サモア・スマトラ西部地震」カテゴリーアーカイブ

2009/10サモア・スマトラ西部地震レポート-8

□サモア関連
*サモアで働いている日本人の方のレポートには、津波は7㍍~8㍍の高さで押し寄せ、小さな女の子を連れた母親が波に飲み込まれたり、車ごと波にさらわれたり、木の枝にくの字に折れた女性の遺体が引っかかっていたりとどれも悲惨な事実が書かれていました。
2004年のスマトラ地震。津波のときの特に女性が何故逃げ遅れるのかという話を思い出します。イスラム教という宗教上の慣習から、女性は身体を覆うように衣類を纏っているケースが少なくないため、こういうときにはいち早く逃げることが出来ないのです。イスラムの国での災害に触れると、宗教と災害という関係について今後ともより学ばなければならないと痛感する次第です。
*サモアには今回、アメリカ政府はもちろん、オーストラリア政府・ニュージーランド政府・欧州連合欧州委員会・赤十字などが支援に入っているようですが、過去にはJICA協力隊OBなどが開発支援をしてきたようで、「協力隊サモアOB会」もあるようです。
□スマトラ西部関連
日本の関係者などの救援活動が、各被災地で始まったようです。CODEのカウンターパートであるエコプロワットさんから、現地パダンの大学の先生からの情報が入ってきました。
*現地の関係者間では情報が混乱している。例えば救援物資が上手く配分されていないなど。
*一方、現地の関係者は復興に関してより長期的な計画を作ろうとしている。
などということなので、エコさんはもう少し情報を整理してから現地入りをしようとされているようです。エコさんは建築士なので、耐震を考慮した建築の設計などでお手伝いができればと望んでおられます。2006年のジャワ地震で、エコさんの設計で地元の資材を使い、かつ耐震構造を設計に入れた恒久住宅建設にCODEが支援しましたが、その時と同じようなパターンを考えているのかも知れません。
しかし、新聞報道にあるようにパダンの中心部は3階建て以上の鉄筋コンクリートの被害が目立ち、パリアマン市は平屋の家屋の被害が特徴だとのことです。そんな中で、木造伝統工法の家は壊れていないというレポートもあり、この様子は2006年のジャワ地震でも同じ傾向でした。すでにその時に、ジャワ伝統の木造住宅はほとんど損傷しないというふるまいは私も見てきましたので、想像が尽きます。
 またCODEの理事団体であるPHD協会さんが、日本で学び帰国された研修生が被災地に住んでおられるということもあって、直接募金を届けたいということで支援を呼びかけておられますのでご支援をお願い致します。
<振込先>
ゆうちょ銀行(郵便振替)
口座番号:01110-6-29688
口座名:財団法人ピー・エイチ・ディー協会
*「スマトラ支援」と明記してください。
(*詳細はこちら→http://www.kisweb.ne.jp/phd/ )
関係団体の動き
■(社)シャンテ国際ボランティア会(SVA)さんは、パダン市から約50㎞ほど離れたパリアマン市の郊外に入って、被害調査をしながら医薬品の配布をされています。
(*詳細はこちら→http://www.sva.or.jp/ )

2009/10サモア・スマトラ西部地震レポート-6

スマトラ西部地震の現地調査を行っている、人と防災未来センター研究副主幹の永松伸吾さんよりレポートを頂きましたので、ご紹介します。
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永松です。現在スマトラ地震の被災地におります(2009.10.6)。
昨日と今日の現地調査での感想を簡単ですが以下に記します。
大きく分けて3つの被災地を見学しました。
(1)パダン市内
 被害は2、3階建て以上のRC構造物に集中している。
公共施設、銀行、オフィスビルなどが中心のよう。
一般の住宅や商店の被害は限定的。経済活動は完全ではないが、食事に困るようなことはない。若干物価が上がっている。
ホテルでは電気はないが水は出る。
死者の多くが、自宅ではなく、勤務先などで無くなったと見られる。救命救助活動が迅速に行われたのは、生き埋め箇所が特定しやすかったことも原因か?
不思議なことに、道路や橋脚への被害はほとんどなし。
(2)パリアマン市内
 ほぼパダン市内と同じ。但し、こちらの被害は一般の住宅にも及ぶ。パダンほど大きなビルは少ない。
(3)パリアマン市郊外(パダン・パリアマン県)
 山に向かう道路沿いに集落が形成されており、今回通ったNagari Limou Parat集落ではほぼ住宅が壊滅状態。ようやく支援が届き始めた段階。
(3)については、私が見た範囲だけの印象ですが、もしもこの規
模の被害がそれぞれの集落にあるとしたら(実際、県当局のデータではここは突出しているわけではないので)結構大変だという感じがします。
死者は704人、行方不明は295人となっております。
約1000人の死者という数字はもう大きく動くことはなさそうです。

