援助団体の功績と安全性の比重

SALAR, AFGHANISTAN -誰からみても、Mohammad Sharifと彼のベルギーシェパード犬ブレンダは英雄と考えられてもよいだろう。カンダハールとカブール間のもっとも込み合った高速道路に沿った地面の下に埋められた地雷を一日、一日、人と犬のチームが探している。
しかし、ここ数ヶ月間、Mr.Sharifの援助機関である地雷犬センター(MDC)はタリバン残党によって攻撃をされてきた。しかし、Sharifと彼のチームは仕事を辞めてはいない。少なくとも今のところは。
「国の状態がどんなものであろうと、私たちは私たちの仕事を続けなければならない。」とSharifはブレンダが訪問してきたジャーナリストの顔をなめているのを横目に答えた。「私たちはムジャビディン政府の時もこの仕事をしてきた。タリバン政府の時もだ。そして今もやっているのだ。この仕事はただ人々の幸せのためにおこなっているだけである。」
過去6ヶ月間で、援助職員に対しての攻撃は劇的に増えている。Sharif のようにアフガニスタンの復興課程を押し進めようとしている人々の命を危険にされしているのだ。23年間の戦争の様々な危険にも関わらず活動を続けてきた外国の援助団体の多くが活動を停止したり、撤退をしている。
以前は、ほとんどの援助要員は彼らの機関の評判に頼ることができたし、兵士の良識が彼らを危険から守っていた。しかし、タリバンがジハード(聖戦)の対象を国内の復興に支援する全てのの援助団体に拡大したため、人道援助団体は活動のリスク、そしてそれは人の命をかけるほど価値があるものかを再評価している。
「治安状況は過去6ヶ月間で悪化してる。特にガズニ州ではひどい。」と国連アフガニスタン特別ミッション広報官Manoel de Almeida e Silvaはカブールで語った。「これまでに攻撃を受けた援助団体はこれらの地域では活動を継続せず、より安全な場所で活動を行うことになる。」
この撤退は深刻な政治的結果を生みかねないとMr.Almeidaは付け加えた。タリバンがもっとも活動的でmさらには5年に渡る旱魃が続くパシュトゥン民族が多数を占める地域であるアフガニスタン南部と南西部から援助機関が離れることで、地元住民はハミドカルザイ大統領を支持する理由もないと感じるかも知れない。そしてタリバンを代わりに暗黙の内に支援していくかもしれない。
3月の国際赤十字委員会代表のエルサルバドル人援助職員Ricardo Munguia殺害がタリバンの戦略の転換点とほとんどの人が記した。逃げることが許されたアフガニスタン人職員の赤十字ドライバーによれば、銃をもったタリバン兵はMr.Munguiaを車から引きずり降ろし、衛星電話で、タリバン司令官へ指示を仰いぎ、近い距離からMunguiaを撃ち殺した。
この殺害以降、12人以上の援助職員が殺害され、そのほとんどがアフガニスタン人で待ち伏せや不正なチェックポイントで殺されている。また一方で数十人が攻撃されたり、怪我を負ったりしている。死者はアフガン南部の町Moqorでデンマーク援助団体DACAARの井戸掘りに従事していたアフガニスタン人4人が殺害されたことで、9月始めがもっとも高い死者数となった。
これは多くの援助団体が活動を行う上でもっとも基本的な姿勢を問い直す状況である。すなわち中立という原理で安全を確保できるのか?
地雷除去グループに対しての攻撃はある意味大変驚くべきことであった。MDCへの攻撃も加えて、タリバンゲリラや共鳴者はアフガニスタン人によって運営されている団体ATCも同様に他の地雷除去団体をも攻撃した。
かつては地雷除去団体に同情的だったタリバン
タリバンの最高支配者Mullah Mohammad Omarはソビエト連合侵略後、大量に国内にばらまかれた地雷と不発弾の処理を行う彼らの作業を繰り返し賞賛していた。自身が地雷の被害者である多くのタリバン兵士が、地雷除去要員の警備をしていた。
しかし、タリバンは考えと、手段を変更したようだ。アメリカの資金を受け取ったり、アメリカが支持するハミドカルザイ大統領の政府を支援する活動を行う援助団体は全て攻撃をうけてしかるべきだと主張した。
今月、the Associated PressにFAXされた声明の中で、タリバンは新たな戦略を説明した。
「我々の政府は本当にアフガニスタンの発展を願うNGOで働いている人々に敬意を表してきた。しかし、また違った種類のNGOがある。彼らは名ばかりのNGOで実際は、アメリカのために働き、スパイ活動をしている。我々は彼らを攻撃し、アフガニスタンから追い出すよう全国のタリバンに指示する」と声明には書かれている。
しかしながら、NGOへの攻撃にそのような理屈があったわけではない。
援助要員と戦闘要員との区別があいまいになった新たな世界で、MDCは作業を続けていた。訓練された特別なベルギーシェパードを使いながら、アメリカと国連から資金を受けることの機関はこの9年間で1億平方メーターに渡って地雷を除去してきた。それらはほとんどのアフガン人が収入をえるための活動を行う都市部であったり、農業地域や牧草地帯であった。
前進を続ける
カブールのMDC本部ではMohammad Arif副所長は団体がこれからも恐れることなくアフガニスタンでの作業を続けることができると信じていると語った。
「私たちはアフガニスタンから地雷をなくしたい。そのために活動するつもりだ。」とMr.Arifは言う。「ほとんどの人々が私たちは独立していると知っています。私たちはタリバン時代も活動し、タリバンから安全を保障されていました。恐れはありません。なぜなら私たちはどんな政治家とも手を組まない。」
しかしこの独立性も8月18日に起きたワダック州での何者かによるMDCグループの襲撃をArifさえ、止めることはできなかったことを認めた。夜遅くの襲撃で、誰にも怪我はなかったが、襲撃者は車1台を燃やし、もう一台はロケットプロペラ手榴弾を打ち込み、3台目を盗んでいった。
「彼らは、地雷除去者である我々を攻撃しているというのには、私は本当に驚いた。」とMDCとともに活動する国連機関の地雷除去計画機関の地雷調査チームのリーダーMohammad
Azeem技師は言う。「これは私がこの仕事を14年間してきた中で直面するもっとも危険な状態です。タリバンは私たちを尊敬していました。彼らは私たちに食糧をもってきてくれたり、夜寝床を提供してくれたりしていました。今では私たちは怯えています。そして村の人々もまた怯えています。」
家族と国のために。
最近MDCに参加した若い男性のSaniullahは中央政府に「私たちが仕事を適切に行うことのできる安定した治安状況を」もとめると言う。
しかし、彼は一度も彼の仕事や、丈夫な若いベルギーシェパードOwenから離れようと思ったことは一度もない。「私は今までに辞めようと思ったことは一度もありません。ここが私たちの国です。ここにいるのは我ら国民です。私の義務をまっとうしなければなりません。」
Mohammad Sharifを仕事をやめるとすれば、唯一の理由は彼の妻であるという。「私の妻は私をとても心配しています。私は毎日彼女に、私たちは100%安全だと言っています。もしMDCに対して攻撃があったとしても、私たちはそのことを家族には告げません。」と笑顔で言った。
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