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四川水害緊急レポート

日本では余り報じられていませんが、四川地震の被災地で豪雨による水害が発生しています。四川に戻ったYさんから緊急レポートが来ましたので、お届けします。
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四川水害緊急レポート(2009・7・18)
 昨年5月12日に襲った四川大地震の被災地にまた水害が発生した。7月14日から激しい雨が四川省全体で降り続いた。その激しい雨は、土砂崩れ、土石流、家屋浸水などの被害を引き起こした。17日までに死者8名、行方不明5人、仮設住宅浸水400戸、緊急避難者約11万人、約188万人がこの水害で被災したという。被害の大きいエリアは、青川、北川、江油、平武、三台などの22の市県に及ぶ。いずれも昨年の四川大地震の被災地である。北川から平武を通って青川へと抜ける山あいの地域である。昨年の地震で地盤の緩んだ斜面が崩壊し、土石流を引き起こしたとも思われる。地震後、ブン川や北川などの激甚地区でも大規模な土砂崩れを起こした斜面に土砂止めなどの対策を施しているところは決して多くはな
い。
 TVの映像では浸水した仮設住宅で洗面器で水をかき出す様子が流れている。北川県の曲山鎮の仮設住宅では一時60㎝の浸水があったという報道もある。実は昨年の地震後、廃墟になった北川県城では6月の塞き止めダムの崩壊と9月の集中豪雨による土石流災害の2度の水害に見舞われ、水の引いた廃墟の街は大量の土砂や流木で埋まっている。仮設住宅がそのまま流されたところもある。古代の水利の英雄、「大禹」は故郷、北川の変わり果てた姿を見たらどう思うのだろう。
 一方、CODEが地震直後から支援してる光明村を含む香泉郷でも水害で電気と道路が寸断された。郷政府の人々もその対応に追われていた。数ヶ月前からの郷を横断する道路建設の為に掘り起こしていた事で被害が拡大されたのかもしれない。村のお医者さんに電話すると「大丈夫だ。今のところは人や家屋の被害はない。危ないから来ない方がいい。心配してくれてありがとう。」と言っていた。地震後から僕らとずっと被災地に通っているドライバーは「地震後の去年はあまり降らなかったのに、今年はこんなに降るなんて、天が泣いているのかもね。」と言っていた。「国破れて山河なし」にしてしまった子孫に対する「大禹」悲しみの涙なのかもと僕は思った。