四川省地震の救援プロジェクトで成都に滞在しているYさんが、10月半ばに青海省地震の被災地を訪問れました。6月に続いて二度目となります。そのレポートを数回にわたってお届けします。
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2010年4月14日 青海省玉樹チベット族自治州でM7.1の地震が発生してから半年の月日が流れた。本格的な冬を前に10月下旬、被災地、玉樹を再び訪れた。
身が締まるような寒さとカラカラに乾燥した空気が、標高3700mという高地を感じさせる。最大の避難キャンプである寨馬場(夏の競馬祭の会場)の草原には、6月に訪れた時の倍以上のテントがところ狭しと無造作に並んでいた。聞くと、6月に山に「冬虫夏草」を採取に行っていた無数の被災者が戻ってきた事だけではなく、結古鎮の街中で被災した人々が移動してきているという。「再建工事が始まるから引っ越ししないと」、「今月中に引越ししないと補助金がもらえないから」などの言葉のように、これまで倒壊した自宅の敷地内にテントを張って暮らしていた人々も鎮全体の再建工事でガレキは撤去され、徐々に他の場所へと移動せざるを得ない状況になってきている。
一方で、プレハブの仮設の建物も街中に増えている。至る所に「仮設建てます!」などの広告が張られている。寨馬場の避難キャンプでも、テントの横にプレハブの仮設住宅を建てている被災者の人や、中心部で商店やレストランを経営している人々も仮設を建て、営業している。経済的に余裕がある人は自力で仮設を建て、商売をし、徐々に自分の生活を取り戻そうとしている。
また、ラサや西寧に親戚を頼って、被災地を後にした人々も少なくはない。だが、ほとんどの被災者はテントのみで暮らし、一日何もやる事もなく暮らさざるを得ない。引っ越しで二転三転して、ようやく落ち着いても大してする事もなく、先の見えない不安ばかりが頭をよぎる。震災から半年、格差がはっきりしてきた。