【写真】国際会議の様子(タイ・クラビー、9月26日) |
9月26日 アジア津波国際会議
いよいよ今日は国際会議当日。クラビー県知事のあいさつから始まり、午前中は全体的な被害状況や復興課題について大学教授やNGOリーダーから説明があり、その後で、インド、インドネシア、スリランカ、モルディブからの出席者からそれぞれの国の被災状況について発表があった。
午後からは日本国際ボランティアセンター(JVC)代表の熊岡路矢さんのコーディネートで、日本の奥尻、神戸、長岡からの出席者がそれぞれの経験について発表した。これは災害大国である日本の災害とその復興活動を紹介し、スマトラ沖地震津波で被災した国々の長期的で持続可能な復興を見据えて、日本が持っている教訓を提供することが目的である。
まず、奥尻から奥尻消防署・消防士の三浦浩さん、そして神戸からCODE理事・事務局長の村井、最後に新潟から長岡市国際交流センター・センター長の羽賀友信さんがそれぞれの立場から経験談や教訓を語った。その結果250人以上の聴講者が1時間半の間、熱心に日本の経験を聞き入り、時間制限はあったものの多くの質問が出た。前日、タイの被災地を実際に見て、日本の経験をどのように伝えるか(どのような教訓をタイの人が必要とし、どの教訓がタイで生かされるか等)について多少不安はあったが、聴講者の反応から確かな手ごたえが感じられ、日本の経験に対する関心の高さを感じた。
【写真】神戸の写真を見るタイの被災者 (タイ・クラビー 9月25日) |
今回の会議の参加をとおして、日本の経験・教訓を伝えることの意味は2つあるように思う。まず1つは精神的に心の共有をすること、そして2つ目は手法的に日本の教訓を伝えることである。
1つ目の精神的な心の共有は、国や民族は違っても同じように災害を経験した人と人が、心を通わせることにより、苦しみが軽減されたり、動機付けされたりするということ。これに関しては、会議の後で聴講者が話しかけてきて、発表を聞いて災害時のことを思い出し、自分の身近にいる人を大切にすること、命を大切にすることを学んだという話を聞いたので、国や災害は違っても多くの人が同じ感情を共有することができたと思う。
2つ目の手法的に日本の教訓を伝えることというのは、日本の被災地の事例(課題や対策)をもとに、他の被災地でも、その地域の特性に合わせて応用することができるのではないかということである。これに関しては、会議という限られた時間を越えて、1人1人の聴講者が発表から何を学び取り、今後どのように実践していくかによるものである。今回の会議に留まらず、今後も各被災地がお互いに学びあえるような関係を続けていきたいと思う。
明日の最終日は会議で話し合ったことを元に提言(宣言)を作成し、記者会見で発表する。短い期間であったが、今回の会議のように国を越えて情報を交換し、お互いが学びあう場の必要性を強く感じた。
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