月別アーカイブ: 2021年10月

アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—38

10月24日付け朝日新聞が、「アフガニスタンなどからの欧州連合(EU)を目指す移民・難民の流れを遮ろうと、域外と接するギリシャやポーランドなどが、国境に壁や鉄条網を設けている。賛同する加盟国は22日のEU首脳会議で建設費補助を要請。人権尊重か「難民危機」回避か。EUは対応に苦慮している」と報じていた。

全くケースは違うのだが、8月15日以来アフガニスタンではタリバン暫定政権が立ち上がり、国際社会は、そのタリバン政権を「正式に承認するのか、それとも女性に対する自由の剥奪や子どもの飢餓、アフガニスタン全体の貧困に対する人道支援優先か?」と議論をし続けているが、同じではないのか?と思う。アフガニスタンに人道支援を優先する動きが国連はじめG20の首脳会議でも財政支援をはじめ人道的支援優先を決めている。
EUは、コロナ禍においても加盟国の財政悪化に対して、コロナ対策として約97兆円の復興基金を積み、財政支援をしている。また、「環境規制の緩い国からの輸入品に課税する“国境炭素税”導入も検討している。

数年前からシリアとアフガニスタンからの難民が押し寄せ、各々の加盟国にとっても深刻な事態になっていることは理解できる。国際社会の中でも、難民の受け入れに極めて消極的な日本に住む者が、こんなことを言うのは“お門違いだ!”と言われても仕方がないのだが、EU加盟国は門戸を開いて欲しいと願うしかない。同時に、そもそもアフガニスタンから命懸けで国外退避をしなければならない事態を解消することを優先することも喫緊の課題だろう。

以前に本レポートでも主張したが、カタールのように世界中の国々が「アフガン村」を立ち上げ、アフガニスタンからの国外退避者を受け入れ、アフガニスタンの治安が安定すればいつでも母国に帰してあげるという対応をして欲しいと願うのは、難しい提案なのか?                             (CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—37

朝日新聞2021年10月19日付けのオピニオン&フォーラムで「アフガンに選択肢を」というインタビュー記事があった。見出しに「現地の軍閥解体へ 武装解除に奔走 治安悪化し『挫折』」という見出しが気になった。認定NPO法人「REALs」理事長 瀬谷ルミ子さんの話だ。「イスラム主義勢力タリバンがアフガニスタンで再び権力を握った。同国でかつて武装解除(DDR)活動を担った一人が、紛争地支援の専門家」(同紙)が彼女。外務省から「アフガニスタンの武装解除に協力してほしい」と要請されたようだ。2003年から2年間、赴任された。同紙によると「政府の一員として米国などが敷くレールの上で働くことに抵抗感はありました。でもそれまで平和国家と言われながらも『お金を出すだけ』というイメージの強かった日本政府が、紛争解決に取り組もうとしていた。ならば自分も貢献しようと思いました」(同紙)。でも「自分は本当に現地の人々のニーズに応えられているいるのだろうかという疑問がぬぐえなかった」「私たちが活動する間にも現地の治安はみるみる悪化していき、追い払われたはずのタリバンが復活し始めました」「このまま武装解除を進めることはアフガニスタンの不安定化につながるのではないかと私は思いました。しかし、加速した武装解除の流れは止められませんでした。和平プロセスのレール自体を変える方法は、いくら考えても、私の力では思いつけなかった」(同紙)と挫折を吐露されている。
インタビュアーの「アフガニスタンでの挫折経験は、瀬谷さんの紛争地支援をどう変えたのでしょう」という質問に、彼女は「支援する側の事情や考えを現地の人に押し付けるのではなく、現地の人たち自身が解決の主体になれるような支援をしたいと強く思いました」と応えられている。(是非同紙全文を読んで下さい。)

