ハイチの女性について

情報源:United Nations Development Fund For Woman(UNIFEM)
日付:2010/7/30
2010年1月の巨大な地震でハイチでは20万人以上が亡くなり、150万人が家を失ったとみられている。も
っとも被害を受けたのは、ポルトープランス、レオガン、プチゴアーヴとジャクメルで、インフラの広範囲にわたる崩壊と、避難所、電気、水道、交通、保健、治安などの基本的なサービスまでもが破壊されたという特徴を示していた。
女性は特にこのような災害で影響を受ける。貧しい家の状態のため死者のおよそ三分の二が女性であると、いくつかの指標が推定している。仕事、資本、そして経済力の大いなる損失は破壊的な地震に起因していた。自然災害の時、避難所や治安の不足から女性や少女には暴力、特に性的暴力の危険が増大する。現在、災害後6カ月たっても多くの人々がむさくるしくシートでできた一時的な避難所にいて、常に暴力の恐怖にさらされている。女性達は照明のない便所を共同で使わなくてはならず、公衆の面前で入浴し、家族との連絡が取れないのにもかかわらず見知らぬ人の隣で眠ることを強いられている。
正確な情報
女性はハイチの人口の52%を占め、家族の生存を確実にする大事な役割を果たしている。地震の前、政治的に不安定だった十年間においても、蔓延する貧困と男女不平等は女性の権利と安全に対して重い打撃を与えていた。家庭内暴力と性的暴力は高い率で国中に蔓延している。
‐2006年の国勢調査によると、三人に一人の女性が暴力を経験していた。
‐HIVとAIDSの率はこれらの事柄についての文化的なタブーと同様に高い。
ハイチの女性達は子供や他の扶養家族の面倒を見るという過度の負担をも負っている。
‐約45%の家庭で女性が家長となっている。
‐ハイチの非識字率はラテンアメリカやカリブ海地域においては一番高い。
‐UNDPの2009年人間開発報告によると、成人女性の識字率は64%という。
多くの女性達は公的ではない職場で雇われ、男性の半分以下の収入しか得られない。
‐UNDPの2009年人間開発報告によると、ハイチ女性の年収は626US$、それに対し男性は1,695US$
‐ハイチ女性は主に農家か小規模の実業家か市場の商店かの仕事をしている。
‐地震によって経済的活動が機能しなくなっている女性の小規模な農家や実業家に対する資本やその他の援助がもっとも重要である。
‐地震後の初期復興段階においてキャッシュフォアワークやフードフォアワークなどのようなプログラムによって約20万人の雇用が供され、そのうちの35%が女性であった。
‐もっと多くのことをしなければならない。急を要する必要性としては、経済活動を再開するための仕事の創出に取り組むということがある。特に家長となっている独身女性に焦点を当てる必要がある。
カリブ海諸島での厳格な性別役割や不平等はしばしば女性が政治的な意思決定に参加するのを阻止したり、性による暴力の危険性を増大させることになる。
‐ハイチの国会議員のうち女性は5%以下である。
‐公共の場での暴力は、公の生活に十分参加し貢献するという女性の能力を損なわせることになる。
‐多くの女性は政治的な活動に参加することは危険な行為だと思っている。
原文サイト:reliefweb.int

