四川大地震救援ニュースNo.149/CODE未来基金ニュースNo57

「四川フィールドワークを実施しました!3」

2018年度後期のCODE未来基金のフィールドワークで神戸大学の学生4名が、四川大地震(2008年)の被災地を訪れました。今回の企画者の西本楓さんは、「食による村おこし」をテーマにして、医食同源の息づく中国で、被災者に料理を学び、少数民族の食文化に触れました。また、観光復興の現状を知り、自分の目で現場に立ち、自分の頭で考え、現地に寄り添うという事を学びました。複数回に分けて参加した学生たちの感想文をお届けします。(吉椿雅道)

「なにげないことが皆にとっての幸せ」 神戸大学経済学部4年 久保陽香

「なにげないことが皆にとっての幸せ」 この言葉は村の人々の役に立てずもやもやしていた私を助けてくれた、吉椿さんの言葉です。 3月22日〜30日の9日間、中国四川省を舞台に「食と村おこし」をテーマに震災について学び、光明村で観光復興支援に取り組みました。正直、光明村に観光復興のためのなにかを残せたとはいえません。しかし、それ以上の学びとかけがえのない仲間に出会うことができました。 中国四川省での毎日は、刺激が多くてすごく楽しく充実していました。しかし一方で自分が震災について無知であることに恥ずかしさや、食と復興支援の結びつきをなかなか見出せないことに焦りを感じていました。そして四川大地震の震災後地や復興事例を見学したり村の人々と話したりしていく中で、 “復興支援”というものがどんどん分からなくなっていきました。 どうしたら住民が主体的に動けるのか?しかし政府が反対したら全て終わりなのか?そんな状況で村の人を巻き込んでいいのか?そもそも観光復興する必要はあるのか?そもそも支援とは何なのか? “復興支援”などと一言で表現してはならないほど、政治・環境・貧困・経済など様々な要素が絡み合い複雑なもので、果たして自分たちができることがあるのかとすごく不安が募って生きました。そんな時にふとミーティングで吉椿さんがおっしゃった言葉が、 「気負わなくていい。何気ないことがみんなにとっての幸せなんだよ」 というものでした。この言葉を聞いた時、涙が湧き出てきました。私は、一番大切なことを忘れていました。目に見える成果を求めすぎて、それに執着しすぎて、本当の意味で村の人々の幸せを考えられていなかったことに気づきました。それから肩の荷が降りた気がして、ただ純粋に、「光明村の方々のことを知りたい、もっと仲良くなりたい」という思いで一緒に食事を囲み、食のことも震災のことも恋愛のこともたくさん話しました。そうやって仲良くなる中で、どんどんみんなへの愛も大きくなってきて、やはり彼らの人生の中で大きな転換期になった“震災”に関しても、もっと勉強したいと思うようになりました。 この9日間、予想以上にうまくいかないことも多かったけれど、だからこそ想像以上に学びも沢山あり、そしてこれから自分の人生に大きな影響を与えてくれるものになりました。自分の課題や大切にしたいことにもう一度向き合うことができ、そして私はこれからも“人と人との繋がり”を大切にして生きていこうと思いました。

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