CODEは、阪神・淡路大震災をきっかけに発足したNGOである。2002年にアフガニスタン支援を始めてから、この瀬谷さんの言われる「支援する側の事情や考えを現地の人に押し付けるのではなく、現地の人たち自身が解決の主体になれるような支援をしたいと強く思いました」という支援の論と同じことを考え続けて行動してきた。それは阪神・淡路大震災で、「災害からの復興は市民主体だ」という思想を醸成してきたからだと、いま、あらためて強く思う。

ただ、8月にタリバンが暫定政権と宣言して以来、F・Lさん家族が国外退避を望んだとき以来、CODEはどう対応するのか本当に難しい、悩む。最も望むことは、なんとか治安が安定し、今まで通り、恐怖や不安を感じることのない暮らしを営まれることだと思う。しかし、今、その暮らしが脅かされているのも厳しい現実だ。何があっても人道支援を優先することはいうまでもないが・・・。
(CODE事務局:アフガニスタン 担当 村井雅清)

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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—36

昨日22日の朝日新聞に、40年前にアフガニスタンから隣国パキスタン・イスラマバードに難民として避難したアフガニスタン人のことが紹介されていた。同紙によると、難民生活は劣悪だが、その中で「第2世代、第3世代も育っている」と。「パキスタンで登録されているアフガニスタン難民は、世界で最も多い約140万人。実際にはその倍ほどの人たちが滞在しているとみられる」と続く。

CODEがサポートしているF・Lさん家族は、国外退避を望んでいるものの、パスポートを持っているのは12人のうち2人だけ。最近タリバンは、「申請すれば誰でもパスポートを持つことができる」と言っているのだが、何故国外に出るのかなど理由を聞かれることによって、身の危険を感じる人たちも多いだろうと思われる。そもそもパスポートがなければ、「難民」として国外脱出をするわけで、それはリスクが伴うことなので相当な覚悟が必要だ。

私がはじめてアフガニスタンに行った時に、イスラマバードを経てアフガニスタンに入ったのだが、少しの時間この難民キャンプを案内してくれた。日本にいてテレビなどで知る難民キャンプというと、ちょっとした風が吹いても飛んでしまうようなテント生活が印象的で、地震や水害のあとのキャンプも同じようにテント生活のケースが多いイメージがあったのだが、土を練って固めたアドべという建物が基本的な住まいで、電気も水もなく衛生環境など最悪な状態だが、アドべがならんだ結構広い“町”のようだった。キャンプの中には、小さな小屋が立っていて子どもたちはそこで学んでいた。でもおそらくキャンプの中でも学校にもいけない貧しい家庭も多かったように思う。キャンプには、モスクもある。同紙には、モスクの前でコーランを学んでいる子どもの写真も掲載されている。

おそらくタリバンが暫定政権となってから、パキスタン側に国外退避をした人たちの中には、しばらくこの難民キャンプに忍び込む者も少なくないだろう。アフガニスタンさえ出ることができれば、そうした一時しのぎができる場所があるということは、国外退避を望む人たちにとっては、一時の安堵の場でもあるのだろうか?
同紙に紹介されていた40年以上難民として生きてきた70歳くらいの方は、「ふるさとを夢見ない日は一日たりともありません。ずっとこんな生活を続けるなんて、哀れとしか言いようがない」と語っている。
(CODE事務局:アフガニスタン 担当 村井雅清)

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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—35