ハイチ人どうしの助け合い

日付:2010/7/12
情報源:Trocaire
1月の地震がハイチの国土を引き裂いた時、150万人の人々が家を失った。約90万人の多くの人々は首都のポルトープランスに留まって、利用可能な土地にあるキャンプでいまだに暮らしている。
しかし60万の人々は首都を離れた。地震直後に離れた人もいれば、路上やキャンプでの生活が耐えられなくなって数週間たってから動いた人もいる。6ヶ月たった今では、これらの人々の多くは国中に散らばったままになっている。
この緊急事態での顕著な特色は、ハイチの人々がお互いに労をいとわずに助け合うことである。60万人のほとんどはホストファミリーのところにいる。ホストファミリーの多くは被災者の親戚だが、驚くことに、そうではない場合も多い。困っている人を受け入れるというささやかな方法に対するホストファミリーの犠牲や善意は計り知れない。
Alexandre Victoirは地震から3週間たって生活がとても苦しくなったのでポルトープランスを去った。彼女の姉と姪は崩れた家の下になって亡くなり、お金も食べ物もなく、5人の子供達と一緒に瓦礫の間で眠り、隣人が分けてくれる食べ物なら何でも食べて暮らしていた。
「寝るところをどこか提供してくれる人が誰かいるからと、お隣さんのひとりが言ったのでFonds Parisienに来た。」と彼女は私達に言った。彼女の夫には町から二時間の郊外にあるその場所に遠い親戚がいた。そのいとこは自分自身が貧しさから抜け出せないでいるのに心から温かく彼らを歓迎してくれた。
Trocaireが訪ねた時、Alexandreは娘と一緒に庭の木陰に座っていた。「ここには私達が必要とするのに十分なだけの場所も食べ物もない。夜にはとてもくっついて寝なければならない。」と彼女は言った。Trocaireはこの地区で活動していて、住むところがなくなった人々や彼らを泊めている家族に食べ物を渡したり、子供達を学校にやったりしている。
Sr Nuria Merono Otoiは陽気な73歳のスペイン人である。彼女は水も電気もないコミュニティーに住んでいて、そこでTrocaireのパートナーの組織と一緒に働いている。地震の直後には、彼女は小さなチームを作り、ポルトープランスに車を出して基本的な初期援助を行った。「私達が持っていたすべては、多くの絆と助け合いの善意です。」と彼女は言った。
彼女はRicardo の話をした。彼は一人でポルトープランスの路上をさまよっているところを見つけられ、彼女達のところへ連れてこられた8歳の男の子だった。「地震が起きた時、Ricardoは外で遊んでいて家に帰ったら家族全員が亡くなっていたというのが、彼が話せたすべてだった。」と彼女は言った。
「私達は彼が住所や電話番号や親戚がどこに住んでいるか思い出すように繰り返し繰り返し手助けしようとした。でも彼はできなかった。」彼は私達と一緒に三ヶ月暮らした。そしてある日、彼は電話番号の一部を思い出した。その後数週間かけて少しずつ彼がもっと思い出すように私達は毎日彼をうながした。ほとんどの番号を思い出した時から私達は他の人たちにきいて回り始めた。
「ある朝、連携して仕事をしていた時、一人の女性がある電話番号に出たので私達は自分達のことを説明した。電話に出た女性はRicardoの兄の奥さんだった。私達が彼らを電話で互いに話させると、Ricardoはひどく興奮した。彼の兄は生きていたのだ。彼らはすぐFonds Parisienにやってきて、その日のうちに彼を連れて帰った。
Fonds Parisienはかなり貧しい地区でポルトープランスからあふれ出した人々を助けきれなかった。Trocaireはその地区のグループと一緒に活動して、ハイチと自分自身の生活の復興に貢献する職業を若者達が学ぶような訓練プログラムを立ち上げている。
この地震は大工やれんが職人、電気技師のようなたくさんの技術者の命を奪い、専門知識の断絶は多大なものとなる。若者を訓練することは、彼らが自力で身を立てることであり、町の外に避難している人々を助けることでもある。そこの超過密状態は大問題であり、生活の質は悪い。
Alexandre Victoirのような多くの人々にとって、町はけっして戻る気にさせるところではないだろう。「私は戻れない。姉と彼女の赤ちゃんはまだ瓦礫の下のままだ。今、私はずっとポルトープランスを憎らしく思っている。」と彼女は言った。
原文サイト:reliefweb.int

