インドネシア・ロンボク島地震救援ニュースNo.13

昨日、グラマタン村に入ったスタッフからの現地レポートです。

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今日(10/31)は、エコ・プラワット教授とリンダ講師の知り合いでもある、ジャワ島のソロにあるのセベラスマレット大学(UNS:Sebelas Maret University)のカハル教授が震災前から関りのあるに村に行きました。

この地域では、95%の家屋が大きな被害を受け、48名の方が亡くなったのこと。この村では、100棟の仮設を建てることを目標にしています。すでに40棟を建てたそうです。その40棟は、すべて“ゴトンロヨン”(インドネ災特有の助けあいのしくみ)で仮設を建て直したそうです。

(崩壊したヒンドゥ寺院)
(崩壊寸前のレンガの家)

地震に遭うまでレンガ造りの家に住んでいた人は、地震によるトラウマが酷くて、木造の家に住みたいと思っている人たちが多いということでした。

この村には伝統家屋の保存地区もあり、そこの家屋は一軒も壊れずにすんだそうです。中には100年以上の伝統家屋があります。竹を編んだ壁で竹を骨組みにてアランアランというヤシに似た植物の葉を束ねてかやぶきのように屋根を作っています。CODEが伝えてきた2005年のジャワ地震後の状況と似ているような気がします。

(伝統建築)
(伝統建築の屋根)

みなさん今回の地震で伝統家屋が残ったので、伝統家屋のような作り方で仮設を作っています。資金は、一般からの寄付をお願いし、一部は壊れた家から使えるものをはリユースして、自分たちで上手に工夫し建てています。(仮設建設には、1軒あたり3万円ほどかかる。)

二つ目の村は、Gengglang村のLisa集落に行きました。これはエコ教授が空港からレンタルした車の運転手がたまたま被災地出身の人でおじさんがその集落にいるということと、支援があまり来ていないということを聞いて偶然前段の村とも近かったため急遽調査に行きました。
この集落では、ムスリムとヒンドゥーの人が一緒に住んでいて、クリスチャンの団体から寄付をムスリムの人たちが受けて、その寄付をヒンドゥーの住民にも分け与えたそうです。よくよく聞くと、もともと違う宗派でも近所付き合いがあり、お葬式にもお互いに参加して、普段から仲がいいそうです。クリスチャンであるエコ教授もこの村の在り方には驚いており、何度も「アメージング!」と叫んでいましたが、私たちはこれが本来の宗教の姿なんだろうとあらためて感じました。当たり前のことを当たり前にしているだけなんですね。そもそもゴトンロヨンという助けあいも、暮らしの中に浸透しており、当たり前のように行われているようです。

(ヒンドゥの人の再建中の家)

この村でもみなさん、伝統建築の手法を取り入れた仮設を建て、村に住む大工さんは住民の手本になるように、木造で自分の家を建て直していました。

(リサ集落大工さんの恒久住宅)
(大工さんの恒久住宅)

ここでも政府から援助はなく、それを待たずに自分たちで自ら家を建てている姿にこちらが勇気や元気を頂きました。同行した建築士の北茂紀さんは、構造的は耐震性が十分ではない部分もあるので、専門家として今後きちんとフォローできるようなアドバイスをできたらいいなと話していました。                                                        (増島智子)

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