憎しみの連鎖ではなく、支え合いの連鎖を!!-NO.8

国連人権理事会がロシアの理事国資格停止を決めたという報道が発表され、それに反発したロシアは同会から脱退を表明した。

2月24日にロシアのプーチン政権がウクライナに進攻して以来、プーチン政権は蛮行を積み重ね、日に日に深刻な事態が明らかになっている。こうした事態を受けて、日本はじめ国際社会では、「ロシアに対するこの制裁措置は当然だ!」という声は少なくないと感じる。この決議は拘束力がないとはいえ、ロシアを国際社会から追放するということでもある。この間、アメリカはじめNATOや日本など、いわゆる西側諸国は、経済制裁という対露制裁を重ね、ロシア政権を追い詰めている感がある。

果たしてこのような制裁を重ねることで戦争終結が実現するのか、疑問を持たざるを得ない。「対話」の機会を少しでも残しておかなければ、「外交」手段を残しておかなければ、双方に犠牲者を出すばかりで、特にウクライナ側では、子ども、女性、高齢者、障害者などという逃げたくても逃げられない人たちにも、容赦なく攻撃がなされている。

プーチン政権に「戦争やめろ!」といくら叫んでも、状況は悪くなるばかりであるにもかかわらず、プーチン大統領をギリギリまで追い込み、国際社会からの追放とまで断罪することは、果たして効果的だろうか?何故か、モヤモヤした感情がこみ上げてくる。

今回の国連総会決議では、加盟国193カ国のうち、賛成は半分に満たない93カ国にとどまっている。棄権も58カ国もあり、反対表明は24カ国という結果である。そもそもこうして多数決で決めることは「民主主義」と言えるのだろうか?
平時では、「多様性の大切さ」「声なき声に耳を傾ける」「少数派にこそ目を向け救いの手を差し伸べよう」などと、特に子どもたちには教えているのではないだろうか?
大人のこうした行いを見た子どもたちはどう思うだろうか?

昨日4月9日付けの毎日新聞朝刊で、「今回の決議が、国連の正当性が揺らぐことにもつながりかねない怖さも含んでいる。国連の強みは、対立国も含めて『最低限の合意』をつくることにあるからだ」と鈴木一人さん(東大公共政策大学院教授)は言っている。加えて鈴木さんは「例えば日本の国会で特定の政党を排除して決議をとっても、民主的とは言いえないのと同じだ。ロシアが国連に背を向けてしまうと、世界の重要な問題に関して国際社会として最低限の合意もできなくなってしまうかもしれない」と懸念されている。根気よく「対話」を重ねるしかないと思うが・・・・・?                  
(CODE海外災害援助市民センター事務局 村井雅清)

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