ハイチ:「私たちは再び災害の危険にさらされています」

情報源:UNOCHA(国連人道問題調整事務所)
日付:2010年6月4日
ハイチにおける嵐のシーズンの始まりを告げる風雨が既に、1月の地震で家を失った人々の住む一時しのぎのシェルターに被害をもたらしている。支援団体は、さらに悪い事態が起こりうると警告している。
「防水シートはテントよりは持ちこたえますが、最良の防水シートや最良のテントでも、雨季、ハリケーンシーズンをしのぐのに適した場所にはなりません」と、シェルターを監督する諸機関グループのコミュニケーション・オフィサー、Timo Lüge氏がIRIN(国連人道問題調整事務所・統合地域情報ネットワーク)に語った。「多くのキャンプは雨が降るごとに水に浸かっており、住環境は悲惨です。」
家を失った約150万人がキャンプで暮らしている。
支援団体はできるだけ早く、よりしっかりした持ち運び可能な高床式住宅を建てようとしている。計画された12万戸のうち1873戸が建てられ、9365人が居住可能となったが、12万戸を完成するには約1年かかるとLüge氏は言う。
資金と資材は手元にあるが、土地所有権の問題とガレキの除去がプロセスを妨げている。「土地の確保、必要な資材の購入と輸送、建設の完了に何ヶ月もかかるでしょう」と彼は言う。
「7000戸以上の仮設住宅に使われる資材と併せて、シェルター・クラスター(シェルター関連を扱う組織横断のグループ)メンバーの最大の課題は、仮設住宅建設に利用可能な土地がないことである」とハイチのUNOCHAが5月24日に発表した。
一方、Lüge氏によると、援助機関は木材、くぎ、ロープ、その他資材を配布したり、既存のシェルターを補強・防水する方法についてのクレオール語のポスターなどで助言を広めたりしている。
国際的な援助団体であるOxfamが28ヶ所で行った調査で、「過剰に混雑している」ことと水はけの悪さが、洪水と病気のリスクを高めていることがわかった。OCHAの発表では、洗浄・洗濯用の水が十分になく、衛生面が危険にさらされているとのことである。下痢の発生ケースは低いが、水不足による皮膚病は頻繁に起こっている。
大惨事
アメリカ海洋大気局は大西洋海盆に、「活発もしくは極めて活発」なハリケーンシーズンの到来を予告した。OCHAは6月1日の声明で、「地震以降、これほど多くの人がこれほど脆弱な状態におかれているなかで、今年の深刻なハリケーンは壊滅的なものとなりうる」と発表した。ハイチの市民保護局は学校などの建物で、地域のハリケーン避難所となりうる場所を特定してきた。
首都ポルトープランスのMaïs-Gaté 2地区にあるCaremagaキャンプに妻と子どもと暮らすJean-Ferdinand Jean-Jacques氏は、初期の嵐による被害は大きなものだったと言う。「こうしている間にもほとんどのテントは水に浸かり、すっかり腐っていきます。」
Caremagaキャンプの委員会メンバーであるHarold Desaugustes氏がIRINに語った。「ちゃんとしたテントを持たない人々の一時的なシェルターは風雨で既に壊れてしまいました。嵐が来れば、また大惨事に見舞われます」
彼は、自分の家族も含めて多くの人が、プラスチックシートと柱でできた簡易のシェルターに暮らしているという。「ときどき夜中に風雨で骨組みが崩れます。」風でプラスチックシートが吹き飛ばされたため、最近2枚目を買ったという。
Desaugustes氏の世帯は16人で、6歳未満の子どもが5人いる。「テントを持っている他のキャンプの住人によく、子どもたちをそこで寝かせてくれないかと頼んでいます。2~3人をここへ、2~3人をあちらへ、というふうに。」
原文URL:reliefweb.int

