ADRA、冬が近づくチリで被災者5000人にシェルターを提供

情報源:ADRA International
チリで冬に先駆けて降り始める雨に備えてADRAは、中部の海岸地方の家を失った約5000人の住民のために、半久的なシェルターを建築し、上下水へのアクセスを改善すると、団体事務局が報じた。
ADRAチリのJorge Alé氏によると、この新しいプロジェクトは、140万ドル(約1億3000万円)の見積りで2010年9月に終わる予定で、やって来る冬の間のシェルターを世帯に提供するだけでなく、生き残った被災者自身が自分の家を建て、仕事に戻り、生活を始めるようにと計画されている。
「これは、対象地域の被災世帯が恒久的なシェルターを必要としている状況に対応するために計画された全体的な過渡期のステップです。」とAlé氏は言う。
USAID/OFDAとADRA Internationalによる資金的サポートにより、半恒久的なシェルター計画(SPSP)では、最も被害の大きかった地域で家を失った1000世帯、約5000人を対象に仮設住宅を提供する。
ADRAはシェルターの建設を支援するため、基本的な道具と熟練した大工のチームを送る。大工はシェルターの建て方を各家族に指導し、必要に応じて建設に係る問題解決を行う。
Alé氏によると、このアプローチは家族が仮設住宅を長期的なシェルターに代わるものとして徐々に改良するために必要なスキルを学んでもらえるように、プロジェクトに永続性をもたせる。シェルターは松で作られ、防水シートとプラスチックシートで外をカバーする予定だ。構造は幅20フィート(6メートル)、高さ10フィート(3メートル)で、194平方フィート(18平方メートル)の居住空間を備える。家族が家を拡大する選択肢を持てるよう、各シェルターの基礎はさらに194平方フィート(18平方メートル)拡張される。
ADRAはチリ国家緊急事務局(仮訳。Chile’s National Emergency Office/ ONEMI)など地方や国家の関連機関と連携して地元の市町村が対象者を選択するための支援を行う。
プロジェクトのもう一つの要素は、他の機関と協同して800の対象世帯に衛生設備へのアクセスを拡大することでもある。主に水で密閉したトイレとレンタルの持ち運べる化学式トイレを用い、各シェルターの用地で十分な、そして適切な衛生設備が利用できるようにする。
このプロジェクトでは、各トイレの場所に手洗いステーションを作り、そこに流水、水貯蔵コンテナ、ハンドソープのためのコンクリートか小石のパッドを備え、対象者が継続的に、より良く衛生習慣を行えるよう促す。
「世帯の大多数には既に十分な衛生習慣があるが、普段の設備が使えない緊急事態の状況で利用できる方法を知ることが大切だ。」とAlé氏は続ける。
家族が新たに建設した手洗いステーションを適切に使えるよう、ADRAは清潔な生活環境を促進する衛生教育のクラスも実施する予定だ。
トレーニングは衛生に関連する病気を減らすために大きな影響のある、4つの衛生習慣に焦点を当てる。正しい手の洗い方、食べ物の扱い方、ゴミ処理方法、安全な水の扱い方・貯蔵方法だ。トイレのメンテナンス、手洗い方法、ゴミ処理方法のデモンストレーションも行われる予定だ。
国連のレポートによると、チリで最も被害が大きかった4つの地域で180万人以上が地震と津波で被災し、37万軒の家屋が全半壊した。
原文URL:reliefweb.int