしてこのセンター内のコンテナハウスに寝泊まりしながら、子どもたちのケアに奔走している。

センターや仮設住宅村の状況を明確に話してくれたBさんだが、自分の故郷Adiyamanが被災した話しになると、「家族・親戚やたくさんの友人が被災したり、亡くなったから・・・」と言葉をつまらせていた。他の先生たちも大半が地元の人たちだそうだ。被災者が被災者を支えている。
(吉椿)

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No.43「若者が見た被災地14」

アディヤマンの仮設住宅を視察しました。感じたことは三つです。

一つ目は、子ども達の活気です。私が日本人と言うだけで、ずっとちょっかいをかけてきたり、話しかけてくれたり、写真を撮ろうとしたり、最後にはサインを求めてくれたりしました。逆のパターンを考えると、日本の仮設住宅にトルコ人が来たら、日本の子ども達は、こんなにも話しかけてくれるのだろうかと疑問に感じました。私としては、とても歓迎してもらってるようで嬉しく思ったと同時に、今後また学生がトルコに行く際に、日本人であることを活かして何か子ども達にできないかと思いました。そして、なぜ日本の子ども達とトルコの子ども達には、このような違いが生まれるのか、民族の違いだけで終わらせず、自分で考えたいと思います。

二つ目は、トルコ人のコミュニティ形成の力に魅力を感じました。これも日本と比較しての話ですが、日本だと仮設住宅や復興住宅に入るとバラバラの場所から来た人同士が関係を築いていくのに時間がかかります。そのため、孤独死の問題もありました。しかし、アディヤマンの仮設では、そのようなことはクルド人、シリア人、トルコ人と関係なく同じメソポタミアの文化にあると『母と子どものケアセンター』のBさんはおっしゃっていました。宗教とかではなく、人としてどうあるべきなのか私は問われてるような気がしました。トルコと日本、国も宗教と文化も違うが、やはり同じ人であり、大切にしなければならない共通意識は同じであると感じました。トルコに来る前に、私はどこか外国人というレッテルを貼っていたのだと思います。そのレッテル、悪い偏見を、トルコと子ども達、『母と子どものケアセンター』Bさん、通訳のAさん、などと出会い身近な存在であることを認識できたと思っています。

三つ目に感じたことは、知らなさ過ぎることです。トルコのことは、もちろん知らないことばかりですが、トルコを見ていると、では日本はどうなのかと比較をし考えます。しかし、その時に日本のことも何も知らないと思い知らされます。日本に帰った際には、トルコのことももちろんそうですが、また一度日本について学び直しが必要だと感じました。
(山村)

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No.42「復活したガジアンテプの街」

神戸を発って約24時間、2ヶ月半ぶりにトルコ・ガジアンテプに着いた。

南部最大の街であるガジアンテプは、県人口約210万人、市内中心部約85万人の大都市だ。古代ヒッタイトの時代よりシルクロードの要所として栄え、第一次世界大戦後、オスマン帝国が崩壊した後、フランス軍の進駐から勇敢に戦った事からガジ(Gazi)=戦士という称号を贈られ、現在の名前になったという。地元人たちが、アンテプ(Antep)と旧名を呼ぶのをよく耳にする。
2月の地震では、街全体が大きな被害を受けた訳ではないが、局所的な被害が多く見られ、市内至るところにテントが張られていた。また街は暗く、店もほとんど開いていなかった。

あれから4ヶ月、街は驚くほど活気に満ちていた。テントはどこにも見当たらず、第二次派遣(3/21-31)の際にも閉まっていたバザール(市場)も再開しており、名産の銅製品、革細工、香辛料、オリーブ石鹸などの店の並ぶ通りには人が行き交っていた。銅細工職人たちは小気味良い音を鳴らしながら仕事に耽り、高齢者はチャイ屋の店先で語り合い、八百屋はシーズンのさくらんぼの仕入れに大忙しと、街は完全復活をしていた。
ただ、街のシンボルであるガジアンテプ城が以前にも増して城壁が崩れている様は、余震がいかに多いかを物語っている。

今から、NGO,ACEVの建設した「母と子どものケアセンター」に見にアディヤマンに向かう。
(吉椿)

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No.41「第3次派遣に出発します!―新スタッフの抱負」

