No.9「サイレント津波」

昨年12月22日にインドネシア・スンダ海峡の火山島が噴火したことで津波が発生した。
地震の後の津波ように、揺れの後に津波が来た訳ではなく、音もなく突然やって来たことから現地では「サイレント津波」(音のない津波)と呼ばれている。
最大の被災地であるSumur郡のTamanjaya地区Paniis村(39世帯)では、全壊14棟、損壊が25棟という被害を受けた。
海岸線から20mほどの自宅が損壊した男性(60代)は、「津波が来る前は、揺れも音もなかった。」と語る。男性が言うには、火山の最初の噴火は、22日の13時半頃だったという。その後、何度か噴火をしていたそうだ。
「21時半くらいに、海の向こうで赤く光っているのを見た村の人達が騒ぎ始め、家族に声をかけて内陸の方へ逃げた。津波が来たのは21時50分くらいだった。結局、津波は4回来た。」という。
翌日、全壊した隣の商店の砂糖などの商品が屋根の上にあった事から、津波は3mくらいだったのではないかとその男性は語っていた。今は、内陸に建てられた仮設住宅で暮らしながら、家の修復をしている。最後に「また津波が来るかもしれないから怖い。」と言っていた。(吉椿雅道)

インドネシア・スンダ海峡火山津波救援ニュース No.8

昨年12月22日にインドネシアのスンダ海峡に浮かぶ火山島アナク・クラカタウが噴火した。噴火によって島の3分の2が崩落したことで津波が起き、ジャワ島西部とスマトラ島南部に大きな被害を出した。
2006年のジャワ島中部地震以降、CODEと共に被災地支援を担ってくれているエコ・プラワットさん(デュタ・ワチャナキリスト教大学教授)に紹介していただいたMaschahyoさんとその仲間たちと共にジャワ島最西端の被災地に向かった。
首都ジャカルタからBanten州州都Serangまでバスで2時間、そこから建築家仲間の運転で悪路を夜を徹して走ること5時間、最大の被災地Banten州Pandeglang郡Sumurに入った。被災地Banten州の海岸線約150kmが延々と津波の被害をうけている。中でもSumurの被害は甚大で、この津波で犠牲になった430名のうち、200人以上がここで亡くなっている。
この地区最大の港のあるSumberjayaでは、1ヶ月前に建てられた海上警察の二階建てのビル以外は跡形もなく倒壊している。訪ねた時、そのビルで政府が被災者に食糧や衣類などの救援物資を配布していた。ここは大半の人が漁業で生計をたてているが、ボートだけでなく、Baganと呼ばれる採った魚を集める筏も津波で被害を受けている。
被災した漁師さんに話しを聞くと、「ここには住宅は建てられないよ。500mくらい内陸で移転するだけだから、まだいいけどね。」と語っていた。他の地域では、海から離れた山の仮設で暮らしている人も少なくない。(吉椿雅道)

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