CODE海外災害援助市民センター

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1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災をきっかけに
「困ったときはお互いさま」の心で海外の被災地支援を行っています。
災害時の支えあい・学びあいを通して地球の市民どうしのつながりを築いています。

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64. トンガ火山噴火

災害概要

発生時期:2022年1月15日
場所:海底火山フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ
   (トンガタプ島の北約65km)
被害:トンガタプ島、エウア島、ハアパイ島、ノムカ島、マンゴー島などで津波や火山噴火による降灰などの甚大な被害
※津波…トンガ国内で最大15mの津波が発生
    日本・奄美大島で120㎝、チリで174㎝、
    米国カリフォルニアで131㎝の津波を観測
※火山噴火…噴煙は高度16,000mまで上昇し、半径260㎞に広がった。首都ヌクアロファでは15㎝の降灰、約40万トンの二酸化硫黄が放出された。
人的被害:死者4人、負傷者14人
     被災者8万8,000人(全人口10万6,000人の約84%)
物的被害:家屋倒壊全壊50棟、損壊238棟
     (約2,400人が住む場所を奪われた)
その他の被害:津波による送電線の切断で通信困難、火山灰降灰による飲料水汚染、健康被害、農業被害など

ブログ

活動レポートや現地の写真等を掲載しています。
トンガ火山噴火災害救援ブログ

プロジェクト内容

(1)現地の状況

津波で海水を被った農地や、火山灰の降り注いだ農地では、農作物が枯れるなどの被害が出ました。この災害で被害を受けた農業世帯は、1万2000世帯(WFP)と言われ、トンガの主要産業でもある農業が非常に厳しい状況に陥りました。トンガの全輸出品に占める農業の割合は7割ですが、海外に出荷する農作物どころか自給の農作物も不足しました。

新型コロナウイルスによるパンデミック下での支援が課題となりました。「ゼロコロナ」をうたっていたトンガでは、火山噴火後、新型コロナウイルスの感染が急激に拡大し(当時、累計感染者9,468名、死者11名)、2022年2月にロックダウン、3月20日に再びロックダウンに入りました。よって、買い物以外の外出禁止措置が取られ、政府による支援、被災者自身の復旧作業も進まない状況でした。また、海外からの支援者も実質トンガに入国できず、救援物資を空港に置いてすぐに離陸する状況が続きました。

(2)農業再開のための資機材の提供

CODEは直後から情報収集を開始しましたが、現地の通信が遮断されていたことで報道も少なく、詳細な把握が困難な状況が続きました。その後、徐々に状況が見えてくる中で、トンガ在住の農業経営者Minoru Nishiさん(日系3世)をご紹介いただき、Nishiさんを通じた支援を模索してきました。

Nishiさんや契約農家たち(最大時100名)の農場でも、火山灰の降灰によってニュージーランドに輸出する予定で植えたばかりスイカなどの農作物が全滅してしまいました。また、Nishiさんの農場ではこの災害とコロナ禍でスタッフを大幅に解雇してしまったそうです。 Nishiさんによると、農業を再開するために、農作物を再度作付けするための種・肥料や、装備(マスク、ブーツ、作業着、手袋)、農機具(鍬、じょうろ、熊手、電気柵用のソーラー)などが不足しているとのことでした。Nishiさんの経営する契約農家との協議の結果、農業再開のための資機材を提供することになりました。最終的に、スイカ栽培用にウォーターポンプ5基を提供し、農家たち約30名の生活再建の一助となりました。