G20における先日来の特別首脳会議首脳会議では、アフガニスタンの直面する様々な課題の中で、人道的危機への対応を優先することで合意がなされたようだ。
しかし、一方で日々不安な情報も入って来る。10月15日付けの朝日新聞では、「タリバンは報道の自由をうたうが、実際には嫌がらせを受けた報道機関の休業や記者の拘束が相次いでいる。タリバンによる支配への抗議や弱い立場にある女性の声は、ますます届きにくくなっている」と。
また、10/15(金) 10:12配信のAPF=時事では、バーミヤン渓谷の洞窟に住む少数民族ハザラ人少女の飢えに苦しみながら、おびえながら暮らしているという惨状が報じられている。
「地域の住民は、国内ではもともと最貧困層だったが、8月にタリバンがアフガニスタンを制圧してからは国際援助が途切れ、食料品が値上がりして失業者も急増し、さらに苦境に追いやられている」とのこと。
その一方で、「パキスタン国際航空がアフガン便を停止、タリバンの「強引さ」理由に」(10/15(金) 9:51配信CNN.co.jp)その理由は「イスラマバード(CNN)パキスタン国際航空(PIA)は14日、同社のアフガニスタンへの航空便を一時停止すると発表した。アフガンの実権を掌握したイスラム主義勢力タリバンから課される条件が実行不可能なためとしている」ということのようだ。
タリバン暫定政権は、こういう対応を繰り返していると、せっかく国際社会との交易のルートがわずかながら回復しつつあったにもかかわらず、また元の木阿弥に戻るのではないかと不安が増大する。そして同記事に「PIAの国の代表がパキスタン大使館の敷地を離れる際には数時間にわたり銃口を向けられたとも言及。アフガンから脱出したい市民を支援する疑いがかけられていたという」ことも。ここ数日間、日本政府はアフガニスタン人の国外退避でかなり頑張っている様子が日々伝わっている。同政府がパキスタン航空を使ってはいないようだが、やがて他の航空会社にも悪影響をもたらさないか・・・・・などと心配の種が尽きない。                         (CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—34

9日10日、アメリカは8月30日のアフガン駐留米軍撤退後、カタールの首都ドーハで初めてタリバン暫定政権幹部と今後の支援について交渉した。
イギリスも「アフガンの人道危機への対応を英国がどのように支援できるかや、アフガンがテロリストの温床となる事態を回避することの重要性、出国希望者に引き続き安全な通行を提供する必要性について協議した。また、少数民族の扱いや女性・女子の権利も取り上げた」(10/6(水) 12:21 ロイター配信)と。

一方、G20緊急首脳会議も開かれ、「イスラム主義組織タリバンがアフガニスタンで実権を握って以降、主要国の首脳級がそろって議論するのは初めてです。会議では、人道支援が緊急かつ必要不可欠なこと、女性や少数民族を含む全てのアフガニスタン人の人権が尊重されるべきであること、アフガニスタンがテロの温床になってはならないこと、などが確認されました」「就任後初の国際会議参加となった岸田総理は、日本としておよそ71億円の新規支援を含む220億円規模の支援を今年中に実施すると表明しました」(10/13(水) 5:53 JNN配信)

10/13(水) 11:01配信 BBC Newsによると同G20会議で「ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、アフガニスタンを『大混乱に陥らせて』はいけないと述べ、ドイツが6億ユーロを拠出すると改めて表明した。メルケル氏は新政権が発足次第、政界を引退するとしている」「欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、アフガニスタンと難民を受け入れている近隣諸国に10億ユーロ(約1300億円)を提供すると約束した。国連は世界各国の指導者に対し、アフガニスタン経済に数十億ドルを投入するよう求めている」と報じている。

タリバン暫定政権はこれらの交渉を受けて、概ね上手く行ったという評価をしている。各々双方の思惑のずれがあると思われるが、アフガニスタンにおける経済的、人道的危機の現実に目を向けると、「何が上手く行ったのか?」疑問を抱かざるを得ない。

他方、学識者はタリバンとの対話の重要性を強調している。今朝13日の朝日新聞オピニオンでも3人の識者が対話について論じている。私もこのレポートで何度か対話の重要性を主張してきた。しかし、正直対話って凄く難しい。多様性を理解するには対話をともよく言われるが・・・・?

