月別アーカイブ: 2023年2月

No.21 「トルコに住む日本人として考える⑤」

トルコ・シリア地震の初動調査に同行・ご協力いただいたネブシェヒル大学日本語学科専任講師の藤本憲志さん(のりさん)からのレポート第5弾です。今回、日本語学科の教え子のオーズハンさん、ウムートさんも通訳ボランティアとしてご協力いただきました。

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「トルコに住む日本人として考える⑤ CODEの吉椿さん、植田さんのサポーターとして見たトルコ大震災の現場」
次代の現地ボランティア

 最終日に訪れた吉椿さんはアディアマンのボランティアの拠点となっている中学校で、現地のNGOやNGOの下で働くトルコの大学生と出会った。トルコのボランティア学生のひとりはそこで食事を作ったりするボランティアをしていて、今後のトルコの復興に向けて様々な質問を吉椿さんに投げかけていた。その議論には同行した植田さん(大学3回生)やネヴシェヒル大学の2人(3年生)の学生も加わり、これからの支援などについて限られた時間ながら熱く議論している様子も印象的であった。彼らのような若い世代の様子を頼もしく感じると同時に、自身に何ができるかを問いかけていた。

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支店番号:642
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No.20「トルコに住む日本人として考える④」

トルコ・シリア地震の初動調査に同行・ご協力いただいたネブシェヒル大学日本語学科専任講師の藤本憲志さん(のりさん)からのレポート第4弾です。今回、日本語学科の教え子のオーズハンさん、ウムートさんも通訳ボランティアとしてご協力いただきました。

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「トルコに住む日本人として考える④ CODEの吉椿さん、植田さんのサポーターとして見たトルコ大震災の現場」
避難所生活など

活動初日、ホテルの前から現地で活動されているメフメット氏が車でヌルダ、カフラマンマラシュへと案内してくれた。
ヌルダではトルコの政府の災害対策機関AFAD(Disaster and Emergency Management Authority)の活動拠点などを見学し、午後から二つの避難所となっている学校を訪れ、話を伺う機会に恵まれた。夜には案内のメフメット氏のご家族や義姉の救出を待つ避難所へとたどり着く。ある人はおしゃべりしながら、あるひとは無言で焚火を囲む姿に、阪神淡路大震災での光景がよみがえってきた。

活動3日目の2月14日火曜日、ガジアンテップのバスターミナルで、アディアマンのスタッフがわざわざ車から降りてきて、「日本からきたの?アディアマンでは助けが必要です、お願いします」と言い残して去って行かれた。日本に期待されてるのを肌でヒシヒシと感じていく日々だった。

活動4日目の2月15日水曜日、初日に訪れたカフラマンマラシュの避難所の高校に再び赴き、吉椿さんが妊婦さんたちに兵庫医科大学からのトルコ語で書かれたプリント「避難所生活での注意点_妊婦・産後の女性用」や、まけないぞう、日本の子どもたちからのメッセージなどを手渡した際に、対応いただいた代表の方が子どもたちに「みんなでお返事書きましょうね」と言われながら涙ぐんでおられる姿に、ボランティアとしてあまり感傷的になってはいけないと思いながらも、涙をこらえることはできなかった。

全体の印象として被災されてる方々に吉椿さんが「今、必要な物は何ですか」という問いにも、口を揃えたように「今は水も食料も足りている。必要なものはない」という声が多かったのはトルコの人の気質からくるものだろうか。ただ、やはり子どもたちの服などが不足している様子を語る様子も印象的であった。中には「今は大丈夫だが、ボランティアが帰ったあとが不安だ」と漏らしてくれる被災者もいた。たしかに、今は救助や救援のボランティアが多数駆けつけており、物資の経路の整備や物資の配分などもとても機能的に動いている印象であった。しかしながら彼らが去ったあとの支援が課題である。
トルコの人は元々人助けを厭わない国民性であることを肌感覚で感じていたものの、これだけ甚大な被害に遭いながらも、民族を超えて助け合って明るく悲壮感をあまり表に出していないことがいろんな意味で印象的であった。
今後どのように支援するかは十分精査する必要があると感じた。災害時、現地のニーズは避難所毎、個人毎、また時間や季節の移り変わりによっても刻々と変化していく。どこまで細かくニーズを拾い上げ、どこまで対応していくかが、言葉の通じない現地での今後の大きな課題であると強く感じた。
(続く)

