11月5日の読売国際協力賞授賞式のために帰国していたYさんが、震災半年後の現地の様子を綴ってくれました。急速に進むように見える住宅再建も、一進一退。復興への道のりは始まったばかりです。
———-
四川の被災地から
あの未曾有の災害から半年が過ぎた。被災地の各地には無数の仮設住宅群が広がる。と同時に、恒久住宅の再建も急ピッチに進む。CODEの支援する北川県香泉郷光明村でも住宅再建に被災者は忙しい。政府の方針で年末、もしくは春節(旧正月)まで入居しなければ補助が出ないという制約で多くの被災者はあせっている。また、早く住宅を再建して、出稼ぎに行きたいという思いもある。だが、最近の情報では、1年以内に再建すればいいという話を耳にした。青川県では2~3年以内だという。政府の方針が二転三転することで被災者は、困惑する。また、急ぐあまりに被災地の多くの場所で、道路沿いに延々とレンガを積んだ山が並び、耐震性の不十分なレンガ住宅が建設されている。
一方、学校、病院などの公共施設の再建も各地で進み、CODEの活動している香泉郷の中心小学校の建設も始まった。偶然にも、その小学校をデザイン、建設の支援をするのは、日本の東京大学の中国人留学生、胡先生(東京大学藤井研究室)たちであった。つい先日、デザインが完成し、いよいよ着工されるそうである。
広大な被災地の中の小さな場所で偶然にもつながった日本と中国の「絆」を活かした支援を考えていきたい。