2009/10サモア・スマトラ西部地震レポート-5

サモアの津波による犠牲者が150人を超えた。トンガでも津波被害が発生している。そんな中で悲しいニュースばかりの中で「ホッ!」とする話題も紹介されている。津波を逃れて生後2日の男の赤ちゃんがTSUNAMIと名付けられた(毎日新聞朝刊、2009.10.04より)。なんでも別の名が付いていたが、奇跡の救出を受けたので゛TSUNAMI゛と命名されたとのこと。以前モザンビーク水害で逃げ切れなかった妊婦さんが樹上で出産し、支援をするのにその生まれた新生児の名前をとって「ロリータ基金」と名付け活動をされていたことを思い出す。
一方西スマトラについては、昨日の報道から、パダンで約300人が土砂崩れに呑み込まれ、村が消滅したところもあるという悲しいニュースを各紙が報じた。道路が寸断されると援助が遅れる。被災地がどのような地形が把握できていないので、推測の域はでないが、これからも土砂災害による小さな村の壊滅などのニュースが増えるのだろうか?
しかし、こうした困難な中でも過去のケースから想像すると、NGO初め日本の援助者は必ずや被災者の傍に寄り添うだろうと思っていたら、やはり日本赤十字社の医療支援チームはいち早く入っていた。医師の一人は「想像以上にひどい印象た゛。家屋の壊れかたがひどいし広範囲に及んでいる。医療が被災地に行き届いていない」と話している。救急医療には綺麗な水が欠かせない。道路が寸断していれば、水の供給は難しい。現場は時間との戦いだ。そしてどれほど離れているのか分からないが、一方、日本の国際緊急援助隊医療チームも、同じパリアマン県に入っているようだ。
被災地は広範囲になっているようなので、各国からのNGOは、見落としのないように活動しなければならない。こういう時はその土地の地理はもちろん、宗教的慣習から存在している文化や伝統なども尊重しなければならない。日々情報収集にも努めていますので、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

2009/10サモア・スマトラ西部地震レポート-4

インドネシア政府は、死者数531人・負傷者2690人以上に上ったと発表しました(2日現在、神戸新聞)。さて「今回の地震は、JICAと科学技術振興機構が連携、日本とインドネシアの地震研究者らが協力して、゛インドネシアにおける地震火山の総合防災策゛を進めている最中に起きた」ようです(北陸中日新聞・社説、09/10/2)。関係者にとっては、歯ぎしりを噛む思いでしょう。完全に崩壊した四階建ての外国語大学校舎から27才の女性教師が奇跡的に助かった。しかし同じ場所で同級生を亡くした学生は「新しい建物なのに、何故つぶれたのかは神様しか知らない」とつぶやいた。こうした状況を見る度に「耐震化が進んでいれば」と悔しい思いをすると共に「その地域において壊れない建物とはどういうものか」と考えさせられます。
さて日本からも緊急援助隊をはじめ多くのNGOが支援のため現地に向かい始めました。もちろん欧米のNGOも、国連機関もです。しかし私たちは忘れてはならないことがあります。それは2004年のスマトラ沖地震津波の際にも国際社会から多くの援助が入ったにもかかわらず、被災者中心の支援にならなかったという指摘が研究者はじめ多くの関係者が指摘されたことです。いわゆる゛援助漬け゛になったという事実です。援助は必要なところに必要なだけ行うのが原則です。
その後2006年の中部ジャワ地震では、その失敗を繰り返さないために、地元のNGOや研究者などがネットワークをつくり、地元主体の活動を展開しました。中部ジャワではよい支援活動が展開されました。今回の西スマトラでも、パダン出身の人たちが首都ジャカルタで後方支援のネットワークを創りはじめたとCODEのカウンター・パートから連絡がありました。1995年の阪神・淡路大震災を思い出します。あの時、故草地賢一は「阪神大震災地元NGO連絡会議」をつくり、゛地元゛にこだわりました。インドネシアとは、日本と同じく地震の多い国であることから、ほんとに助け合わなければならないが、その地に住む人たちを尊重することを忘れてはならないことを肝に銘じ、経験と知恵の共有を大切にしたいと思います。みなさま、ご支援をよろしくお願いします。

2009/10サモア・スマトラ西部地震レポート-3

CODEのカウンターパートである中部ジャワのエコプロワットさんから昨日、メールが届きましたので、ご紹介します。
「はい、おっしゃるとおり、パダンで地震がありました。2~3年前に予測されていたことです。
現在、私はTVニュースでのみ情報を入手しています。多くの建物が倒壊しています。銀行、政府の建物、ホテルを含み20以上の建物が崩壊したと伝えられています。
現時点(10/1 22時)で500人以上が亡くなったと伝えられています。瓦礫の中に埋まっているため、死者の数はもっと増えるだろうと言われています。
今年の6月、私はパダンに行きました。港近くや旧市街の建物は余りよい状態ではありませんでした。レンガ構造で木材と組み合わせた、マレー建築の旧タイプです。それら建物が、M7.6 の地震に耐えられるのか、私は判りません。
パダンの最新ニュースの入手に努めます。
パダンに行ってはどうかというご提案に関し、検討してみようと思います。」