10月2日付け毎日新聞の「つながり紡いで」というシリーズで吉田敦彦大阪府立大学教授が“異質な他者との対話”というテーマで、「対話の哲学者」といわれたマルティン・ブーバー(1878~1965、ユダヤ人)のことを紹介している。ドイツに「ブーバーハウス」と呼ばれ、今は「キリスト教徒とユダヤ人の国際評議会」(ICCJ)の拠点があり、近年はイスラム教徒も含めた三者が対話する国際カンファレンスを定期的に開いている」と。
今、タリバン暫定政権と交渉を始めた関係国の代表者は、是非一度このブーバーハウスを訪れて欲しいと切に願う。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—33

タリバン暫定政権以来、アフガニスタンでは女性に対するさまざまな制限や弾圧が行われていることは、残念ながら事実でしょう。一方で一般的には未だ高校通学は認められていないようだが、「アフガニスタン北部クンドゥズ(Kunduz)州にある一部の高校で、女子生徒の就学が再開した」「州都クンドゥズ市にある学校の校長がAFPに語ったところによると、イマムサヒブ(Imam Sahib)地区の高校では女子生徒が授業に復帰。同市の別の教師も、女子生徒が高校通学を再開したと語っている」「タリバンは、女子生徒の安全が確保され、シャリア(イスラム法)の厳格な解釈に基づく完全な男女別学が実現すれば、女子生徒の高校復学が可能だとしている」(10月5日AFP=時事)とも。以前、CODEが実施した女子学校支援のことを伝えたが、やはり現地のNGOスタッフ曰く「とにかく女子を守らなければダメだ!」とかたくなに強調していたことを思いだす。

また、「タリバンはアフガン国民へのパスポート発給を再開した」(2021.10.06 Wed posted at 07:38 JST)という報道も。そして「パスポート発行事務のために、女性職員に職場に戻るようにと呼びかけ」(2021.10.06 Wed posted at 07:38 CNN)医療従事者や保健衛生で働いていた女性にも職場復帰を呼びかけているようだ。他方、一部の勇敢な女性は、前女性課題省の建物の前で、女性の就労と教育を求めてデモをしている人たちもいる。日本のテレビでも部分的ではあるが、その行動が放映されていた。ある番組では、外に出ていることが理由なのか、タリバン兵士がムチで女性を叩きながら追い散らしていた。

CODEが支援していた女性センターで聞いた話だが、アフガニスタンには、10世紀に活躍した詩人Rabia Balkhiという半伝説の女性がいた。その人は女性としての尊厳を守り続けて来た人とも云い伝えられている。カブールには、このRabia Balkhiを冠した病院や高校があった。

残念だが、今、アフガニスタンでは女性としての尊厳を守る行動は命懸けでもあると言っても過言ではないだろう。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—32

10月8日、日本大使館や国際協力機(JICA)の現地スタッフやその家族ら53人が、カタール政府が手配したチャーター機で出国し、カタール経由で日本へ到着したというニュースが飛び込んできた。アフガニスタンからの空路による日本への国外退避は、タリバン暫定政権が樹立してからは初めてのことだ。日本政府は秘密裏に、粛々と動いていたのだ。よく頑張った!敬意を表したい。もしかすると、CODEのカンターパートであるF・Lさん家族にも一縷の望みを叶えるかもしれない。

しかし、同8日には、アフガニスタン北部クンドゥズのモスクが爆破され、100人以上の死傷者が出たというニュースも。犯人は「ISホラサン州」と報じられている。さらに、「タリバンが8月8日にクンドゥズを制圧した後の8月17日、旧政権時代(1996~2001)にタリバンの弾圧の対象だった男性の父親が、頭と心臓を撃ち抜かれて死んだ。息子さんは間一髪イランに逃げることができたという記事が出た。また、タリバンが今回最後の制圧をかけたパンジシール州に住んでいた28歳の女性と5~12歳の2男1女、義母と義姉の6人も、命からがらイランに逃げた。しかし、残った主人は殺された」(朝日新聞 2021・10・5 世界発2021から引用)とも。