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No.19「トルコに住む日本人として考える③」

トルコ・シリア地震の初動調査に同行・ご協力いただいたネブシェヒル大学日本語学科専任講師の藤本憲志さん(のりさん)からのレポート第3弾です。今回、日本語学科の教え子のオーズハンさん、ウムートさんも通訳ボランティアとしてご協力いただきました。

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「トルコに住む日本人として考える③ CODEの吉椿さん、植田さんのサポーターとして見たトルコ大震災の現場」

阪神淡路大震災で被災、東日本大震災でのボランティアを経験して二つの震災を被災者とボランティアの両面を経験して、今回のトルコの地震を見た時、街の崩れた建物群とトルコの真っ青な空が目に焼き付いて離れない。

4か所の被災地を周って気づいたことだが、高速道路はじめ、街中にある多数存在するガソリンスタンドはほとんどが無傷で、ガソリンスタンドとして機能していた。また、日本の震災で多くみられた給油待ちの車列などはなく、長距離バスの拠点などにも利用されているところもあった。あと、アディアマンでは、政府系の市庁舎などは目立ったクラックもなく災害対策の拠点として利用されていた。これはあくまで私見だが、先のガソリンスタンドやアディアマンでの政府系の建物などはトルコの厳しい建築基準に沿って建設されたためにほぼ無傷であったのではないだろうかとふと頭をよぎった。
(続く)

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No.18「トルコに住む日本人として考える②」

トルコ・シリア地震の初動調査に同行・ご協力いただいたネブシェヒル大学日本語学科専任講師の藤本憲志さん(のりさん)からのレポート第2弾です。今回、日本語学科の教え子のオーズハンさん、ウムートさんにも通訳ボランティアとしてご協力いただきました。

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「トルコに住む日本人として考える② CODEの吉椿さん、植田さんのサポーターとして見たトルコ大震災の現場」
トルコの日本語教師として

大学は冬休みで、わたしはCODEの吉椿さんらと、二人のネヴシェヒル大学の学生通訳ボランティアと同行した。しかしながら、彼らの日本語は通訳としては少々頼りなく、当初はとてもぎこちなかった吉椿さんとの会話であった。
しかしここでも吉椿さんの人間力が発揮され、日を追うごとに吉椿さんとの距離が縮まっていき、コミュニケーションが取れていく様子が見て取れた。
ガジアンテップで合流後二日もするとお互い「ヨシさん(吉椿さん)」「オーちゃん・ウムちゃん」と呼び合う関係になっていった。そしてヌルダの市長との重要な会談では自ら事前に吉椿さんと予行演習をするなど、かなり積極的に関わる姿がみられた。

聞くと、夜には二人で専門用語などをピックアップし、予習や復習をしていたという。彼らには申し訳ないが、正直、大学の授業の中ではほとんど見られなかった姿だ。そこには、この状況をトルコ人として何とかしたいという強い思いを感じた。
そして日に日に彼らの日本語能力が飛躍的に向上し、逞しく成長していく様子に日本語教師としてとても驚かされた。
当初は自身の日本語能力からボランティアをかなり逡巡していた彼らだが、ボランティアが終わるころには「次に日本語通訳のボランティアがあれば積極的に参加したい」と頼もしいひとことを聞くに至った。

我々は支援に行き、被災者の皆さんの笑顔と会える貴重な経験と共に、結局被災者のみなさんから、わたしも含めそれぞれ何物にも代えがたい大きな「ギフト」をいただいた1週間でもあった。
(続く)

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No.17「トルコに住む日本人として考える①」

トルコ・シリア地震の初動調査に同行・ご協力いただいたネブシェヒル大学日本語学科専任講師の藤本憲志さんからレポートが届きましたのでご紹介いたします。今回、日本語学科の教え子のオーズハンさん、ウムートさんが通訳ボランティアとしてご協力いただきました。

