ハリケーン・カトリーナによる被災者に対する調査は、680人のデータに基づいている。彼らはヒューストン総合公園(Houston Reliant Park Complex)、George R. Brown コンベンションセンター、ヒューストンとその近郊にある5つの小さな赤十字の避難所にいる18歳以上の人々の中から、無作為に抽出された。インタビューは 2005年の9月10日から12日にかけて、直接対面式で行われた。全体の誤差の範囲は±4%であった。調査はワシントンポストとカイザー・ファミリー財団、ハーバード大学公衆衛生学部によって行われ、共同で分析された。インタビュアーはヒューストン在住でカイザー財団と ICR/International Communications Researchのスタッフの監督下にある28名の専門家によって行われた。その際、ヒューストンのワシントンポストのスタッフからの情報も使われた。赤十字はインタビューチームに多くの施設でのインタビュー許可を与えたが、共同調査を行ったわけではなく、ここで発表されている調査結果に対する責任も負わない。
アメリカ: ヒューストンで行われたカトリーナによる被災者の調査から、彼らの半数が自宅で三日以上救助を待ち続けるという窮状にあったことがわかった。多くの人は健康に慢性的な問題を抱えているうえに、健康保険に加入していなかった。避難できなかった人々の38%は身体的に逃げることが不可能で、かつ一級身体障害者として介護を受けていた。
マサチューセッツ州・ボストン
ハリケーン・カトリーナとその後発生した洪水によって生活を破壊された人々が意見を訴える機会を作るために、ワシントンポスト紙とカイザー・ファミリー財団(Kaiser Family Foundation)、ハーバード大学公衆衛生学部は独自にヒューストン地区の避難所にいる被災者たちの調査を行った。3分の1(34%)の被災者は自宅に取り残されて救助が必要だった。取り残された人々の半数(50%)は救助されるまで3日以上待ち続けた。
ハリケーン・カトリーナの被災者の10分の1(14%)は、台風やその後の洪水によって家族や隣人・友人を失った。半数以上の人(55%)が家を破壊され、さらに、5分の2(40%)の人々が一日のほとんどを路上や陸橋などの屋外で過ごした。13%の人々は近くにいる家族がいまだに行方不明である。この調査から、ヒューストンの避難所にいる被災者が、復旧作業や救援を困難にする深刻な健康問題に直面していることが明らかになった。
健康に関する主要な調査結果は以下のとおりである。
- 52%の人々は、ハリケーンによる被害をカバーする健康保険に入っていなかった。保険の34%はメディケイド(低所得者医療扶助)であり、16%はメディケア(高齢者・障害者医療保険)であった。ヒューストンの避難所にいる人々の66%は、ハリケーンが来る前は総合病院と診療所を主な治療先として利用していた。それらの人々の大多数(54%)はニューオリンズの慈善病院を利用しており、実質二番目に多いニューオリンズの大学病院はたった8%であった。
- 33%の人はハリケーンによって負傷しているか健康に問題を抱えており、そのうちの78%は現在、栄養病気に対して治療を受けている。
- 41%は心臓病や高血圧、糖尿病、ぜんそくといった慢性的な健康問題を抱えている。
- 43%の人は処方薬を摂取する必要があるが、そのうちの29%の人は必要な薬を手に入れることが難しい。
- 61%の人が、ハリケーンが来る前に避難を行わなかった。そのうちの38%の人は身体的に避難ができないか、避難できない人を介護しなければならなかった。
- 39%の人々は、洪水や避難生活の間、政府系機関やボランティア団体から何の援助も受けていない。
この調査計画はハーバード大学公衆衛生学部の、保健政策と政策分析が専門のRobert J. Blendon教授が共同監督を行った。彼は以下のように述べている。“人々が政府機関やボランティア機団体などから何の助けもなく、何日間薬や食料・水なしで過ごしていたのかという事実は衝撃的だ。避難していない人々の多くは劣悪な健康状態にあり、ひどい状況だ。そもそも、多くの人は身体的に避難ができなかったと言っている。”
この調査によると、98%の人がニューオリンズ地域から避難してきていた。ヒューストンの避難所にいる、この悲劇を生き抜いた被災者の圧倒的多数(92%)が、宗教がこの2週間を切り抜けるための重要な助けになっていたと答えた。
調査全体とその方法とワシントンポストの記事へのリンクがオンライン上で利用可能である。
より詳しい情報は以下まで。
Harvard School of Public Health
Robin Herman
rherman@hsph.harvard.edu
(617) 432-4752
Kaiser Family Foundation
Contact: Craig Palosky
CPalosky@kff.org
(202) 347-5270
原文URL:http://www.reliefweb.int
情報源: ハーバード大学
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