6/18-25にトルコ・シリア地震支援第三次派遣として、スタッフの山村太一と事務局長の吉椿雅道がトルコ南部の被災地に出発します。
2023年3月に神戸学院大学現代社会学部社会防災学科を卒業し、CODEのスタッフになった山村太一(22歳)の初海外、初海外の被災地に向かう抱負をご紹介します。

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派遣前に・・・
なぜ、私がトルコに行くのか。たしかに、私は高校大学と防災を専門的に学び、被災地ボランティアも行ってきました。しかし、私くらいのレベルの人は他に幾らでもいるし、また防災について勉強していたとしても、災害現場は学校で習うことや私が経験した世界はまだ本当に一部の一例に過ぎず、言葉では表せられないものや、現場には現場を体験した人しか表現できないナニカがあります。これらの現実に私は、何ができるだろうか。何もできないかもしれません。では、私がトルコに行く意味は何だろうか。「君たちみたいな何もできない若者が行っても、何の役にも立たず迷惑をかけるだけだ」とトルコ・シリア地震発災直後に語り部さんに言われた記憶が、出発が近づくにつれて蘇ります。私もこの意見は、被災地に行く前のボランティアにとって正しいと思います。それだけ、生半可な気持ちで行くような場所ではないことを訴えています。ただ、被災地は何が正しく何が間違っているのか入り乱れ、時として間違っているとされていることや、何もできないと思われている人にもしっかりと役割がある場所だとも思っています。誰しもが必ず何か人の役に立つことができることがボランティアであると思っているからです。誇れる程大きなことはできないが、今の等身大の自分できることを探し続けたいと考えています。被災者は私の勉強のために被災したのではないけれど、その被災者に寄り添い自分の耳で目で肌で感じ、自分に何ができるのが模索することに被災地に行く意義があるのだと思います。
このような貴重な機会を与えてくださったCODE海外災害援助市民センター、いつもCODEを支えてくれた会員並び寄付者の皆様ありがとうございます。
いってきます!
(CODE新スタッフ 山村太一 )

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No.40「ユースボランティア交流会」

先日、トルコ×日本ユースボランティア交流会を二度にわたって開催しました。
第一弾では、トルコ・シリア地震について勉強を行い、「若者だからできるボランティア」について議論しました。第二弾では、トルコからの学生ボランティアも参加し、トルコでの活動ついて紹介して頂きました。また、「若者がボランティアする意義」「今後トルコ・シリア地震と日本のユースがどのように関わっていけるか」について意見共有を行いました。
このつながりをこれからも大切にしていきたいという声もあがりました。今後も引き続き若者同士の学び合いを進めていきたいと思います。

第一弾: 6月9日(金)18:00~20:00
第二弾: 6月11日(日)20:30~22:00
両日オンライン開催

以下、参加された学生の感想をご紹介します。(植田)
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事前にディスカッションをした際に、若い人がボランティアをする意義について話し合ったことが印象に残っています。わたしはいままでにボランティアをした経験が一度もなく、これから挑戦する上で、実際自分は役に立たないのではないだろうか、無力さを感じてしまうのではないだろうかという不安があります。しかし自然災害の現場での経験は、ひとつの社会問題を自分ごとにできるとても貴重な機会であると考えました。被災者の方のためというのはもちろん、自分の成長のためにも率先して行動していきたいと思います。また交流会では、被災地でボランティアをしているTAHAさんから状況を聞いて、日本にはないような人種や難民問題など、トルコの地震には複合的な課題があると知りました。地震大国の日本は今回のトルコ地震から学べる教訓があると思うし、ボランティア支援を通してトルコとのより良い親交を築いていくべきです。
関西学院大学国際学部一回生 辰己遥

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No.38「トルコ×日本学生交流会の感想①」

先日、トルコのアディヤマンで出会った若者ボランティアたちとのオンライン交流会が行われました!
日本側は日本の災害について、トルコ側からはトルコの災害の歴史や今回の地震や活動内容について紹介をした後、お互いにNGOやボランティアについて意見を交換しました。
トルコのHさんは実際に子どもの衣服やおもちゃを提供するボランティアの様子を紹介されたり、Tさんは自身がこれから所属する大学の学生への働きかけを行うことを教えてくれたりなど、被災地で今なお活発に活動されていることがよく分かりました。ディスカッションではボランティアが被災地に行くことの意義や、中長期的な支援をこれからどのように展開するかなど、他にも様々な意見が飛び交いました。
以下、参加された学生の感想を数回に分けてご紹介します。(島村優希)

