被災地、玉樹の最大の避難キャンプでは、中国のNGOやボランティア達が、地震の発生直後から活動している。四川の被災地でつながったNGO「関愛生命万里行」のボランティア達は、僕らにテントや食事などを快く提供してくれた。その現地代表のM氏に話を聞いた。彼らは、地震発生の3日後からボランティアの医師と共に医療活動などを行ってきた。
M氏は、心理ケアの専門家でもあるが、現在は医療活動、子供のケアに留まらず、何でも屋のように駆け回っている。時折、拠点のテントに被災者がM氏を訪ねて来ては、被災証明書などの情報について相談する。
四川での活動経験もあるM氏は、「四川の時より条件が悪い。」と言う。多くの被災者は固定の仕事を持っていない事、チベットでは文化も言語も違う事、仮設住宅を建設しない事、6月の段階でもテント(夏用)を配りきれていない事、9月から冬になる事など自然条件から生活条件まで課題は多い。
翌朝、避難キャンプを歩いてみた。キャンプ内を流れる小川のそばを歩いている時にある光景が目に入ってきた。十数人の人々が川の両側に土のうを積む作業を行っていた。まさか、と思って、被災者の方に聞くと「夏場には集中的に雨が降り、川が増水するからなあ。」と返って来た。小川と言っても、川幅3~4メートル、水量は多く、流れも速い。土のうを積んだくらいで大丈夫なのかと首を傾げたくなる。
避難キャンプでのこれらの課題に対して「政府はどう対応しているのか」とM氏に尋ねると「地元政府に相談しても、逆にどうしたらいいか聞かれる。」というくらい対応策が未だ見えていないようである。
9月になると被災地に冬が来る。政府の発表では、冬用のテントや暖房器具を配布すると言っているが、未だマネジメントしきれていない状況で、このキャンプに暮らす数万人の被災者に均等に届くのだろうか。。。
青海省地震レポート24
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