成都からトラックに物資を積んで玉樹に入って3日目のチベット人からの情報によると、「現地では圧倒的にテントと食料が足りない。昼は暖かいけど夜は非常に寒い。」とのこと。また「カップラーメンばかり食べていてお腹を壊している人もいる。お米が食べたい。」と被災者の方は言っているそうだ。
ここで少しチベット人の食について、、、
チベット人は通常、ツァンパ(日本の麦こがしのようなもの)と呼ばれるもの食べる。ハダカオオムギ(大麦の一種)を炒ったものを粉状にして、バター茶を加えて手で団子にして食べる。濃厚な麦の香りがする団子である。遊牧民であるチベット人達はこれを羊の皮袋に入れて携帯している。日持ちする保存食でもある。
またおなじみのバター茶(酥油茶)もチベット人には欠かせないものだが、ヤク(高原に住む毛の長い牛)の乳から作ったバターに岩塩、黒茶を入れてドンモと呼ばれる器具で撹拌させてから飲む。高原のチベットの乾燥した気候には最適な飲み物で、乾燥する体に水分、塩分を補給し、油によって乾燥を防ぐ効果があると言われ、チベットの気候風土によって生まれた智恵である。高山病対策の妙薬のひとつでもある。
チベットを旅した際にゴンパ(お寺)で非常にフレンドリーな僧侶達がこのバター茶でもてなしてくれた事を思い出す。その他にはトゥクパと呼ばれる小麦粉で作ったうどんのような麺やモモという蒸し餃子などが代表的な食べ物である。
標高3700mの高地に順応した誇り高きカムパとは言え、震災によって家族や家を失った人々への精神的な痛みは大きいに違いない。だからこそ彼らの心が一瞬でも緩むような食事が提供される事を願う。やはり被災地の暮らしをしっかりと知らなくてはならない。
現在、四川のMさんを通じてツァンパやバター茶を被災地に送れないか相談している。
現時点の被害状況 (19日夜 新華網)
(人的被害) 死者:2039人
行方不明者:195人
負傷者:12135人(うち重傷者1434人)
中国青海省地震レポート No.4
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