ハイチ:IOMとCCCMクラスター、 50万人に登録番号を配布、緩和と緊急対応メカニズムを開始

日付:6月1日
情報源:IOM(国際移住機関)
今週時点で、キャンプ調整・管理(CCCM)クラスターはハイチ政府との連携で、ポルトープランス周辺の50万人以上の避難者を登録した。
これまで、12万5000世帯、54万人(1世帯平均4.3人に基づく)にあたる150ヶ所が登録された。登録された150ヶ所のうち51ヶ所はポルトープランス市外にあるが、そのうち25ヶ所はレオガン、15ヶ所はグラン・ゴアーブ、5ヶ所はプチ・ゴアーブ、6ヶ所はジャクメルである。登録プロセスは、IOMとCCCMクラスターをパートナーとしてハイチ政府が主導し、内務省、市民保護局(DCP)を通じて行われる。また、避難者へのサービスを提供する人道団体の支援で、CCCMのもとで行われる主要活動のひとつとなる。
登録データから集まるのは、簡単な人口統計学的な情報―登録者の53%は女性、47%が男性、36%が18歳未満で8%が5歳未満の子どもといったもの―から、帰還・移転の意図に至るまで様々だ。データは、人道機関にリアルタイムな情報を提供する、CCCMの避難者追跡マトリクスに記録される。
「登録データはこれまで、食糧以外のアイテムや、新しいキャンプへの自発的移転や、家族への個別サポートなど、一連の支援を提供するための多くの立場で利用されてきました。キャンプ管理者やその他のサービス提供者は、キャンプでの活動に必要な登録データに、定期的にアクセスすることができます。『登録して一緒にハイチを復活させよう』をスローガンに、受益者は私たちのチームと登録しています。」IOMの登録関係部署を率いるVlatko Avramovski氏は言う。
登録の優先地区は、キャンプ管理団体とIOMのキャンプ管理オペレーション(CMO)部署によって特定されている。CMOは最近その活動を拡大し、キャンプごとのモバイルチームを作り、ポルトープランスの7つの自治体にある避難者コミュニティの調査に焦点を当てている。
登録プロセスの第一段階は、ポルトープランス地域の大きな地区での全避難者の登録も含め、2010年6月末までに完了すると見込まれている。
その他の小規模な地区や、ホストファミリーと暮らしている人々の登録は、2010年11月までの完了する予定である。登録の更新情報はCCCMウェブサイトで見ることができる。
IOMは、効率的に避難者のコミュニティを雇用したり、移転問題やニーズ、人道的対応に関する情報を広めるために、様々なコミュニケーションツールを採用している。例えばMINUSTAH(国連ハイチ安定化ミッション)の連続ドラマや、連載漫画や、支援スタッフを60人以上に拡大したコミュニティ動員チームを通してメッセージを伝えている。
「私たちの役割は、利用可能なベストな情報を避難している方々に伝えることであり、彼らのニーズや希望について定期的なフィードバックを求めることです」コミュニティ動員担当のJunior Aly氏は言う。
さらに、CCCMはハリケーン・シーズンへの準備にも取り組んでいる。現場での緩和の取り組み、既存のシェルターを強化するための情報を提供する支援キャンペーン、緊急対応を行うジョイント・タスク・フォースへの参加を通じて行う。
一方で、キャンプ軽減タスクフォースは、UNOCHA(国連人道問題調整事務所)が代表であり、シェルター、水・衛生、CCCM、初期の復興クラスター、その他の関連する団体が参加し、最も危険なキャンプを特定し、軽減活動を行う。
IOMのサイト評価・計画局の代表、Shaun Scales氏によると、洪水によって長期的に住むことができなくなるような場所のキャンプを「深刻な危険」と特定する。これは、差し迫った洪水の危険に加え、慢性的に水が淀んでおり、健康問題のリスクがあることを示している。
現地評価では現在、一日に6つのキャンプを見ており、(調査のためにポルトープランス地域で現在特定されている130地区のうち)これまで56ヶ所の12万1000人が調査されたが、うち6万2000人が危険にさらされており、5万4000人が深刻な危険にあるとされた。
集められた情報はパートナーと共有し、細々とした骨の折れる作業から、大規模なサイト軽減問題まで、ニーズを把握するために使われる。サイト評価に関する情報はCCCMウェブサイトで閲覧可能である。
IOMは、洪水予防活動の一環として水路清掃も指揮している。対策本部では最終的にレオガンとジャクメルの現場にも評価を拡大することを目指している。
IOMはまた、MINUSTAHとUNOCHAとともに、差し迫るハリケーン・シーズンへの準備として重大問題対応チームを結成し、即応チームの一部として、エンジニア2人に24時間スタンバイしてもらう手配を行った。「このチームは重大な出来事に対応する『眼』を現場に置こうとしている」とScales氏は言う。
IOMの事務局長William Lacy Swingは明日、ドミニカ共和国のPunta Canaで開かれるハイチの将来に関するサミットに参加する予定である。このサミットはドミニカ共和国政府が招集し、再建活動開始の先頭に立ち、ハイチと国際社会との恒久的な連帯関係を築こうとしている。
Jared Bloch
IOM Haiti
原文URL:reliefweb.int

