アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—15

いよいよタリバンが新政権樹立に向けて、組閣に入ったようです。一方で、以前少し触れましたが、大変心配な事態が予測されます。今朝の毎日新聞朝刊には—タリバンと北部パンジシール州を拠点とする反タリバン勢力の間で続いていた和平協議が1日、失敗に終わった。-という記事が報じられていました。
もし、この報道にあるように、「内戦の可能性」(同紙)が現実のものになれば、このパンジシール州の南に位置するショマリ平原の地域は、戦場と化します。

本レポートNO3で、亡くなられた緒方貞子さん(国連難民高等弁務官)が、カブールに行かれて、このショマリ平原で作業をしている農夫の姿を見て、「この国は必ず復興する!」と確信したという話を紹介しました。先述したように、この地が戦場となれば、こうした農夫たちも、鍬を銃に持ち替え、闘うことになるのでしょう。もう、これ以上武力による衝突だけは、絶対に避けて欲しいと願います。
何故ならば、この地域は国連のレポートで「98%破壊された」と、1994年から1995年に報道されたのです。偶然、私は国連レポートでこのことを知り、「98%ということは、ほぼ全滅ではないか?」と、後にこの地域を訪ねたところ、ほぼ100%が壊滅でした。目の前の惨状を見て愕然とした記憶がよみがえるからです。しかも、その上で衝撃を受けたのは、この地域の植物や木々を根絶やしにしていたのです。「何でこんなことをするのか?」と聞いたところ、「首都カブールの周辺には人が住めないようにするのだ!」という説明だった。

今回の和平協議が失敗に終わり、報道にあるように再び内戦が勃発すれば、あの悪夢のような事態が再来することは間違いないでしょう。ほんとうに両者のトップが戦争だけは思いとどまって欲しいと切に願います。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

 

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