世界185の国と地域で感染者162万人以上、死者18万人以上と拡大していますが、死者が約25,000人と最も多いのがイタリア(感染者約187,000人)です。その厳しい状況のイタリアでも、NGOやボランティアが大活躍しています。イタリアではロックダウン下で厳しい移動規制がありますが、政府は、NGOやボランティアの活動を移動規制の対象外にしています。
イタリア在住のKさんから貴重な情報をいただきましたので、お伝えします。Kさんによると、イタリアでは、カトリック系のMISERICORDIAというNGOが、16,000人のボランティアと共に患者の搬送や日用品や薬品の買い物、そして掃除、行政手続きなどの在宅サービス、電話カウンセリング、ホームレスの方の支援を行っているそうです。まさに武漢のボランティアの動きと同じなのです。 また、ANPASというNGOは、災害防護庁と31,000人のボランティアが連携して、病院の前のトリアージスペースのためのテント設営や道路などの公共空間の消毒も行っているそうです。
ボランティアの感染防止策について聞くと、Kさんは、MISERICORDIA はボランティアへ新型コロナの概要や感染予防の基準の手段をマニュアルにして教育しているそうです。「ボランティアが災害防護事業で感染したというニュースはあるが、ボランティアの方が感染率が高いという認識もないし、感染したからと言って差別を受けることもない」とKさんは言います。それは、誰もが感染しているかもしれないということを皆が認識し、共有してているということです。
最後にKさんは、「歴史的な危機に直面しているという認識を皆が持っているイタリアでは、医療従事者やボランティアは国民の尊敬の対象になっているので、誰かが彼らを差別したら、その人が逆に周囲から敬遠されるのでは」と語ってくれました。やはり日本はもっと海外から学ばなくてはいけません。(吉椿)