ハイチ:IOM、避難キャンプの生活向上に向け、ハイチ全土で新たな取り組み

日付:5月18日
情報源:IOM
IOMは、1月12日の地震以後、避難キャンプに住む200万人以上のハイチ人のニーズを確認し、対応するための新たな取り組みを開始した。
ハイチ緊急対応における「キャンプ調整及びキャンプ管理(CCCM)」クラスターの指揮機関として、IOMはEUの人道部門であるECHOの資金により、新たなキャンプ管理作業チームを立ち上げた。被災者と人道的機関との間での情報の流れを改善するため、このチームは地元の有力者やコミュニティリーダーとの接触を行うことになっている。
最初のステップは、ハイチ政府がキャンプ調整の責任部署としているハイチ市民保護局(DPC)に加え、ポルトープランス広域にある7つの自治体の長とも密接な関係を築くことである。
このチームは、自治体レベルでの協調を改善するため、地元のコミュニティリーダーとも結びつき、NGOを含め、市町村(自治体)規模でのミーティングを行う予定である。
キャンプ管理作業の代表であるDaniel Desmarais氏は次のように述べる、「我々の目的は、特定の受益者のニーズをより良く満たすため、それぞれの自治体のはっきりした像を描き、優先順位を付け、そしてその情報を人道システムの中に入れ込むことです」
Desmarais氏はこう付け加えた、「ハイチの人々自身の優先順位を最適に理解し、それに応えるために、情報が双方向に流れることが不可欠です。それぞれの地域には独自の課題があり、それゆえ独自の性格を持ち、それぞれの背景に特有の対応が必要とされているので、自治体ひとつひとつへのアプローチが不可欠なのです。」
この活動は7つのキャンプ特定チーム――それぞれの自治体に1つの――を持ち、各チームにはキャンプマネージャー1名、フィールドアシスタント1名、コミュニティ動員担当1名、ドライバー1名がいる。特定に状況が起これば、それに対応するため、さらに5つのモバイルチームが活動可能である。
これらのチームは公的にアクセス可能なブログに情報をレポートする。システムを通して流れる情報の透明性を増すために企画された、創意的な新アプローチである。
「これは素晴らしい仕組みです。誰でも、どこからでも利用可能です。Gonaive(ハイチ北部の都市)からジュネーヴまで、Petionville(ハイチ・ポルトープランス郊外の自治体)からパリまで」とDesmarais氏は言う。
それぞれの自治体のブログは特定の、フィールドに基づく情報を現地のNGOコミュニティに提供し、また別のブログでは、CCCM傘下で活動する団体に戦略的な概観を伝える。
キャンプ管理チームは自治体中のキャンプひとつひとつを順に訪れ、情報の正確性をチェックし、確認されたニーズを満たすためのロジスティクスの調整を行う。
Desmarais氏は言う、「重大な、そして継続的なこの危機への課題に対応するため、我々はキャンプ管理能力をよりうまく使いたいと考えています。最後の手段として、我々IOMがキャンプマネージャーとして入り込むことはできますが、我々のみが対応するにはニーズが大きすぎます。パートナーとの活動が絶対に不可欠です」
関連したニュースだが、雨が強まる前に、保健クラスターとその他のNGOパートナーにより、緊急に5万の蚊帳がハイチに届けられた。この積み荷は、ハイチ緊急対応の「保健クラスター」との連携で配られることになっているが、マラリア流行地のハイチで必要とされる推定140万枚のうち、最初に届いたものである。IOMは 保健クラスター内の、生物が媒介する病気に関するワーキンググループと連携し、蚊帳を受け取る地域と個人の優先順位を決める。
ハイチでIOMのヘルス・ユニットの代表を務めるPatrick Duigan博士は言う、「間もなくやってくる雨季は、マラリアの危険性が自然に増す時期です。病気の発生を防ぐため、緊急に蚊帳をキャンプの住人とホストコミュニティに配らなくてはなりません。」
しかし、Duigan博士は、マラリアの割合がこの国の通常レベルを超えたという指標は、今のところまだないと言う。最近の数値では、ハイチ地震の避難民にマラリアが疑われるケースが報告された割合は、ここ数週間で3%であり、2010年2月から現在までの平均は4.7%とのことである。
Duigan博士はこう述べる「蚊帳の配布は、ハイチの避難者コミュニティのニーズに包括的に取り組むため、CCCMや保健クラスター、NGOパートナーたちを通じて行われている連携の明確な事例です」
原文URL: reliefweb.int

