中国四川省大地震救援ニュース 43

今日12日は、中国四川大地震から1ヶ月目です。マスコミ各社も特集を組んで
います。
以下は、Yさんからの現地レポートですが、被災当事者自身が苦しみを乗り
越えて、住まいの再建などに取り組む姿は、見ている側も痛ましい限りだが、
一方元気を貰うことにもなります。そうした人と人、あるいは人と瓦礫という”関
係性”が、少しづつ恢復力の弾みをつけるような気がします。このレポートを読
んでいて思い出すのは、2001年インド・グジャラート地震の被災地で耐震建築
のワークショップをした場所のことです。SEWAというNGOの指導のもとで、被災
住民が瓦礫を片づけながら、再利用できる鉄筋や木材、竹、石などを分別し、
空いたスペースで事物大の住まい建築を通しての”耐震ワークショップ”だった
のです。そのモデルの家のすぐ近くには、まだ崩れた家々がそのままになって
おり、正直複雑な思いをしたことを鮮明に覚えています。
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 北川県のとある農村での話。デコボコの未舗装の道沿いに倒壊した家屋が
点々と続く。被災地の中で支援の格差が広がりつつある状況でいつも見落と
されがちな農村部に入った。丁成洪さん(43)の96年に建てた家は、この地震
で脆くも崩れ去った。どこから手をつけていいのか分らないような瓦礫の山を目
の前に肩を落としていた丁さんだが、日本人ボランティア5人が一斉に瓦礫の
片付けを始めるとそれに触発されたのか重い腰を上げて動き出した。それを見
た奥さん、娘さんも。使える木材やブロック、瓦を拾い、瓦礫を片付ける。次第
にきれいに整理されていく事で気持も少し変わっていくようだった。二日目の作
業を終えた後、別れ際に丁さんは、「本当になんとお礼を言ったらいいか分か
らない。すごく勇気をもらったよ。」と笑顔を見せてくれた。ボランティアは、被災
者自身が立ち上がるきっかけを与えることしかできないのかも知れない。後
日、丁さんの言葉を聞いた日本人ボランティアは涙を流していた。
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