2008年5月12日に起きた中国・四川省の地震から3年が過ぎました。
四川省にいる吉椿のレポートです。
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四川大地震3周年レポート4
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北川県光明村の住民の多くは、現金収入を出稼ぎに頼らざるを得ない。震災によって住宅再建に多額のローンを組んだ為、出稼ぎにより拍車がかかった。震災後に外資によって村にレンガ工場が3つ誘致され、村民は遠く出稼ぎに行く必要がなくなった。だが、1年を待たずにことごとく閉鎖され、村民は再び職を失った。
Mじいちゃん(79歳)は、小学生の孫Aくんと二人きりだ。Aくんの両親は浙江省に出稼ぎに行っている。震災後、Mじいちゃんの息子さんは木造住宅を再建した。木造を再建する事を決めたのはMじいちゃんの強い希望からだった。小さい頃から木造住宅で暮らしてきたMじいちゃんだが、数年前に建てたレンガの家がこの地震で倒壊した。「やっぱり木造がいい。倒壊した家のレンガはもう使えないけど、木材は再利用出来るからなあ。」と少し自慢げに語る。
そんなMじいちゃんは、最近、よく村の診療所を訪れる。どこか体が悪い訳ではないようだ。医師のPさんによると「寂しいんだろうなあ。」という事だった。
CODEの建設する老年活動センターは、中庭のある伝統木造の三合院だ。出稼ぎで若者のいない村に残る高齢者や子ども達がこの施設を活用することになる。センターが出来れば、村の高齢者で作る老年活動クラブの元代表でもあったMじいちゃんは、今度はきっとここに来るだろう。村の書記Lさんは、「今年の老年節の祭りは、このセンターでやりたいなあ。」と語った。