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「トルコに住む日本人として考える① CODEの吉椿さん、植田さんのサポーターとして見たトルコ大震災の現場」

2022年2月6日、トルコのカフラマンマラシュで未曾有の大地震が発生。地盤が固いと言われている私の住むネヴシェヒルでも揺れを感じた。
報道当初、被害者数は約500人以上と伝えられたが、時間が経つにつれて指数関数的に犠牲者数が増加していき、2月18日現在で46,000人以上の方が犠牲になられたと報じられている。
私は、このトルコ大震災に対して、日本の生活協同組合コープこうべとNGO団体のCODEの吉椿さんと連携して現地で今後どのような支援が必要なのか、どのような活動が有効なのかの調査に同行したので、CODEの吉椿さんのトルコでの動きを通じて、トルコに住む日本人の目線で報告したい。

とにかく吉椿さんは、初動がとても早かった。私は元コープこうべ職員からの依頼により地震翌日の7日には吉椿さんやコープこうべと連絡をとり、発生当初から被災地の情報やアクセス調査に着手していた。
しかし、情報は混乱しており震源地のカフラマンマラシュには道路が渋滞しており、許可なく通行できないという情報も入っていたため、比較的被害の少ないアダナなどからのルートなどを提案した。しかし、吉椿さんは「アダナには支援が十分届いている。我々は支援が届かない場所へ行く」との決意が固く、CODEのツテを頼りに急遽ガジアンテップに向かうことになった。道中は非常に不透明な状況であったが、様々な偶然が重なり、日本からCODEの吉椿さんと植田さんはイスタンブール経由、ネヴシェヒルからは学生通訳ボランティアと私の3名は、アンカラ経由それぞれ空路で、幸運にも目的地であるガジアンテップに到達。CODEのお二人とガジアンテップで合流することができた。

5人が合流したガジアンテップは、テレビ報道で報じられていたように被害は大きかったものの、バスやホテルなどは営業していた。しかし、街はまだガスが復旧しておらず、ホテルの暖房やシャワーなどは使えない状況であった。
しかし、ホテル近くのレストランは直火でケバブを焼くなどして営業しており、トルコの人たちの逞しさを感じた。
その後、吉椿さん以下4名はCODEのつながりのあるガジアンテップのメフメット氏の車で、建物が崩れ落ちた道を通り抜け、ヌルダにあるAFADの支援拠点のひとつへと向かった。日本のNGOとして活動許可を市長に得るためである。
道中は予想された渋滞もほとんどなかったものの、道路沿いには阪神淡路大震災の完全に倒壊した建物や、傾いた建物などの光景が累々と広がっていた。
我々は、当初現地の交通や被災の状況がわからない状態で被災地に向かったが、CODEの吉椿さんがカフラマンマラシュに行くと決めた時点から、わたしも覚悟を決めた。すると人とのつながりから偶然が重なり、現地にたどり着くことができた。
現地への移動も飛行機やバス、現地では、バス、タクシーなど公共交通機関を活用でき、ガジアンテップ、ヌルダ、カフラマンマラシュ、アディアマンなど被害の大きかった地域を周り、様々な人たちの生きる様子やお話を聞くことができた。現地の人たちの被災しながらもたくましく生活している姿に感銘を受けた。

CODE吉椿さんの現地での行動力と判断力、そして被災者に寄り添い胸襟を開くコミュニケーションには驚かされた1週間であった。トルコの人は日本人好きということを差し引いても、彼と話をする人たちは老若男女問わず皆、時には満面の笑顔でいろんな情報を提供してくれていた姿がとても印象的であった。
(続く)

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No.16「僕たちの話しを聴いてくれたのはあなた達だけだ」