ハイチ:ポルトープランスの廃墟から、仮設住宅を建設

日付:2010年4月27日 
情報源:IOM
IOMは、初めてとなる仮設シェルター建設の大規模パイロットプロジェクトを、ポルトープランス近隣で開始する。
ベニヤ板、トタン、コンクリートの基礎で、80のシェルターが建てられる。完成すれば、地震で破壊された首都のPacot地区にある貧しい地域、Mangeoire(地名)のコミュニティが住むことになる。
地元当局と市民のリーダーとの慎重な交渉の末、合意がなされたこのオペレーションは、地元のコミュニティがいかにして結集し、ガレキの散らばった近所をきれいにし、再建するかという強力な例である。
家の構造は、3~5年もつように、そしてハイチの雨季の暴風雨に耐えるように、IOMの建築家とエンジニアが設計した。
このパイロットプロジェクトは、家を失った200万人のハイチ人に、維持可能なシェルターを提供する新たな段階の幕開けとなる。仮設住宅は、緊急時に配布されたテントや防水シートよりも頑丈な住まいである。
また、自分や近所の家が壊れた家族にとって、移住よりも望ましい選択肢を示している。
ポルトープランス内外の新たな移転地に移住する代わりに、Mangeoireの人々は、仕事と教育の場に近いところに結束して留まることができる。
NGOのACTEDが管理するキャッシュ・フォー・ワークのプログラムが、ガレキの除去や、新たなシェルターの建設用地の掃除などコミュニティメンバーに雇用を提供している。
「ほんの1ヶ月前は、ガレキだらけで家を建てる場所などありませんでした」と、IOMのシェルター・コーディネーターAlex Coissac氏は言う。「ここからとても重要なことがわかるでしょう。シェルター建設の可能性が地域のコミュニティを元気にして、ガレキ除去のペースを上げたのです」
受益者と地域コミュニティの間での文書合意により、起こりうる土地保有の問題は先送りされた。ハイチ市民保護局(Haiti’s Department of Civil Protection)のYolene Surena博士は今週、最初のシェルターを訪れたが、技術的なモニタリング調査のために同局のエンジニアを来週派遣することになっている。
Mangoireの10のシェルターで作業が始まり、うち5つはほぼ完成している。より長期的には、80のシェルターが建設されるとコミュニティのリーダーは推測している。
しかし、もともとスラムだった地域の環境が困難なものだったため、作業は複雑だ。
Croix-des-BouquetsのPetit Bois(地名)でも、コミュニティと市役所の間での活発な連携で活動が始まっている。ここでは地取りの問題が少ないため、作業が早く進むだろうと期待されている。40のシェルターが既に建設されており、ペースも加速するだろう。
Mangoireの地区の連携コーディネーターのElizaire Emmanuel氏によると、住民はもとの区画に戻れることを喜んでいるとのことだ。「シェルターは少し小さいと言う人もいますが、以前に住んでいたところに比べれば、自分の場所に戻れるのは嬉しいのです」
IOMのAlex Coissac氏は、新しいシェルターの建設がコミュニティ主導のプロジェクトとして行われることはたいへん重要だと言う。Mangoireの、丘が並んだ複雑な地形を見ながら彼は言う。「どの場所もそれぞれ、特別なのです」
「もし正しくやりたいと思えば、何ヶ月もかかるでしょう。特に、この場所をよりよくまとめるために、都市計画の概念をコミュニティに紹介する必要もあるからです」
20年以上もここに住んでいるDuverger Anallia氏は、家が壊れたが、地元の地主が近くのキャンプにしばらく留まることを許してくれたと言う。しかし、もう出て行かなければならない。「シェルターは小さいけれども、戻らなくてはならないのです。テントで暮らすより良いでしょう」と彼女は言う。
彼女は来週以降、家の改良を計画していると言う。また、シェルターからビジネスを続けるそうだ。「少しずつ、やることをやるのです」
IOMは7300のシェルター建設にあたる寄付金を、多国間のハイチ緊急援助基金(ERRF)、日本政府、スウェーデン政府から受け取った。この数は1万2000まで上る見込みだ。
原文URL: reliefweb.int

