月別アーカイブ: 2012年8月

青海省地震レポート37

CODE海外災害援助市民センターです。
スタッフの吉椿が青海省の被災地を訪れました。
引き続きレポートをお伝えします。
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青海省地震レポート37  (2012年 No.4)
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標高3700mの被災地、玉樹チベット族州結古鎮では、1年のうち8ヶ月が厳冬に閉ざされる。現在、この短い夏を利用して急ピッチな再建が行われている。
政府の大規模な復興事業の多くは、外部業者や出稼ぎ労働者によって再建工事が行われている。
避難キャンプのLさん(60歳男性)は、「この前新しく出来る家(マンション)の手伝いに行って来たんだ。」という。アルバイトにでも行ったのかと思うとそうではなく、そこに住む予定の住民たちと一緒に工事の手伝いを行ったという。「少しでも手伝ったら早く入居できるからな。」と行って、同じマンションに住む予定の住民とともに汗を流したLさんだった。
政府による復興計画では、被災者一戸あたりに80㎡の家(マンション)が無償で与えられる。だが、家族が10人以上という事が珍しくないチベット人にとっては、80㎡は決して広くは感じない。
「80㎡までは政府が無償で建ててくれるが、それで足りなければ後は自分で建てるしかない。でも、そんなお金ないから仕方ないよ。」とこぼすLさんであった。
(吉椿雅道)

青海省地震レポート36

CODE海外災害援助市民センターです。
先週お伝えしましたが、スタッフの吉椿が青海省の被災地を訪れました。
引き続きレポートをお伝えします。
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青海省地震レポート36  (2012年 No.3)
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現在、寨馬場キャンプには無数のテントが張られていて、約4万人の人が暮らしているという。
避難キャンプに住むLさん(60歳男性)は1年8カ月ぶりの再会を喜んでくれ、昼ご飯をご馳走してくれた。奥さん、子ども達の7人家族で二つのテントで暮らしているLさんは、高血圧と糖尿病で思うように働く事も出来ない。「今年も冬虫夏草を掘りに山に行ったが、体調崩してすぐに帰って来たんだよ。」とこぼす。
被災地、玉樹の最大の特産品「冬虫夏草」は毎年、5月から6月にかけて多くの人が山に掘りに行くほどの大事な収入源になっている。この時期に年収を稼ぐ人もいるくらいだ。
現在は、八一医院で医師として働く息子の収入と冬虫夏草に頼っている。避難キャンプでは、テントは政府によって支給されたが、電気やテレビ受信料などは個人で支払わなくてはならない。毎日、家(テント)にいて、食後の薬を複数種飲むLさんはどこか退屈そうに見えた。
(吉椿雅道)

青海省地震レポート35

CODE海外災害援助市民センターです。
先週お伝えしましたが、スタッフの吉椿が青海省の被災地に入りました。
引き続きレポートをお伝えします。
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青海省地震レポート35  (2012年 No.2)
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2012年4月14日発生した青海省地震(中国では、玉樹地震)。2年3カ月以上を経ても被災者の多くはテントで暮らしている。最大の被災地、結古鎮は僅かな夏を使って急ピッチな大規模再建が行われている。街に居るのはほとんどが再建工事関係の人ばかりで、被災者のほとんどは、数キロ郊外の賽馬場(夏の競馬祭りの会場である草原)の避難キャンプに移って行ったという。
寨馬場避難キャンプは、2010年に訪れた時よりも避難テントやプレハブが増え、入口からプレハブで作った仮設店舗が並び、その先に無数の居住テント群へと広がっている。
避難キャンプの入り口からスーパーマーケット、食堂、衣料品店、靴屋、仏具屋、コピー屋、旅館、風呂屋、ネットカフェなどなど日常生活に必要な店が軒を連ねている。「街がこっちに移ったようだ。」と思うほど、ここには非常に活気がある。まさに「仮の市街地」だ。長い冬で復興事業も中断を余儀なくされ、いつ終わるとも分からない中、今を楽しく生きようとしているチベット人の気風が感じられる。
避難キャンプでコピー屋を営むAさん(30代)は、結古鎮中心部で被災した。今の状況に対して「金のある奴がどんどんプレハブや家を建てていくのさ。」と語った。
(吉椿雅道)