10月末、青海省の被災地、玉樹に戻って来た。
4か月ぶりの被災地の暮らしは、直後からほとんど変わっていない。変わったと言えば、街中で倒壊したそばでテントを張っていた人々が、避難キャンプに移動している事だった。
6月に会った被災者の人々の住む旧市街地、普棤達巷に向かった。そこはすでにガレキが撤去され、空き地になっているところが多かった。前回、会ったおじさんの家は、全壊には至っていなかったが、すでに跡形もなく更地になっていた。近所の方に聞くと、「そこの人は西寧に家を持ってるからそっちに行ったよ。」と教えてくれた。また、すぐ隣の方は、倒壊を免れた自宅をそのままにしてラサに行ったという。
その後、テントで暮らしている家族にお話を聞く事が出来た。
Aさん(40代男性)は、5000元(約6万7000円)で買った大きめのテントを自宅の敷地内に張り、家族6人身を寄せ合うように暮らしている。地震直後は、政府の指示で寨馬場のキャンプに避難し、その後、空港の避難キャンプに移るなど計4回の引っ越しを経て元の自宅に戻り、テントで暮らしているという。そして再建の準備が始まるので、いずれここを出なくてはいけない。今後の事を尋ねるとAさんは、「先のことはまったく分からないよ。」とつぶやいた。
持てる人はいち早く行き場を見つけ、持たざる人は未だ行き場もなく先の見えない不安を抱え、今を生きている。