ハビタット・フォー・ヒューマニティと米州開発銀行、ハイチの住宅再建を支援

情報源:米州開発銀行(IDB)
日付:2010/4/22
被災者の訓練のため、プロジェクトには「実践教育」方式が採用されている。
アメリカのNGO、ハビタット・フォー・ヒューマニティ・インターナショナルと米州開発銀行(Inter-American Development Bank)の多数国間投資基金(Multilateral Investment Fund)によるプロジェクトは、Cabaret市で被災した500家族が住居を再建・修繕するのを支援する。
ポルトープランスから30km北のCabaret市では、地震で3000余りの家族が家を失った。9000余りの家族が、損壊した家の修理を必要としている。
520万ドルのプロジェクトで、ハビタット・フォー・ヒューマニティは「実践教育(やって学ぶ)」方式で、建設の技術や建材の作り方、小規模事業の立ち上げ方、リスク管理や環境保護について、参加者を訓練する。
プロジェクトは、女性を世帯主とする貧しい家族や、地震で生計手段を失った人、ポルトープランスから立ち退かされ、Cabaretへの移住を希望した人を優先する。
地元と海外の専門家から成るハビタット・フォー・ヒューマニティのチームは、このプロジェクトやその他のハイチでのプロジェクトを通して、居住問題の解決法だけでなく、地震で壊れた社会的・経済的な骨組みの再建も支援する。
ハビタット・フォー・ヒューマニティとのプロジェクトに300万ドルを拠出するMIFは、ラテンアメリカのNGO、Un Techo Para Mi Paísによる別の住宅構想も支援しており、Grand GoaveとLeoganeという南の都市に仮設住宅を建設する。
IDBが管理する自立的な基金としてMIFは、零細企業や小規模ビジネスに重きを置きながら、ラテンアメリカとカリブ地域の民間セクターの発展を促している。
原文URL:reliefweb.int

80%の小学校が青海省の地震で破壊された

情報源:UNICEF
日付:2010/04/21
UNICEFは教室用テントと学用品を被災した子供たちに大急ぎで運んでいる
マグニチュード7.1の地震が中国北西部の結古という町の近くを襲い、学校に大きな被害を与えた。地元の教育当局は、郡の80%の小学校と、50%の中等学校が深刻な被害を受けたと見積もっている。教育当局の、通常授業を4月の終わりまでに再開するという目的を支援することを目指してUNICEFは昨日、150の学校用テントを被災地域に発送した。玉樹は、中国の最も貧しい郡の一つである。
結古町の50%の生徒が寮生で、郡の周辺部のエリアから郡の首都に、勉強のために送りこまれた生徒である。玉樹郡には22719人の生徒と、1086人の先生がいる。災害後の、子供達の早い学校への復帰は、彼らが心理社会的なストレスを克服するのを助ける重要なステップである。UNICEFの72平方メートルの教室テントは、7500人の生徒が勉強を再開する空間を供給する。UNICEFはまた、学用品キット、黒板や発電機、暖かい衣類やブーツ、羊毛の毛布などを、昼間の学校と寄宿制の学校のために送っている。
「この災害の後に、子供たちが授業を再開するのを援助するために、政府の強力な取り組みがなされているのがとても嬉しい。」UNICEFの中国代表で国連災害管理チームの議長であるYin Yin Newは言う。「私たちは教育当局と、子供たちが学び続けるのに必要とされる基本的なニーズすべてを供給できるように働いている。」
4月20日の時点で、地震の犠牲者の数は2064人の死者、175人の行方不明者、12315人の負傷者となっている。食糧と衣類と避難所の不足は、高い標高と凍りつくような気温と困難な道路事情と相まって、救援活動を複雑にし続けている。最近の降雪、強い風と、救援トラックの交通渋滞もまた、救援活動を妨げている。
捜索・救援活動が縮小するに従って、UNICEFはその援助活動を、地域・国家の当局と協調して行っている。子供たちのニーズを評価するのに最も良いからである。
食糧の供給もまた、被災地域では深刻な問題である。国連機関は、援助を協調するため共に働いている。栄養の摂取を増やすために、ビタミンやミネラルのサプリメントの包みが、WFPが若い子供たちに供給する主食と共にUNICEFから供給される。
現在、民事部の当局が、片親もしくは両親を地震で亡くした子供の数を特定しようとしている。地震によって失われた命のことを考え、また住宅、学校やコミュニティに受けた広範囲の被害を考えると、子供達や他の被害を受けやすい人々への心理的な苦悩は、憂慮すべき心配事だといえる。
UNICEFは子供と女性のための国家作業部会が、被災児童に一連の心理社会的援助を供給するための「Child Friendly Space子供に優しい空間」を設立するのを助ける。UNICEFは90~95%の子供と女性が、地震後にコミュニティにあるサービスのみで回復することができるが、5~10%の人がより専門的な処置を回復のために必要とすると発見した。即座に適切に、子供たちのコミュニティの心理社会的なニーズに応えることが、回復するための彼らの能力に長期的な結果を与える。
UNICEFについて
UNICEFは150以上の国と領域の現場で、子供たちがその幼児期から思春期まで、生き延び力強く成長するのを助ける。世界の最も大きな、途上国へのワクチンの供給者であるUNICEFは、子供たちの健康と栄養、良い水と衛生環境、全ての少年少女への質の良い教育をサポートし、子供たちを暴力・搾取・AIDSから守る。UNICEFは全て、個人・企業・基金・政府からの自発的な寄付によって資金を得ている。
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ハイチの医療従事者は感染症の急増を恐れている

