「四川フィールドワークを実施しました!4」
2018年度後期のCODE未来基金のフィールドワークで神戸大学の学生4名が、四川大地震(2008年)の被災地を訪れました。今回の企画者の西本楓さんは、「食による村おこし」をテーマにして、医食同源の息づく中国で、被災者に料理を学び、少数民族の食文化に触れました。また、観光復興の現状を知り、自分の目で現場に立ち、自分の頭で考え、現地に寄り添うという事を学びました。複数回に分けて参加した学生たちの感想文をお届けします。(吉椿雅道)
四川フィールドワーク感想 神戸大学国際人間科学部2年 西本楓
わたしはもともと食育に興味がありました。 そこで、医食同源の考えがあり、豊かな食の伝統を持っている中国・四川で、食を学び、それを現地に生かす体験をしたくて、 CODEが支援している光明村で、食を通じて観光復興をお手伝いする企画を作りました。 でも実際行ってみると、日本で想像していた状況とは違っていました。 時期的な問題で、活動センターは使われていなかったし、住民の方々の観光への意識はとても低いものでした。 企画者だった私は、そんな状況を見ても、日本で企画したものを実現しなければ!という思いが強く、強引な考えを持ってしまっていました。 でも、その日のミーティングで、他のメンバーの意見を聞いてそれは良くないということに気づきました。ちゃんと、その村にあったことを、小さくてもいいから進めていくことが大事だということを知りました。 フィールドワークの中でインタビューをしていく中で、CODEの支援について気づいたこと2つあります。 一つ目。 ある観光地で働いているおばさんは怒っていました。その怒りの1つの原因は、政府やボランティアが配布している支援品が自分に回ってこないことでした。 その方は、夫と二人暮らしで当時は子供もいませんでした。 しかし、実際その家庭は貧しく、薄い布団しか持っていなかったとのことでした。そのような家庭は、支援に漏れることがあると言います。 表面上の肩書きを知るだけだとわからない大変さ、や、状況があることを痛感し、吉椿さんをはじめとしたCODEが行なっている、1人1人の名前を呼びかけ、話を聞こうとする姿勢の重要さを知りました。 2つ目。 光明村に着いて、インタビューを行なっているうちに、浮き上がってきた問題は震災独自の課題ではなく、平凡な村が持っているよくある問題だと言うことに気づきました。 もう震災の傷跡は当時に比べてほとんどないように感じました。それなのになぜまだ10年経った今もCODEが支援するのか、わからなくなりました。 CODEがどんな団体か、わたしが吉椿さんの話を聞いていて、支援している光明村をみて思ったことがあります。 私たちがここにやってきたのも、ここで震災があったから、吉椿さんとこの村の人々が出会ったのも震災がきっかけだということ、 私たちはここで中国の魅力的な文化や知恵を学んでいるということ それを帰国した後こんな風に日本で報告すること,、 わたしはずっとCODEは災害支援をしている団体、と思っていたけど、CODEは震災をきっかけにして、世界と日本を繋ぐ団体でした。 最後に、 中国でこのような貴重な体験ができたのも、支えてくださっているサポーターの方々、現地で一番お世話になった吉椿さん、のおかげです。 本当にありがとうございました。