中国四川省地震救援ニュース 48

久々にYさんのレポートをお届けします。Yさんは今(日本に)一時帰国中です
が、あちこちでの講演会や報告会など忙しい中、コツコツとレポートを書いて
います。
 毎朝、2時間半かけて成都から被災地へと向かい、蒸し暑い農村の倒壊し
た瓦礫の中で汗と埃にまみれて活動する。そして夕方、再び2時間半かけて
帰路につく。帰りの車の中ではボランティアは皆、「爆睡」である。
 一緒に汗を流している一人の中国人女性ボランティアを紹介したい。
 成都でお世話になっているゲストハウスの従業員のJさん(22)は、最初、
友達と二人、被災地に行きたいと言ってきた。単純に被災地をこの目で見て
みたいという思いだったのか、ゲストハウスの亡くなった同僚への思いなのか
は分からない。てっきり物見遊山的なものかと思っていたが、彼女だけはそ
の後も自ら長い休みを取って毎日僕らと活動を共にした。日差しの強い農村
部で一日瓦礫と格闘する。「疲れないか?無理するなよ」と声をかけても、
「大丈夫!」と決して弱音をはかない。普段から大人しい女性だが、いつも
淡々とボランティアを続ける彼女の姿に感動させられる。
彼女は僕にメールでこんな事を言った。「あなた達、日本人と一緒に活動でき
て嬉しいです。ずっとやりたかった事をやらせてもらえる機会を与えてくれてあ
りがとう!」と。ひとりひとりの中にあるくすぶっていた炎に僕らはそっと風を送
る。それがよそ者の役割なんだろうと思う。