タリバン暫定政権の樹立から1ヶ月余が過ぎた。映像で流れる首都カブールの様子は、一見何ごともないように、淡々と暮らしている様子も伺える。カブールはタリバン兵士の数も多いので、監視下にあるからかもしれない。しかし、一歩カブールから離れた地方の場合は、前述したような弾圧が行われているのでは、と心配になる。
こうしてアフガニスタン全土の治安が安定していないことから、女性の就労や教育機会の制限が激しくなり、特に子どもへの悪影響も増大する。
10/9(土) 18:05日本テレビ系(NNN)配信のデジタルニュースで、「飢えて死ぬくらいなら、直接殺して」という見出しがあった。女性課題省から「勧善懲悪省」と看板が変わった建物の前で、抗議していた女性たちの叫びだ。
今朝の朝刊各紙によると、アメリカがタリバン幹部との会談を再開したようだ。日本も含め他の関係国はどうしているのだろうか?あれからもう1ヶ月が過ぎた。専門家の多くが、「タリバンとの対話」を指摘している。こうした事態の場合は、外交ってこんなもんだと待つしかないのか・・・・?
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—31

「アフガニスタンの家族を支えるためのご寄付のお願い!!」

本レポート27号でお伝えしましたが、9月18日以来交信が途絶えていたF・Lさんから返信がありました。みなさまには大変ご心配をおかけしたことと思います。F・Lさんのご親戚の方が亡くなられ、葬儀などに行っていて、その時に手をケガをし、手術で病院に通っていたとのことで交信が途絶えていたようです。(ケガの詳細はわかりません。)

以前から少し触れていますが、F・Lさん家族と親族を含め12名(1才の子ども2名、4才の子ども1名を含む)が国外退避を望んでいるのですが、12名の移動となると想像以上の困難が立ちはだかっています。この間、家族で話し合いを続けているものの、不安も覆いかぶさり、現在の段階では一致した結論が出ていないとのことです。
タリバンが暫定政権を樹立してから、アフガニスタンでは治安的にも不安要素が増加していることもあって、F・Lさんがあまり自宅から自由に動くことができないので、私たちが長年お世話になってきたぶどう農家さんたちが、どのように暮らしているのかのリアルな情報が入ってきません。でも、電話は時々つながるので、F・Lさんに村の状況も伝えて欲しいとお願いしています。
アフガニスタンにおいて政変が起こってからは、経済状況も悪化しています。 仕事や学校に行く事も出来ない人も多く、食糧さえ買えずに困窮している人たちが増加しています。
今、F・Lさんの住む地域では、銀行から引き出せるのも、週一で100ドル+10,000アフガニ―(1円が1・23アフガニー)のみです。それも毎日3,000千人近くが窓口に並んでいるという状態でひどい時は、2~3日もかかるそうです。
F・Lさん家族も、経済的には豊かな家庭ではないので、日々の暮らしを維持するには厳しい状態です。

CODEとしては、アフガニスタンで耐え忍ぶF・Lさん家族に寄り添い、少しでも力になれないかと考え、暮らしの維持のための資金援助も始めます。本来ならば、今まで実施してきたアフガニスタンからのレーズンを輸入し、みなさまに買って貰うというつながりを通して、アフガニスタン支援を継続するというのが理想なのですが、レーズンの出荷ができないためにこのような方法をとらざるを得ません。
どうかみなさま、ご協力をお願いします。賛同して下さる方は、お手数ですが下記の口座に振込んで下さいますでしょうか。よろしくお願い致します。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—30

10月3日付け、時事通信Web14:40配信の記事で「アフガン、子供の餓死相次ぐ 年内に100万人が栄養失調」という衝撃的なニュースが目に飛び込んできた。ここ連日、女性に対する暴力、デモの禁止、女性の就労機会の剥奪などのニュースが入ってくるが、同時に90%が貧困状態にあるというニュースも入って来る。地域のよってはNGOによる人道支援を許可しているところもあるが、今の段階ではほとんどは認められていないだろう。
WFP(国連世界食糧計画)が「十分な食料がある家庭わずか5% 状況悪化のアフガン」という報告をしたことはつい最近のこと。加えて「失業者の増加や現金不足、物価の高騰によって、新たに飢餓に苦しむ市民が増えている」という。