情報源:Voice of America(VOA)
日付:2010/04/19
ポルトープランス総合病院はハイチで最も大きな病院である。その建物は地震の際一部被害を受けたが、国際的な医療機関の援助のおかげで、診察を続けている。どんな日でも、300人以上の患者が治療を求めて受診する。地震から2ヶ月以上たって、医師が診察していると、地震直後に見られた圧挫損傷は少なくなってきた。現在、雨季が始まるに連れて、医師は感染症について心配している。
Megan Coffee医師はカリフォルニアから来た感染症の専門家である。彼女は過去2ヶ月、ポルトープランス総合病院でボランティアをして過ごしていた。
彼女はハイチで起こりうる感染症の拡大について心配していた。彼女は、一月の地震以降、住民の医療ニーズは変わってきたと話した。
地震後初期によく見られた切り傷や、押しつぶされた手足、骨折などを医師たちが見ることはまれになった。
「これらのテントはすべて、地震で負傷した人々の整形外科の怪我のために使われていた。」とCoffee医師は言った。「今やその人たちは手術後の患者たちで、地震以降ずっと残っている。」
雨季が始まり、住民の多くがテントの街に密集して閉じ込められているのにつれて、医療従事者は感染症と水媒介性の病気について警戒している。
「腸チフスとマラリアの問題はテントの街とともに、最良の衛生状態を得られない人々とともに大きくなるようで、たまった水がそれらの病気の原因になっている。」とCoffee医師は加えた。
接触伝染性の高い、呼吸器の病気である結核は、もうひとつの心配事である。毎日来院する300人の患者のうち、約4人が結核にかかっている。
スタンレーはそのうちの一人である。
「スタンレーは結核で彼の左の肺全体をいっぱいにしてやってきた。結核は彼の心臓をも満たし始めていた。」とCoffee医師は説明した。「彼はかなり具合が悪くなってやってきた。基本的に息ができず、体液を排水するのにチューブを入れなければならなかった。」
ハイチでは、患者がしばしば、病状が危篤状態に達するまで治療を求めるのを待ってしまうことがある、とCoffee医師はいう。そしてそれが、回復をより難しくしている。
「治療を受けられることが、彼のような人々にとっては本当に大切だ。」彼女は付け加えた。「なぜならば、さもなければ、もし彼らが完全な処置無しに家に帰ってしまえば、彼らは彼らの近隣の人たちにとって、感染源となってしまうからだ。」
スタンレーは2ヶ月入院している。そのうち半分の時間は、胸にチューブを入れて過ごした。
Coffee医師はいう。マラリアや腸チフスや結核が地震以降急増しているかは未確認だが、雨季が近付くにつれ、それらはあっという間に広がるおそれがある。
原文URL:reliefweb.int

地震被災で果たされるチベット仏教僧たちの役割

情報源:Reuters-Alertnetより抜粋
日付:2010.4.16
何千人もの兵士と政府による救助・復旧活動を行うオレンジ色のジャンプスーツを着た救助隊員たちは、何千とまではいかないにしても何百人もの深紅色の僧衣や上着を着たチベット仏教僧と協力していた。多くの僧は自らの取り組みを宗教的な誇りの表れだと述べた。
僧院から来た彼と何百人もの僧達は布で覆った台の上に遺体を集め、その何百もの遺体の中から地元の人々が親族を確認するのを手伝った。そうしている間、僧達はその前に座って死者のためにお経を唱えていた。
他のチベット人たちはオンライン上に集まり、死者を悼む詩を投稿し、結束を呼びかけ、伝統的なチベットのバターランプの画像を中国のチベット語のウェブサイトに載せた。あるチベット人向けの中国のポータルサイトは死者を悼み、白黒だけで編集された。
多くの僧達は何百キロもの道のりをバスやトラックの荷台にぎゅうぎゅう詰めになってやってきて、玉樹県の破壊された主要な町結古鎮で、生存者を探すのを手伝い、炊き出しをし、死者を弔った。
原文URL:reliefweb.int