ハイチの女性について

情報源:United Nations Development Fund For Woman(UNIFEM)
日付:2010/7/30
2010年1月の巨大な地震でハイチでは20万人以上が亡くなり、150万人が家を失ったとみられている。も
っとも被害を受けたのは、ポルトープランス、レオガン、プチゴアーヴとジャクメルで、インフラの広範囲にわたる崩壊と、避難所、電気、水道、交通、保健、治安などの基本的なサービスまでもが破壊されたという特徴を示していた。
女性は特にこのような災害で影響を受ける。貧しい家の状態のため死者のおよそ三分の二が女性であると、いくつかの指標が推定している。仕事、資本、そして経済力の大いなる損失は破壊的な地震に起因していた。自然災害の時、避難所や治安の不足から女性や少女には暴力、特に性的暴力の危険が増大する。現在、災害後6カ月たっても多くの人々がむさくるしくシートでできた一時的な避難所にいて、常に暴力の恐怖にさらされている。女性達は照明のない便所を共同で使わなくてはならず、公衆の面前で入浴し、家族との連絡が取れないのにもかかわらず見知らぬ人の隣で眠ることを強いられている。
正確な情報
女性はハイチの人口の52%を占め、家族の生存を確実にする大事な役割を果たしている。地震の前、政治的に不安定だった十年間においても、蔓延する貧困と男女不平等は女性の権利と安全に対して重い打撃を与えていた。家庭内暴力と性的暴力は高い率で国中に蔓延している。
‐2006年の国勢調査によると、三人に一人の女性が暴力を経験していた。
‐HIVとAIDSの率はこれらの事柄についての文化的なタブーと同様に高い。
ハイチの女性達は子供や他の扶養家族の面倒を見るという過度の負担をも負っている。
‐約45%の家庭で女性が家長となっている。
‐ハイチの非識字率はラテンアメリカやカリブ海地域においては一番高い。
‐UNDPの2009年人間開発報告によると、成人女性の識字率は64%という。
多くの女性達は公的ではない職場で雇われ、男性の半分以下の収入しか得られない。
‐UNDPの2009年人間開発報告によると、ハイチ女性の年収は626US$、それに対し男性は1,695US$
‐ハイチ女性は主に農家か小規模の実業家か市場の商店かの仕事をしている。
‐地震によって経済的活動が機能しなくなっている女性の小規模な農家や実業家に対する資本やその他の援助がもっとも重要である。
‐地震後の初期復興段階においてキャッシュフォアワークやフードフォアワークなどのようなプログラムによって約20万人の雇用が供され、そのうちの35%が女性であった。
‐もっと多くのことをしなければならない。急を要する必要性としては、経済活動を再開するための仕事の創出に取り組むということがある。特に家長となっている独身女性に焦点を当てる必要がある。
カリブ海諸島での厳格な性別役割や不平等はしばしば女性が政治的な意思決定に参加するのを阻止したり、性による暴力の危険性を増大させることになる。
‐ハイチの国会議員のうち女性は5%以下である。
‐公共の場での暴力は、公の生活に十分参加し貢献するという女性の能力を損なわせることになる。
‐多くの女性は政治的な活動に参加することは危険な行為だと思っている。
原文サイト:reliefweb.int