先日も触れたが、連絡が途絶えたままの、当NGOがお世話になった家族には、1才の子どもが二人いるので心配だ。
私がアフガニスタンを訪問している時に、村の人の家庭で食事をおもてなしてくれることも少なくない。特にアフガニスタンでは最も多いパシュツーン人の文化には、「自分たちが食べなくても、お客さんには精一杯ご馳走して振る舞う」という教えがある。何度かおもてなしを受けていたときに、必ず出されたナンが残ったりするので、「あの残ったナンはどうするの?」って聞いたら、「あとで子どもや女性が食べるの」って返ってきた。「そうか、日本では食べ残しどころか、賞味期限前のものを含めて年間600万トンの食糧が廃棄されているというのに・・・・・」
それからは、屋台のレストランで食事をすることにした。ただ、村の家で食事をすると、少しはアフガニスタンの庶民の暮らしの一端がわかるので、それが見えなくなったのは残念だった。
例えば、冬前になると冬支度として、部屋の窓の向こうに紐でつるしたものがぶらさがっている。「あれは何ですか?」と聞いたら、「冬の保存食として肉を干しているの」と。
また、ヤギの乳からバターをつくるところも見せてくれた。日本のPWJ(ピースウィンズジャパン)というNGOが現地で展開していた鶏を育てて貰って買い取るというプロジェクトもみた。
こんな様子を見ると、人道支援の大切さがわかる。タリバン暫定政権も人道支援が不可欠であることを認めるべきだろう。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—29

2021年8月31日、アメリカがアフガニスタンから完全に撤退し、タリバンのムジャヒド報道官が、「米兵が去り、われわれの国は完全な独立を勝ち取った」と独立宣言を発表してから、1ヶ月余が経った。
「『学校に戻りたい』、授業再開を家で待つアフガンの女子生徒たち」という見出しで、学校に行きたいという切実な思いが伝わって来る。「女子生徒らは、兄や弟が学校に戻る中、家で待機することを余儀なくされている。カブールで学校に通っていたマルワさんは、『女子を学校に戻らせてほしい。(女性)教師も学校に戻り、女子生徒を教えられるようにするべきだ』『私はアフガニスタンの人たちと国のために、そして家族のために、いつか優秀な医師になることを夢見ていた。今は、自分の将来がどうなるのか全く予測がつかない』」(ロイター10月1日配信)と。

当NGOは、2003年にカブール市内で活動する「女性センターR○R○」を支援してきた。2001年にタリバン政権が崩壊した後、国連機関や各国のNGOが支援して立ち上がった「女性センター」がかなり目についた。寒い冬に小さなストーブ一つで暖をとっていたのを見かね、少し大きなストーブをプレゼントした。なんと援助の内容について交渉する相手は、中学生と高校生くらいの男性だった。また、英語を教えている先生は、中学生の女の子だ。パキスタンのペシャワールの難民キャンプで避難生活を送っていたときに、英語を学んだと言っていた。女性ではないが、他にも難民キャンプで運転免許を取得したりと、詳しい事情は分からないが、ほんとうに逞しいと感じさせられた。
ここで学んでいる女子は、下は小学校の低学年から50歳くらいの女子ばかりだった。小さな女の子は、ほんとうに目を輝かして学んでいたことを思い出す。あの時はUnicefが力を入れ、それまで学校に行けなかった子どもたちを約300万人以上も復学させた。ただ、カブールのような都市への復学が中心だったと推測するが、地方に行くと特に女の子は「学校には行かなくていい。家の農業のお手伝いをしなさい!」と学校に行けなかった子どもたちが少なくなかっただろう。
タリバンの女子に対する教育環境は、また20年前の状態に戻るのだろうか・・・・・?
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)