昨年12月22日にインドネシアのスンダ海峡に浮かぶ火山島アナク・クラカタウが噴火した。噴火によって島の3分の2が崩落したことで津波が起き、ジャワ島西部とスマトラ島南部に大きな被害を出した。
2006年のジャワ島中部地震以降、CODEと共に被災地支援を担ってくれているエコ・プラワットさん(デュタ・ワチャナキリスト教大学教授)に紹介していただいたMaschahyoさんとその仲間たちと共にジャワ島最西端の被災地に向かった。
首都ジャカルタからBanten州州都Serangまでバスで2時間、そこから建築家仲間の運転で悪路を夜を徹して走ること5時間、最大の被災地Banten州Pandeglang郡Sumurに入った。被災地Banten州の海岸線約150kmが延々と津波の被害をうけている。中でもSumurの被害は甚大で、この津波で犠牲になった430名のうち、200人以上がここで亡くなっている。
この地区最大の港のあるSumberjayaでは、1ヶ月前に建てられた海上警察の二階建てのビル以外は跡形もなく倒壊している。訪ねた時、そのビルで政府が被災者に食糧や衣類などの救援物資を配布していた。ここは大半の人が漁業で生計をたてているが、ボートだけでなく、Baganと呼ばれる採った魚を集める筏も津波で被害を受けている。
被災した漁師さんに話しを聞くと、「ここには住宅は建てられないよ。500mくらい内陸で移転するだけだから、まだいいけどね。」と語っていた。他の地域では、海から離れた山の仮設で暮らしている人も少なくない。(吉椿雅道)
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