拠点にしているガジアンテプから車で北に約2時間、アディヤマンに入った。
途中の街も幹線道路沿いはほとんどの建物が倒壊していた。
人口約26万人のアディヤマンの街は、「壊滅」と言っていいほど状況だった。数日前にガジアンテプのバスターミナルで一人の女性がアディヤマン行きのバスから降りてきて「アディヤマンを助けて!」という言葉を残して走り去った意味がわかった。
ほとんどの建物が倒壊している中、市庁舎だけがしっかり建っている、そのコントラストが何とも奇妙だ。
この街では、周辺の農村部の親戚や知人を頼って避難した人も少なくなくない。また、市内各所に自主的にできた避難所を今、政府が統合しようとしていると被災者の方が教えてくれた。

市庁舎から徒歩10分ほどの中学校を訪ねた。トルコのNGOがこの学校を拠点に、レスキューや炊き出し、テント、日用品などの物資配布、ボランティアコーディネートなどを行っている。
60人からなるレスキューチームの男性たちは、AFAD(国家災害危機管庁)と連携して「俺たちのチームで5人、全体では13人を救助したんだ」と教えてくれた。
レスキューチームやボランティア約100人が比較的の少なかった校舎や車で寝ているそうだ。

エスケシェヒル・オスマンガン大学1年生のTくんは、大学で国際交流を学んでいる。
叔父さんがこのNGOのレスキューチームにいたことから地震後すぐにアディヤマンにボランティアに来た。炊き出しや配送の運転、雑務全般を担当している。
彼は数日後に帰るつもりだが、地元の警察が来て、「帰らないでほしい」と言われたそうだ。いかにボランティアが現地で必要とされているかがわかる。
一緒にいた二人の大学生は「僕たちはまだしばらくいるよ。これから避難キャンプを整備して、そこでキッチンを作るんだ!」という。なぜ被災地にボランティアに来たのか尋ねると、「トルコ人として一緒に働きたいからだ」と当然のような顔で返ってきた。
最後に「僕たちボランティアの話しを聴いてくれたのはあなた達だけだ」と嬉しそうに握手をしてくれた。
(吉椿)

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No.15「若者が見た被災地⑤」

避難キャンプで生活している人々は、決して裕福には見えない。私はてっきり全て地震のせいで生活が苦しくなったのだと思い込んでいたが、実はそうではないらしい。もともと貧しい人はたくさんいたのが本当で、地震後も住む場所以外は何も変わっていないと聞いた。お金を持っている人は親戚や知り合いを頼ってイスタンブール等の他地域に既に避難しているが、貧しい人々はそこにとどまるしかない。災害によって平時からそこにある問題が浮き彫りになっていた。
今は多くのボランティアによってカバーされている部分も時間が経てば元どおりになってしまうのではないか。これをきっかけにそれぞれの被災地への関わり方を変えていくべきなのでないかと思った。

その日は夜遅くにホテルへ戻った。被災地の夜が寒いことは数字では知ってはいたものの、実際に体感してみると想像以上だった。とてもじゃないが外で寝ることなど考えられなかった。その時、本当に自分は被災者に対して向き合えていたのだろうかと思った。
(植田)

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No.14「政府の見え方」

「残っている建物と倒壊した建物の違いは何ですか?」。被災地で出会った人たちに何度も尋ねた言葉だ。

カフラマンマラシュ(マラシュ)の中心部SaziBey Mahallesi地区はこの日も重機の騒音の中、砂ぼこりが舞っていた。軽く見渡すだけでも十数ヵ所で重機による捜索活動が行われていた。
砂ぼこりの中がれきの山をじっと見つめる女性がいた。小学生の教師であるこの女性は、母親の帰りをじっと待っていた。約20年前に建てられた9階建てのマンションの2階に彼女の母親が住んでいて未だ発見されていないという。先の質問をすると彼女は、「ここで倒壊したマンションはすべて同じ会社の人が建てたのよ」と語る。
周りにいた男性からも「マンションの1階が店舗で、面積を広げるために柱を抜いたんだ!」と声が上がる。
マラシュの高校の避難所に応援に来たイスタンブール教育コーディネーターの男性は、「地盤と構造の問題の組み合わせだ」と言っていた。

