【四川省訪問レポート(学生編)】No.2

昨日に続き、「若者ポスターセッション」で最優秀賞を取られ、CODEプロジェクト地の四川省を訪問している
後藤早由里さん(神戸大学4年生)のレポートをお送りします。
後藤さんたちの「KOBE足湯隊」チームによる発表は、インドネシア・ジャワ島のムラピ火山災害を想定した
「火山とともに生きていく」というものでした。自らの足湯ボランティアの経験をもとに、「外部の人が入っていくときはまず信頼してもらうことが大切」、と後藤さんは言います。
生活用水の確保にはじまり、モスクでの内職づくり、防災教育と様々なアイディアを取り入れた発表に、
「相手を思いやる想像力にあふれたプレゼン」とコメンテーターの方を唸らせていました。
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四川省訪問レポート 3月15日 
(2)光明村
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光明村に着いて、書記さんのお宅でお医者さんと書記さんと村長さんと昼食をごちそうになった。そこまでの道沿いには、すっかりきれいな白壁の新築が並んでいて、すべての家が被害を受けたということが、今の光明村からは想像がつかない程だった。
村の人たちは、初めてやってきた中国語のわからない私を、にこにこしながら受け入れてくれた。こんな風に受け入れてくれるのは、吉椿さんや光明村で活動したボランティアと村の人とが築いてきた信頼関係のおすそ分けをいただいたような気がした。
昼食後、光明村の老年活動センターを見に行った。木造の伝統的な作りの建物は、かっこよくて、村の雰囲気に馴染んでいた。今日はたまたま、いつもレストランをしているお母さん方がPTAの会議のようなものに行っていてセンターが開いていなかったため、あまり人がいなかった。普段はどんな様子なんだろう、ここにきている高齢者の方たちはここのことをどう思っているのだろうと思い、また日曜日に行ったときに開いていたら
いいなと思った。
老年活動センターでは村長さんや書記さんの話を聞いた。今後老年活動センターをより大きくして、イベントをしたり、釣りやほかにもいろいろと事業を広げていきたいというようなことを話していた。
老年活動センターを見た後、村の1人のお母さんに連れられて、そのお母さんのお宅にお邪魔した。そのお母さんは、老年活動センターをこれ以上大きくする必要はないと話していた。しかし、それは村長さんや書記さんには面と向かっては言わない。吉椿さんによれば、中国では政府の力がとても強く、村のことも村長や書記の意見でいろいろなことが決まるということが普通なことで、それに対して村人が意見する場などはほぼ存在しないという中国ならではの事情があるそうだ。
外から支援に入る私たちは、村の人たちの意見も聞いていった方がいいのではないかと思うかもしれないけれど、その意見を押し付けたら、この村の人間関係のバランスが崩れてしまうかもしれない。それはとても大変なことだと思う。でも、村のみんなの意見が汲み取られていくこともとても大事だと思う。村長さんや書記さんと村の人たちの意見、どちらもじっくり聞いて、バランスを取りながら調整することが大事だと思うが、それはとても基準があいまいなもので、慎重に進めないと難しいことだと思った。
外から支援に入って、老年活動センターを建てても、それで終わりでなく、老年活動センターが村の人たちに本当の意味で馴染んでいくように、見守っていくことも大切だと思った。
神戸大学 保健学科 
4回 後藤早由里