アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—24

「パキスタン航空がアフガン行き旅客便運航、米軍撤収後で初」(CNN、9/16(木) 19:30配信)というデジタルニュースには、胸が躍った。「アフガンで駐留米軍が完全撤収し、イスラム主義勢力タリバンが実権を掌握後、パキスタンからの旅客便が飛来したのは初めて」だ。可能な限り、カブール空港からパキスタンの首都イスラマバードまで、各国のアフガニスタンからの国外退避希望者を運んでくれるのかと期待が膨らむ?
関係各国のすべての国外退避希望者をパキスタンに出国することをタリバンも保障して欲しい。もちろん日本も、パキスタン航空との交渉は可能だから、これで約500人のアフガニスタン関係者を運べるかも・・・・?と期待した。しかし、CNNの取材には歯切れが悪い。「援助を主眼にした便ではない」とも発言。

一方では、「広島大学が日本への渡航支援 アフガン人の修了生や家族」(朝日新聞デジタル記事2021年9月17日 13時30分)との見出しで、「広島大学は現地に残るアフガニスタン人の同大修了生や家族らが希望した場合、日本への渡航を支援する方針を決め、準備を進めている。」と報道。同大学では、「越智光夫学長と全理事が集まり、『特別対策室』を設置した。情勢が不安定化する中、現地の修了生から指導教員らに『出国するために支援をお願いしたい』などと助けを求めるメッセージが届くようになったことが大学側を決意させたとのだろう。「広島大学によると、これまでにアフガニスタン人留学生41人が同大を修了。現在は14人の留学生が学ぶ。これらの留学生らの協力も得て、8月下旬までに現地の修了生ら約100人の安否を確認したという。」(同紙デジタル版)筆者の知人の大学でも、同様に「藁をも掴むような思いで祈っている」とおっしゃっていた。

さて、ここ連日各国はタリバンの外交窓口がある“カタール詣”を重ねており、国際社会から「『承認』を得るか、もしくは、ともかく『協議』の必要性」を強調するとともに、やはりどの国も自国の事業に協力してくれたアフガニスタン人の国外退避がスムーズにできるようにも水面下を含めて交渉しているようだ。きっと日本の高官もカタールの首都ドーハにカンヅメだろう。

そんな中、パキスタンのカーン首相は15日「隣国アフガニスタンの平和と安定にとって最善の道はイスラム主義勢力タリバンと関与し、女性の権利や包括的な政府といった問題でタリバンに『インセンティブを与える』ことだとの見方を示した。世界は人権問題でタリバンに時間を与えるべきだとしている。」(CNN・9月16日)カーン氏が海外メディアとのインタビューに応じるのは、タリバンが先月に米軍撤退後のアフガンを掌握してから初めてとのこと。
特に、ここ40年間にわたる大国の介入による無意味な武力衝突の経緯を踏まえると、なんとか平和裏に解決するためにも、ここは時間をかけて、冒頭でも紹介した国際社会からの「承認」と「協議」を得るための知恵を働かさなければならないだろう。こうした状況が長引けば、難民が増える一方で、経済がなりたたず、飢えと貧困をさまようアフガニスタンの人々が増えるばかりだ。
真剣に「叡智」を絞り出さなければならない。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

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