2009/10サモア・スマトラ西部地震レポート-2

南太平洋サモア地震-インドネシア・スマトラ島西部大地震の被災者のための救援活動を始めています。ご協力をお願いします!!
サモア・スマトラ西部地震から、2回目の夜が明け新たな被害の増大に沈痛な面もちになります。スマトラ西部には、「もう一人のいのちが救えないか!」とAMDAや日本政府の緊急援助隊はじめ各区の救助隊も現地に向かっています。まだ倒壊した建物の下敷きになっている方が少なくないようです。「生きていて欲しい!」と世界中の人たちが固唾を飲んで見守る中救助作業が行われています。その倒壊した建物を配信される映像で見ると、いつものようにレンガブロックを軸にしたコンクリート建築であり、これでは助かるいのちも助からないことは何度も繰り返している。6434名以上のいのちを亡くす苦い経験をした阪神・淡路大震災の地から、伝えるべきことはまだまだあるように思われます。一方サモアでは、日本から派遣されているICAボランティア調整員が伝えた減災の智恵が浸透し、高台に避難誘導した結果数千人が助かったという嬉しいニュースも報道されています。
そう言えば、スマトラ西部地震の発生直後、元CODEのスタッフが2004年の津波で関わったスリランカの村の青年に電話をし様子を聞いたところ、「何人かは高台の叔母の所に避難している」との返事。「よかった!あの時の防災共育が活きたんだ!」と、胸をなで下ろしました。
しかし、あらためて痛感するのですが、「たった一人のいのちをも救う」ためには、日ごろの備えを如何にしておくかに尽きます。私は、”減災サイクル”という考え方を2007年から主張していますが、やはり根気よく訴え続けることで、サモアやスリランカのように活きるんだと教えられ、勇気を頂いた。
CODEで学んだ大学生が卒業後、太平洋を挟んだ遠く離れたエルサルバドルの地で防災共育の伝搬に取り組んでいます。若者が、経験や智恵を継承し、救援活動に関わって欲しいと切に願っています。余談ですが、先日彼女が卒業した高校の後輩が彼女のことを知っており、このことを話したら、「僕にとってはもう雲の上の存在です。」と誇らしげに笑っていました。減災思想は、こうして次世代に継承されていくのでしょう。
台風9号豪雨水害のあった兵庫県佐用町で行方不明のまま捜索が続いている二人の内一人の小学生の持ち物が見つかりました。毎日探し続けているおじいさんがその「下敷き」を手にし「これを手がかりになんとか探してやらんと!」と決意を新たにされています。サモアやスマトラ西部でも同じだろう。こういうときは祈るしかないのでしょうか?
阪神・淡路大震災では、バングラディシュの人たちが「私たちはお金を送ることはできませんが、祈ることはできます。」と祈り続けて下さったことを思い出します。
みなさん、ご支援よろしくお願いします。(2009/10/2)
CODE海外災害援助市民センター・事務局
振込口座:郵便振替 00930-0-330579
加入者名 CODE
*通信欄に「サモア」もしくは「スマトラ」と明記して下さい。
連絡先:CODE海外災害援助市民センター TEL 078-578-7744
村井(携帯) 090-3160-3816
*なお皆さまから寄せられたご寄付の15%をCODEの管理運営費に使
わせて頂きます。

2009.10サモア・スマトラ西部地震レポート-1

南太平洋サモア地震-インドネシア・スマトラ島西部大地震の被災者の
ための救援活動を始めます。まず募金活動にご協力下さい。!!
日本時間30日の午前2時48分、同午後7時16分に発した二つの地震で、サモアおよびインドネシア・スマトラ島西部地域に甚大な被害をもたらしました。阪神・淡路大震災をきっかけにこの15年間救援活動を続けてきたCODE海外災害援助市民センターは、44回目の海外被災地に対する救援活動を始めます。被害実態については各報道で伝わっていることですが、これからも被害が拡大することが心配されます。
サモアに関しては新聞報道以外はいまも情報収集をしている状況です。一方インドネシア・スマトラ島西部地域については、まずCODEのカウンターパートである中部ジャワのエコプロワットさんに被災地パダンの被害調査に関係者を派遣して欲しいとお願いし、またCODEの理事団体の一つがそもそものNGO活動の関係でパダン在住の方とのつながりがあることから、「地震直後に避難し、その後家に戻った。建物は結構崩壊している」という生の被災状況を頂いたりしています。
両地震災害について、さらに引き続き情報収集をしていきたいと思いますが、これまでのつながりから鑑みてスタッフの現地派遣も含めて、支援活動を追求していきたいと考えています。みなさまご支援のほどよろしくお願いします。(2009.10.1)     
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