1,000人を超える死者を火葬するチベットの人達
情報源:Reutersより抜粋
日付;2010/04/17
中国北西部の地震被災地で土曜日(17日)合同火葬によってチベットの人達は死者を弔った。
ここではほとんどの住民がチベット族で、独自の仏教の宗派を熱心に信仰している。
何千人もの人達が丘の上の火葬場に集まり、そこにはトラックの車列が地元の主となる寺院に安置されていた数百もの遺体を運んできていた。
深紅色の僧衣を着た僧がヤクの油と木や古タイヤで覆われた遺体の山に火をつけた時、多くの人々は泣き、お経を唱えていた。穴の上に炎が上がり、まっすぐたち上る煙が空へと送られていく間、何百人もの僧達はブーンという音に聞こえるお経を唱えた。
「人々はこれから長い間たいへん悲しい思いをしていくだろう。」と群集の中にいたDashiという中年の地元男性は言った。「チベット族はこのような災害をこれまで2,500年の間に経験したことはなかった。」
地震後、何千人もの仏教僧達が救命や復旧のために急いで駆けつけ、葬儀に集まったチベットの人々は彼らの働きを誇らしげに語った。
『鳥葬』
火葬の前に何人もの僧達は丘のより高いところで小さな『鳥葬』を見守っていた。それは遺体の一部をハゲタカに食べさせるものだ。そのハゲタカはその後の火葬の火からうねるように立ち上った煙の中を、輪を描いて飛んでいるのがみられた。
翼の幅が2メートルもあるハゲタカに体の一部を与えた遺体は地震で崩壊した家のなかで亡くなったおじのSuonaで、この儀式にたいして家族はお金を払ったと、Zhaxiというチベット族の男性は言った。
「もしできるとするなら、鳥葬は最善で最も純粋な方法だ。われわれの伝統が望んでいるのはこれなのだ。」とZhaxiは言った。
火葬を司った僧は1300の遺体をこの火葬で荼毘にふしたと語った。
ぐしゃぐしゃにつぶれた建物の下にまだ埋まったままの人達もいる。土曜の朝に何人かの人は瓦礫の下から生存した状態で引っ張り出されたと報道された。
玉樹の人々にとって葬儀は生活を再建しようと奮闘する中でのつかの間の出来事であった。
住民達と兵士と警察の救助隊も僧達と同様に崩れた家を丹念に調べ、死者や生存の可能性のある人を探し、それと同時に、テントや寒い屋外での生活を少しでも楽にするようなこまごまとした身の回りの品も探した。
よき輪廻
土曜の夜が明けてすぐ僧達は何百もの遺体を12体くらいずつトラックに積み、町の丘陵地帯にある合同火葬場に運んだ。
この儀式は優しさと感情を考慮しない現実的なものとが混ざったものだった。
僧達は布で包まれた遺体をトラックの荷台に横たえた。そこではそれらの遺体はまるで使い古された寝具の束のようだった。そして僧と住民たちはその上に座って、遺体が火葬場へ入れられる時祈りを捧げた。
「この祈りは彼らがよき輪廻を得て、苦しみから解放されるよう願うものだ。」と、この葬儀のためのトラックの一台を運転するボランティアをしているGansong Getaiという地元の役人は言った。
葬儀の群集はチベット族社会のあらゆる人達の行列だった。それは屈強な僧達であったり、日に焼けひび割れた顔をした遊牧民であったり、バイクに乗った長髪の若い男性であったり、役人であったりして、警官でさえも祈りをつぶやいていた。
警官はその場にいたが、群衆への対処はしないまま、深紅色の僧衣を纏った僧に遺体を渡していた。
「我々は皆チベット族、我々は皆同じ人間。」と地震の救援のために玉樹へやってきたチベット族の僧Laojiangは言った。彼の手は生存者を探すために瓦礫を掘って血にまみれた包帯に覆われていた。
「私はとても悲しいけれど、我々の最高の精神を示せたと感じている。」
原文URL:reliefweb.int