【中国四川省地震救援ニュース】No.130 第3回日中NGOボランティア研修交流事業の感想 No.1

NGOや災害ボランティアにかかわる6名の若者と四川大地震(2008)の被災地を訪問し、被災地の視察や被災者との交流、現地NGOとの学び合いを行いました。日本同様に災害大国である中国。CODEは、国を越えて災害時に市民レベルで支え合う関係を作っていくと同時に、将来のNGOを担う若者を応援しています。この事業に参加した若者の感想文をお届けします。(吉椿雅道)

【研修に参加して 岸本くるみ】

 今回ご縁あって研修に参加させていただき、ボランティアスタッフとしてお邪魔していた頃から事務所やニュースレターで何度も聞いてきた「四川」を訪れることができました。当然ながら、プロジェクトの報告で語られていた通りの世界が、そこにありました。それを見られただけでも、十分に感動的でした。支援先の光明村では、スタッフの方々が久しぶりに会う親戚のように迎えられていました。しかしすぐに仲良くなったわけではなく、震災後たくさんの日本人ボランティアが訪れ、倒壊した建物から瓦礫を運び、レンガを丁寧に取り出す作業を続け、少しずつ信頼を得ていったと聞き、驚きました。村の方々の関係性も、瓦礫を片づける作業も、自然とそこにある/あったと笑顔で語られるのは、お互いを思いやりながら積み上げた証に見えます。村の方から「朝起きて瓦礫を見るたび、生きる気力がなくなる。けれどボランティアが来て作業をしてくれて、元気がでた」というお話を聞いたとき、単に作業を引き受けるのではなく、一緒にやろうとそばに立つことが力になるんだと知りました。自分の未来を自分より信じてくれる存在がいれば、自分もやらないといけなくなります。

研修において自分のテーマは、四川の大地震が現地の人たちにとって、どんなものかを知ることでした。倒壊した中学校を地震遺跡として残している場所では、衣装を着たガイドさんがお客を案内し、観光客が写真を撮り、周辺ではお土産が売られていました。早くから商売するための屋台が集まってきたという話を聞き、頭に浮かんだのは、戦争中でも市は立つという言葉でした。自然災害でなくとも、辛いことや衝撃的なことは起こります。それでも各自の人生は変化しながら続いていきます。尋ねるまでもなく、大地震はまちと人の経験のひとつとして、今の様子をつくっていました。自分にとっての阪神・淡路大震災の体験も、人生の体験のひとつだと思っているのと同じでした。大きなこともちいさなことも、意識なく積み重なって常に変化する今の自分があります。光明村の状況も変化し、CODEの支援で建てられた老年活動センターも新たな活用を考える時期になっていました。課題も出ていましたが、変化も一緒に見つめられています。それはまた、新しい希望や面白みになるように思いました。

安全教育のシステムを作っているNGOとの交流では若いスタッフさんたちに日本の防災教育の教材を紹介しましたが、準備の段階で学生時代から触れてきた防災ってなんだろうと考えはじめていました。チャン族の伝統集落を見学したときも同様ですが、出逢った皆さんは自分たちのことを誇らしく語り、いのち、アイディア、土地、伝統、文化、たくさんの人がそれぞれ何かをまもりながら暮らしています。みんながそっと自分のまもりたいものをまもれていること、その安心への動きを私は何でも「防災」と感じていることに気づきました。当たり前のように、たくさんの人が暮らしていることに勇気をもらって、未来にも人にも前向きな興味を寄せています。貴重な機会をありがとうございました。

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四川のNGOと防災教育交流                                                      地震遺跡で追悼

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