台風Haiyan後の緊急支援に取り組む若者達

台風Haiyan後の緊急支援に取り組む若者達
情報源:Women’s Refugee Commission
日付:2013/11/23
台風Haiyanの後、フィリピンの様子を伝える画像の多くには若い男女が被災した人々を助けるために集まってきているのが見られる。台風からわずか3日後のマニラ空港の仮設配給センターからの報告では、BBCが若い学生達にインタビューしていた。彼らは制服を着たままで、被災地へ送る緊急食糧を詰めるボランティアを夜通ししていた。その中には他の市からやってきている生徒も何人かいたが、夜遅くまで働いてそのうえで朝6時に起きて学校へ行くつもりだと多くの生徒達は言っていた。悲しい思いが動機となって、助けたいという衝動に駆られているのだと彼らは説明していた。
若者たちにうまく関わってもらえば、彼らのもつ才能と資源によって救援活動は大いに向上する。支援機関がフィリピンで緊急プログラムを立ち上げて仕事を始める時には、これらの若者達に率いられたものも含めた被災コミュニティによって行われる自発的、草の根的な救援活動を進めていくよう取り組むべきである。
それと同時に、国際援助団体は若い男女を安くて危険な仕事をする労働力として不当に扱わないようにすることが大切である。
両親との離別、学校生活の突然の途絶、貧困と不安定な生活の増大などによるこの危機的状況において大変な危険にさらされているにもかかわらず、彼らは重要で建設的な貢献をしようとしている。彼らの持っているたくさんのつながりや、ソーシャルメディアやモバイル機器などについての知識でもって情報を広め、不明になっているコミュニティの仲間の消息をたどり、仲間を動員するということで彼らは重要な資産となり得ている。若者達は自分のコミュニティの子供や若者のニーズに対する計り知れないほど貴重な見識を提供してくれる。その中には、障害のある若者、暴力や搾取の危険のある少女達、強盗団や犯罪活動に引き入れられる危険のある少年達など、言い換えれば救援活動のなかで取り上げられないかもしれないもっとも危険な状況にある人々も含まれている。
どの人道主義的な災害支援においても、若者達は救援活動に参加し、もっと言えば活動を引っ張ってきた。2004年のインド洋津波の後は、若者達がUNICEFに加わって仲間や隣人達の心理社会的なサポートを申し出たり、被害状況の調査をしたり、学校やコミュニティの再建を手伝ったりした。2010年のハイチ地震の後には、ボーイスカウトががれきの下に閉じ込められた人を助け、生存者のためにテントを立て、コレラ予防の教育を人々に行い、避難所の子供達に対してレクリエーション活動をした。そして2009年のイタリア地震の時には、若い赤十字のボランティアがクラウンセラピーを用いて、自分達より小さい子供達がゲームや笑いを通して感情を表現できるように働きかけた。これらの支援は、時にはボーイスカウト、ガールガイド、YMCA/YWCA、赤十字・赤新月社などの既存の若者の組織やネットワークを通じて行われる。しかし若者達が自分達で組織したり、個人的にボランティアを申し出たりすることもたびたびある。
災害や緊急時は若者達に新しいスキルを学び人間個人として成長する機会を提供してくれる。救命技術、応急処置、公共衛生促進、疾病予防などの訓練を被災した若者達にすることは、より広範なコミュニティに向けての利益と同じように若い男女にも大きな利益をもたらすことになる。この前向きな取り組みは、若者を「トラブルメーカー」としてとらえる誤解を払いのけ、世代間の前向きな関係を発展させていくことの助けとなりうる。
国際支援機関は台風Haiyanの後のフィリピンで湧き上がった若者の自発的な新しい取組みを無視しないでほしいと我々は願っている。その取組みで彼らは、若者と協働してニーズを調査しそれへの対応を計画しようとしている。また地元のコミュニティがすでに始めていることを進めていこうとしている。そしてもっと貢献するよう若者達を力づけるためのリーダーシップとスキルの訓練を提供しようとしている。
このような方法で若者へ投資することは、フィリピンのように災害の多い地域に重要な災害リスクの削減への投資にもなる。
原文URL:
http://reliefweb.int/report/philippines/engage-youth-emergency-response-typhoon-haiyan
翻訳:Y.Kさん