No.19「日本の医療の最前線-アルコール消毒液がない-」

CODEの理事でもあった黒田裕子さん(2014年ご逝去)の災害看護の専門家Sさんから連絡が来ました。
Sさんは、福井県のアドバイザーとして新型コロナウイルス感染症に感染した軽症者の方の受け入れ施設の立ち上げなどに奔走されています。
公共施設やホテルなどを受け入れ施設として準備していますが、看護師が集まらいことやアルコール消毒液がほとんどないことが喫緊の課題だといいます。
中国、イタリア、イギリス、フィリピンのように医療従事者の周辺業務でボランティアができることはありませんかと尋ねると、「連日多忙で考える暇さえない」と疲れ切ったような返事がきました。
その後、「病院が多忙で軽症者施設に来てくれる看護師さえいない」という人材確保と「アルコール消毒液が今日なくなった」という医療物資の不足が問題であることを教えてくれました。
医療業務をサポートする支援者の人たちも、家族に反対されながら現場に入っているそうで、高齢者のいる支援者はデイケアを断られ、子どものいる支援者は保育園からも断れ、自宅に帰れずホテルなどで別居しているそうです。
Sさんは、「医療者は自身が感染しているかもしれないという不安を抱えながら、家族や社会からも疎外されている」、「自宅に心ない張り紙をされたり、死の恐怖と戦いながら肩身の狭い思いをしています。放射線災害の時よりひどいです」と本当に厳しい医療従事者の方々の状況を語ってくれました。
僕たちが少しでもアルコール消毒液を集めますと伝えると、「一生懸命に考えてくれる気持ちに涙が出ます。黒田さんが助けているんですね」と最後に語ってくれました。
昨日、アルコール消毒液を急募したら、数名の方から送りたいとの申し出をいただきました。ありがとうございます。
また、問い合わせの中に家庭用のアルコール消毒液は濃度が低く医療の現場には向かないということでお断りした方もいました。せっかくのご厚意を申し訳ありませんでした。アルコール消毒液は、アルコール濃度が70%以上のものがベストです。
現在、メーカーから購入することや中国から輸入することも検討していますので、ご寄付という形でのご協力でも構いません。
日本各地の医療機関が同じような状況で非常に恐縮ですが、引き続きよろしくお願いいたします。(吉椿)

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