アフガニスタン:女性の、政治的権利の躍進

少なくとも64人の女性が、来月、国の憲法を形成する国民議会(ロヤジルガ)に参加する。
クリスチャン・サイエンス・モニターの記者、Ilene R. Prusherの報告
ロガール、アフガニスタン-ある晩、彼らはNafesa Bahaのドアに手紙を差し込んだ。それには「警告。もしあなたが、暫定政権に女性を選出するようなことを続けるのなら、あなたがターゲットになる。」
しかしBana氏は、やりとげなければならないと、戦いに挑むと決心した。このような脅しに直面して、彼女は今週新しい種類の選挙、女性の為だけの選挙を指揮した。来月カブールで開催されるかなり保守的なロガールで、二人の女性がロヤジルガ(アフガニスタンの憲法を形成しその将来を決定するであろう国民大会議)で、地域の代表として選ばれた。この木曜日でイスラム教の原理主義的な解釈から女性や少女たちに対し、家にとどまり、全身を覆うブルカを身につけるよう強要していたタリバン政権が崩壊してから、2年になった。2年の間に、このような制限はゆるくなったが、完全になくなってはいない。首都から1時間半南のこの州では、この厳重に警護された投票所に現れた全ての女性は、ブルカを身にまとっていた。もっとも彼女たちは投票所に入ったとたんポリエステルの青い覆いを、まとってはいたが。中には、選挙に参加するために家族に嘘をついてきた、という者もいた。
ロガール州の憲法制定のためのロヤジルガの女性部門を率いるBahaは、地元の軍事司令官にその脅迫状を持っていったと言っている。彼は彼女にカラシニコフ銃を与え、送り返した。
「私は夜家の周りをパトロールし、安全のためにそれを携帯します。」とBahaは、深い褐色の肌に対して目立つ歯を見せてにっこり笑いながら言う。「私は、たとえ彼らが私を殺そうとしても、これを何としても続けます。」
重要な指標
女性がロヤジルガに選ばれることに直面する明らかな困難を回避することをロヤジルガが女性だけの選挙で女性だけに投票させるという考えを基としている。12月10日に召集されるロヤジルガでは、アフガニスタンの将来の政府や裁判のシステムがどうあるべきかを決定する意義があるという意味で、真の政権交代の重要な指標となる。
先週公表された憲法の草案は、イスラム社会と民主主義の間の調和を見出そうとしたものであるが、女性たちがよりよい地位を得ることを保証するところまではいかない、と人権派は言っている。
「新憲法では、男性はまだ4人の妻を持つことが認められているが、私たちはそれを禁止にしたい。」と、前回のロヤジルガへの代表団であったNijiba Saidは、一部の女性たちが変えたいと思っている問題のひとつとして挙げた。
他には、離婚や相続といった問題に関する平等の権利がある。
500議席のうち少なくとも64議席は、女性のために確保されており、アフガニスタンの32州から女性が2人ずつ選出されることになる。しかし女性は、一般の選挙でも選ばれる可能性があり、更にハミッド・カルザイ大統領によって、50議席指名される。女性は半遊牧のKuchis族や在パキスタン・イラン難民のような少数派のために確保されている、他のカテゴリーでも選出される可能性もあり、100人近い女性たちが参加できるかもしれないという期待が女性グループの間であがっている。
狭い参加層
といっても出馬するものは、むしろ社会の極わずかな人口層である。ロヤジルガに選出されるのは識字者だけかもしれないし、とするとそれはアフガニスタンの女性の約10%に過ぎない。
選挙に登録をすることを依頼された女性は、非政府組織の援助団体のリーダー、あるいは学校の先生や校長だった。彼女らの間でさえ、参加するのに苦労した者や、夫に告げずにその問題を避けた者もいた。
「私はカブールでロヤジルガに参加したい。でも私の家族が許さない。」と、3年生の先生であるRosia Abassyは言う。「彼らは今日ここに私が来るのを許してくれたので、今朝学校に教えに行くふりをした。」
当地の選挙には予想を下回る約60人の女性が参加しただけだった。視察に来た国連の職員によると、200人以上いた州もいくつかあったという。
しかし、タリバン勢力やその他の原理主義のグループが勢力を回復していると言われている地域ほど、女性たちが投票するのは難しい。
はるか南東部のパシュトゥン民族が多数を占めるパクティカ州では、「ここでは、選挙に登録している女性は一人もいない。」と、アフガニスタン全土での女性のための選挙参加をすべて調査しているFirouza Nawabiは言う。「ここでは11月3日に選挙を行う予定だったが、女性は一人も参加しなかった。」
他の地域でも問題が起こっている。委員たちはまだ、カブールの北部のパルワン州で有効な選挙を行うために奮闘している。タリバン勢力の打倒をアメリカが支援した北部連合市民軍の中核地であるパンジシール地区からの女性は、先週の土曜日の選挙には誰も来なかった。
「モスクでムッラーが、女性は選挙に参加できないと宣告したのです。」と、じゅうたんの上に集まった女性に選挙の基本原則について説明する前に、Nawabiはため息をついた。
彼女たちはまだ祝賀のキスをしている中、ブルカがかばんから取り出され、すばやく頭からすっぽりと再び着用された。投票者たちはブルカをはためかせながら、家に帰って行った。
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