フィリピンー地滑り:赤十字、赤新月社、救援から復興へ

南レイテの漁村Guinsaugonを飲み込んだ地滑りから2週間経ち、死者154人、行方不明者972人に及んでいる。犠牲者の捜索は2月27日に打ち切られ、フィリピン赤十字社(PNRC)、国際赤十字社、赤新月社は災害によって家を失った人々の救援に活動を移している。
2月17日に発生した地滑りでおよそ410人が助かったが、5900人以上が降り続く大雨とさらなる地滑りの危険のために自宅を退去させられ避難センターで生活している。国際赤十字社の援助を受けPNRCは被災者や避難者の復興へ向けて心のケアにつとめ、食物や一時避難所を供給している。
PNRCは数ヶ月にわたって避難所建設用具、水浄化剤、調理コンロ、蚊よけネット、石鹸や歯ブラシを含む衛生用品を供給する予定である。将来の災害に備えての防災対策と地元赤十字支社の活動を後援することにも重点を置いている。加えて地滑りの発生した日に国際赤十字社が要請した200万スイスフラン(128万ユーロ/152万USドル)にも力強い支援を受けた。
南レイテには現在10の避難所があるが、Christo Rey高校もその一つであり800人以上の人が住んでいる。フィリピンのどこにでもある高校と同じだが、ただ一つ違うのは外に“フィリピン赤十字社災害援助対策本部”の横断幕が貼り出されている。
建物の中では、避難者が教室の床に手足をのばしており、Leonida Cataloniaさんのような地域ボランティアが寄付された衣類の入ったかばんを次々と開け、男性用、女性用、子供用と仕分けしている。
「あの金曜日はいつも通り始まりました。」災害前には英語教師だったLeonida Cataloniaさんは語った。「教師達は最終試験の準備をしていましたが携帯電話にGuinsaugonの大災害を知らせるメールが入ってき始めました。多くの生徒たちが両親、兄弟、姉妹のことを思って泣きました…そして最後には悪い知らせだけでした。」
地域の他の避難所と同様、PNRCのボランティアも水、氷、米、麺、缶詰食品、ビスケットなどをを配っている。列を作って辛抱強く待っている人々の中に90歳のHilario Piaさんがいる。彼はGuinsaugonに住んでいたが、今は全てを失って悲しみ苦悶している。
「妻も、息子も、娘も、孫も…みんないなくなった。」目に涙をうかべて語った。「8人の親族を失った。とても悲しくて眠れない…一人ぼっちだ」
Hilarioさんのような被災者や避難者は悲しみにくれながら今後どこにいけばいいのかという問題に直面している。家族、友人、家、生計手段を失い、行動をおこそうとする気力はくじかれ不幸に打ち勝とうとするのはほとんど不可能である。地方の役人と救援機関の間ではGuinsaugon村をどこに移転させるかという話し合いがもたれている。
「この地域では危機を軽減することが必須である。」フィリピン赤十字社の対策本部長、Raul Garganera氏は語る。「南レイテは災害に見舞われやすいが人々はさらなる危険にさらされるべきではなく、防災対策につとめなければならない。」
Raul氏は防災対策には地方支部の収容建物、救援労働者の訓練、適所にシャベル、ロープ、ゴム長靴などの用具備蓄、交通手段の確保が含まれると指摘している。
地滑り後の最初の救援を振り返ってみると、破壊の規模と危険な状況のなかで勇気のある救援活動であった、とRaul氏は語っている。
「フィリピン赤十字社の地元支社のおかげで地滑り後3時間以内に人々を救援することができた。そしてこのことは地域に基盤を置いた災害対策がいかに重要であるかを示している。」
原文URL: http://www.reliefweb.int
情報源:国際赤十字社、赤新月社(IFRC)
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