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参加学生①
メディアでの報道が地震後からあっという間に減ってしまい、現地の人々がどんな風に過ごしているのかを知る良い機会だった。自分がトルコへ行って何が出来るわけでもないが、まずはこういった若者が現地で必死に支援をしていることを少しでも多くの知人に認識しもらえるよう、情報の共有に努めたいと思った。

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No.37「若者が見た被災地13」

アディヤマンで活動をする若者たちに出会った。彼らは大学にオンラインで参加しながら被災地に通ったり、現職をやめて被災地に長期間滞在したりなど自分自身に出来得る最大限の活動を行なっていた。

1人の同年代の女の子になぜ、今ここでボランティア活動をしているのかと聞いたら、「責任を感じたから」と言った。彼女はアディヤマンには地震の後初めて来て、仕事をやめてボランティア活動を行っている。災害が起きて、訪れたことの無い被災地に対して責任感を感じること、その責任感を実際に行動に移していることを知り、私はこれまで何に悩んでいたんだろう、と思った。今日まで数多くの被災地を巡る中、生活感の残ったままの状態で倒壊している家を見たり、未だ生活が整わない中で過ごす人々と話し、出会う子どもたちに「また絶対来てね」と言われ、この短い滞在期間において今は話を聞くことしか出来ない自分自身に対して無力感を覚えていた。彼女たちボランティアが他の学生や団体が去っても現地で活動を続ける様子を受け、この被災地に、私自身が出会った一人一人の被災者に向き合い続けるには何ができるのだろう、と自身に再度問い直した。だが、くよくよと考えているだけでは全く意味が無い。今日出会った大学生ボランティアたちの「責任感」とその行動力に、「とりあえず動け!」と背中を押された気がする。
(島村優希)

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No.36「NGOたちとの学び合い」

ガジアンテプのNGOのキーパーソンMさんから今回の地震で活動しているガジアンテプのNGOやボランティアに日本の経験を語ってほしいと言われ、交流会を持つこととなった。NGO、建築、経済や企業、大学、自治体など多様な分野から約30人が集まった。参加者一人ひとりが今回の災害支援で感じた事、抱えている課題について話していった。

「コーディネーションに問題があった。物資を送ったが、ボランティアがいなくて運べなかった」「ボランティアをしようとAFADに電話したら、経験がないから必要ないと断られた」「信用問題があった。AFADや政府は信用できない、今回の事でNGOをより信用するようになった」「被害家屋の調査が適当で、どの建物が安全なのか心配」「道が悪くてたどり着けなかった村もある」「難しい専門用語ではなく、国民に分かりやすい言葉(文章)で話してほしい」「寒さと餓えで死にそうになった人を見た」「水不足が深刻だ」「アディヤマンやハタイの状況が深刻だ」「今回初めて支援活動に参加した。今後に備えて学びたい」「倒壊した建物のまわりを立ち入り禁止してないから危ない」「解体の仕方が悪いから埃がすごい」「被災地に手伝いに来たのではなく、写真撮ったりして遊び半分の人もいる」「ある被災者は自宅が倒壊して家族を亡くしているのに仮設住宅に入れない」「これだけの人が亡くなったのは、皆のせいでもある。皆が反省しないといけない」「建築認可を政府が許した」「政府とNGOが連携できていたらもっと良かったのに」「マルマラ(1999年)、エラーズ(2011年)など地震が起きているのに、過去から学ぶ習慣がない。もっと学校で教えるべきだ」「信頼できる担当者がいなかった」「モスクに行って祈れば神さまに連絡できるのに、AFADには誰もいなくて連絡できなかった」「AFADもグズライ(赤新月社)も信用できない」など、非常にリアリティのある深刻な生の声を聴く事ができた。

後半、ラマザン(断食月)の関係であまり時間がなく、十分に日本の話しはできなかったが、「日本の災害復興もそれほどいい状況でない。何度も反省と失敗を繰り返しながら少しずつ前に進んでいる」とお伝えした。そして「政府の支援は完璧ではない、必ず取りこぼされる人がでる。だからNGOの存在が必要なんだ」と言ったら、参加者のほとんどが大きく頷いていた。

この場に参加させていただいて、ガジアンテプの市民社会の熱気と気概を感じた。ここからトルコと日本の学び合いが始まる。
(吉椿)

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