暗いマラシュの街で明かりの灯る一室から手招きをする人たちがいた。行ってみるとパン屋さんの職人さんたちだった。マンションの危険度判定を終えたので、ここでパンを焼いてボランティアで被災者に配っているそうだ。
彼らにも同様の質問をした。
「政府の建設チームが建てた住宅はひとつも倒壊していない」「この前大統領がマラシュに来て、被災地のすべての街を1年で再建すると約束したんだ」「今も内務大臣がマラシュに残って指揮している」と政府への期待をにじませる。
他方、トルコの若者たちは、「建設業者は政府にお金を払えば、簡単に建設許可がおりる」「政府には色々な顔がある」と口を揃えて語る。世代や人によって政府に対する見え方が違うようだ。

最後に職人さんたちに、日本や外国に期待することはあるかと聞くと「いや、何も期待していないよ」という。
その言葉を聴いた同行の藤本さん(トルコ・ネブシェヒル在住)は「トルコ人は、他人に何かやってもらうよりも、自分たちでやりたいという気持ちが強いからね」と教えてくれた。
(吉椿)

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現地派遣 緊急報告会を開催します

トルコ・シリア地震の現地派遣の緊急報告会を開催いたします。

CODEは先週の2月10日(金)から一週間、事務局長の吉椿雅道とインターン生の植田隆誠を現地に派遣し、被災地での支援活動をスタートしました。派遣した場所は、ガジアンテプを拠点に、カフラマンマラシュ・ヌルダ・アディヤマンです。
報告会では、被災地の状況・CODEのこれからについてお話します。また、当日は現地とオンラインで繋ぎます。

【トルコ・シリア大地震 現地派遣 緊急報告会】
日時:2月26日(日) 14:00~16:30
会場:ふたば学舎 3階講堂
(兵庫県神戸市長田区二葉町7丁目1番18号)
申込み:対面参加の場合は申込み不要。オンライン参加の場合は以下のリンクよりお申込み下さい。
https://forms.gle/rMK3FW43AHvMSdBQ8
参加費:無料
※会場で募金の受付をしております。ご協力よろしくお願いいたします。

No.13「支え合い」

トルコの被災地に入って6日、一体何人の人と握手をし、写真を撮っただろう。
100人は下らないだろう。「ジャポン(日本)」と分かると、握手を求められ、写真を一緒に撮って!と言われる。それは被災地だけでなく、バスステーションや街中でもそうだ。ある日、カフラマンマラシュから帰り、バスステーションでバスを待っていると、一人の高齢男性が寄って来て「食べて!」とパンをくれた。
親日の国トルコとは知っていたが、ここまでフレンドリーだとは想像もしなかった。

1890年の和歌山沖で座礁したエルトゥールル号や1985年のイランイラク戦争でのトルコ機による日本人救援の事があるからだとよく言われる。また「日本とは戦争したことがないからだ」「日本は兄弟だ」と現地の人も言う。なぜそこまでなのか未だにわからない。

被災地には、地元だけでなく全国からたくさんのボランティアが駆けつけている。物資配布や掃除や炊き出しなど様々なボランティアが行われているが、特に驚いたのは、トルコ人の大好きなチャイ(紅茶)やパンやケバブを作って配る人たちが至るところにいる事だ。被災者だけでなく、警察、軍、ボランティア、僕たち外国人など誰にでも提供してくれる。
被災地には物資の課題はまだまだあるが、食べ物と飲み物だけには困らない。凍てつく寒さの中、被災地を歩き回った後の温かいチャイは本当に心身を温めてくれる。被災者も至るところで焚き火を囲んでチャイを飲んでいる。
被災地では、そうやってトルコ人(クルド人やシリア人も含む)皆で小さな支え合いを実践し、皆でこの難局を乗り越えようとしている。フレンドリーに接してくれる人たちの笑顔の奥には深い悲しみや痛みが見え隠れする。
僕たちよそ者はそんなトルコ人たちの支え合いをどう支えるのかを考えさせられている。

神戸の小学生が書いてくれたメッセージを被災地の子どもたちに手渡した。皆笑顔でありがとう(テシェキュレール)と返してくれた。
日本から来てくれてありがとう(テシェキュレール)と幾度となく言われた。僕たちはこの言葉にこれからどう応えていくべきか。
(吉椿)

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