インドネシア・スラウェシ島地震津波救援ニュース No.22

インドネシア・スラウェシ島地震津波の被災地に入った吉椿雅道CODE事務局長より現地レポートが届きました。ぜひご一読ください。

[現地レポート]
パル市は、パル湾の約30kmの入り江の奥に町が広がっている。この地震による津波でパル湾の海岸線のほとんど数十メートル内陸まで津波の被害を受けている。パル湾の東西には、2000m級の山々がパル市を囲むようにそびえている。海岸線からすぐに山が迫っている風景は、どこか神戸に似ている。谷間に出来たパルは、長い年月をかけて形成された扇状地で、古代は海だったそうだ。
今回、液状化で大きな被害を受けたパル市のBalaroaやPetobo、Sigi県のJonoOge、Sibalayaの4ヵ所は、いずれもこの扇状地にあり、特に水の出やすい場所だったと現地の専門家は言う。中でも、Petoboは、1km×3kmの広大な面積にわたって液状化を引き起こし、大地が人々の暮らしを一瞬にして飲み込んだ。そこに何があったのかさえ分からないほど大地デコボコになりガレキが散乱している。見渡す限りのガレキの跡地に、ところどころ旗が立っている。何かと尋ねると「旗の立っているところには、犠牲者が眠っているんだよ」と教えてくれた。その旗のそばに「Petobo Bangkit」(立ち上がれ!ペトボ)とガレキに書かれている。これまで見たことのない風景だった。
(吉椿雅道)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)